新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

写真を眺めるだけでも楽しい「日本料理の季節の椀」

2018年11月26日 | 新刊書
日本料理の季節の椀
奥田 透 (著), 末友 久史 (著), 松尾 慎太郎 (著)


この時期は、椀ものが恋しくなる時期ですね。
レシピを見ても、特に椀ものは真似することが難しいのですが
写真を眺めるだけでも楽しいものですし
料理のヒントがわずかでもえられるといいですね。


単行本: 168ページ
出版社: 柴田書店 (2018/11/26)
言語: 日本語
ISBN-10: 4388062723
ISBN-13: 978-4388062720

内容紹介
日本料理の<椀もの>は、料理人が献立の中でもっとも力を入れるジャンル。

「椀料理こそが、日本料理の魅力と技術の<粋>を体現する」と言ってもいいほど、花形の存在だ。

東京・京都・大阪の実力派料理人による、春夏秋冬のお椀料理61品を調理のプロセス写真つきで紹介。

使用した食材は椀種、あしらい、吸い口、椀地とジャンル別に索引をつけた。また、登場するお椀一覧では外見はもちろん蓋の裏の意匠も見せる写真も収録。

※本書は、月刊専門料理誌上で連載した奥田透氏の「季節のお椀12か月」を基に、祇園末友、
北新地弧柳での新規撮影を加え、連載時の倍以上の52品と椀替わり9品を収録したものです。

買い逃していたのを買うチャンス。「ライプニッツ著作集第1期 新装版(4)認識論『人間知性新論』上」

2018年11月26日 | 新刊書
ライプニッツ著作集第1期 新装版(4)認識論『人間知性新論』上 単行本 – 2018/11/26
G・W・ライプニッツ (著), 下村 寅太郎 (監修), 山本 信 (監修), 中村 幸四郎 (監修), & 4 その他



ライプニッツ著作集は、第二期の三冊の刊行が完了したのに合わせて
第一期の十冊も、新装版で復刊されることになりました。
買い逃していたのを買うには、チャンスですね。


内容紹介
微小表象とは何か?
ジョン・ロック『人間知性論』への反論

A・N・ホワイトヘッドが「天才の世紀」と呼んだ17世紀に生をうけ、
デカルトやニュートンをはじめとする同時代の偉才の思想に向き合い、
さらなる可能性を求めつづけたライプニッツ(Gottfried Wilhelm Leibniz, 1646-1716)。
経験論の主柱J・ロックの『人間知性論』を精読し、生得観念、無意識、微小表象などをもって
つぶさに反論を開始する。

単行本: 352ページ
出版社: 工作舎; 新装版 (2018/11/26)
言語: 日本語
ISBN-10: 4875024983
ISBN-13: 978-4875024989

[目次]
序文
第1部「生得的概念について」
第2部「観念について」

下巻([5]認識論『人間知性新論』下)
第3部「言葉について」
第4部「認識について」

出版社からのコメント
待望の新装復刊!
『ライプニッツ著作集 第I期(全10巻)』は、下村寅太郎・山本 信・中村幸四郎・原 亨吉各氏を監修者に迎え、バロックの哲人ライプニッツの普遍的精神の全容を精選・翻訳した本邦初、世界に類のない著作集。論理学、数学、自然学、哲学、宗教から中国学まで、多岐にわたる主要著作を総合的に編み、1999年に完結しました。第35回日本翻訳出版文化賞受賞。『第II期(全3巻)』の完結を機に、『第I期(全10巻)』を函なし新装版にて順次復刊します。

精神分析の新たな展開が期待される岡野憲一郎「精神分析新時代】

2018年11月26日 | 新刊書
精神分析新時代
岡野憲一郎 (著)



岡野憲一郎さんには、下に示すような多数の著書や訳書があります。
多重人格や自己愛を中心として理論を展開してこられたようです。
精神分析という分野は、フロイトの時代からすでに何度も改革が続けられていますが
まだまだ新しい展開が求められています。
岡野憲一郎さんの1999年の「新しい精神分析理論」からどのように理論が展開されているのか、
読むのが楽しみです。



単行本: 275ページ
出版社: 岩崎学術出版社 (2018/11/16)
言語: 日本語
ISBN-10: 4753311481
ISBN-13: 978-4753311484

内容紹介
(序文より抜粋)
精神分析の未来形
妙木 浩之

若い時から良く知っているが,岡野憲一郎は「書く人」である。彼はいつも考えていることを書きながら歩いている。その思索は,書くことによって再帰的に着想になり,オリジナルな思考がその循環のなかから生み出される。本書は,そのオリジナルな思索を,文字通り,精神分析とは何かという問いに,改めて組みなおそうとした本だ。…
おそらく日本を含めて,精神分析のパラダイムに地殻変動が起きていることは間違いない。それを「静かな革命」と呼ぼうと「分析新世代」と呼ぼうと,パラダイムの変更がはっきりして私たちの目に見えるのは,まだ先のことだろう。これからの精神分析を考える上で,期待や願望を含めて,重要な論点を列挙するなら,
1 精神分析の理論の全体を,既存の対象関係論のパラダイムをもとに,組み替えていく。結果として,
2 精神分析が他の諸科学との接点のなかで,オリジナルな思考を展開する。
3 新しい精神科学の知見に合わせて理論の更新と修正を繰り返していく,ということが求められている。
これら後半の二つが,本書の主題であり,岡野が問い直していることだ。もちろん,これらの行為を現代ではEvidence-basedな世界との接点を求めることで行っていく必要もあるだろうが,そもそも,他の隣接科学への接点という着想があるかないかは大きい。例えば,かつてフランクフルト学派,つまり批判理論は,マルクス主義と精神分析を車輪の両軸のようにして発展した社会学だったが,それだけ精神分析の着想が担保されていた時代があるのだ。現在,精神分析理論が他の学問に影響する回路は,「臨床」という名前で学問が閉ざされ始めてから,すっかり失われてしまったように見える。精神分析は独自な方法論であることは確かだが,理論は汎用性が必要であり,そのためもう一度,他の諸科学にインパクトのある理論に組みなおしていく,問い直していく必要がある。岡野の仕事は,そうした着想に満ちている。
だから本書で登場する,これまでの前提を「問い直す」という各章は,精神分析臨床そのものを脱構築しようとする彼の意思表明だ。そして最後に脳科学,さらには現代のAIの深層学習に触れながら,無意識を再定式化しようとするところはなかなかスリリングである。解釈って何か,終結って何か,といった技法への問い直しのみならず,フロイトがジャネとの関係で踏み込まなかった「解離」を愛着理論の視点からとらえなおして,右脳の機能的な理解から,さらには深層学習の理解から,新しいアイデアを提示しようとしている。私たちが当然の前提としてしまっている精神分析のジャーゴンやドグマに対する異議申し立て。「書く人」岡野憲一郎の思索は,精神分析の未来を考える上で,重要な一石を投じている。
できる限り,大きな波紋が拡がることを願っている。

 序  文──精神分析の未来形
 まえがき
第Ⅰ部 精神分析理論を問い直す
 第1章 精神分析の純粋主義を問い直す
 第2章 解釈中心主義を問い直す(1)─QOL向上の手段としての解釈
 第3章 解釈中心主義を問い直す(2)─共同注視の延長としての解釈
 第4章 転移解釈の特権的地位を問い直す
 第5章 「匿名性の原則」を問い直す
 第6章 無意識を問い直す─自己心理学の立場から
 第7章 攻撃性を問い直す
 第8章 社交恐怖への精神分析的アプローチを問い直す
 第9章 治療の終結について問い直す─「自然消滅」としての終結
第Ⅱ部 トラウマと解離からみた精神分析
 第10章 トラウマと精神分析(1)
 第11章 トラウマと精神分析(2)
 第12章 解離の治療(1)
 第13章 解離の治療(2)
 第14章 境界性パーソナリティ障害を分析的に理解する
 第15章 解離の病理としての境界性パーソナリティ障害
第Ⅲ部 未来志向の精神分析
 第16章 治療的柔構造の発展形─精神療法の「強度」のスペクトラム
 第17章 死と精神分析
 第18章 分析家として認知療法と対話する
 第19章 脳からみえる「新無意識」
 第20章 精神分析をどのように学び,学びほぐしたか?

 参考文献
 あとがき
 索  引


著者について
1982年東京大学医学部卒業,医学博士。1982~85年東京大学精神科病棟および外来部門にて研修。1986年パリ,ネッケル病院にフランス政府給費留学生として研修。1987年渡米,1989~93年オクラホマ大学精神科レジデント,メニンガー・クリニック精神科レジデント1994年 ショウニー郡精神衛生センター医長(トピーカ),カンザスシティー精神分析協会員。2004年4月に帰国,国際医療福祉大学教授を経て現職京都大学大学院教育学研究科臨床心理実践学講座教授,米国精神科専門認定医,国際精神分析協会,米国及び日本精神分析協会正会員,臨床心理士。 著訳書 恥と自己愛の精神分析,新しい精神分析理論,中立性と現実新しい精神分析理論2,解離性障害―多重人格の理解と治療,脳科学と心の臨床,治療的柔構造,新外傷性精神障害─トラウマ理論を越えて,続 解離性障害―脳と身体からみたメカニズムと治療,脳から見える心―臨床心理に生かす脳科学,恥と「自己愛トラウマ」,臨床場面での自己開示と倫理(以上岩崎学術出版社)



岡野さんには次のような著書や訳書があります。

■精神力動的サイコセラピー入門 : 日常臨床に活かすテクニック
セーラ・フェルス・アッシャー著 ; 岡野憲一郎監訳 ; 重宗祥子訳
岩崎学術出版社 2018.9
■精神分析過程における儀式と自発性 : 弁証法的-構成主義の観点
アーウィン・Z.ホフマン著 ; 岡野憲一郎, 小林陵訳
金剛出版 2017.11
■週一回サイコセラピー序説 : 精神分析からの贈り物
高野晶編著
創元社 2017.11
■自己愛的 (ナル) な人たち
岡野憲一郎著
創元社 2017.11
■快の錬金術 : 報酬系から見た心
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 2017.9 脳と心のライブラリー
■臨床場面での自己開示と倫理 : 関係精神分析の展開
岡野憲一郎編著 ; 吾妻壮, 富樫公一, 横井公一著
岩崎学術出版社 2016.11
■心理療法における終結と中断
岡野憲一郎, 松下姫歌, 高橋靖恵編
創元社 2016.3 京大心理臨床シリーズ, 11
■解離新時代 : 脳科学、愛着、精神分析との融合
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 2015.8
■臨床医のための精神科面接の基本
日本精神神経学会精神療法委員会編 ; 松木邦裕 [ほか] 著
新興医学出版社 2015.6
■恥と「自己愛トラウマ」 : あいまいな加害者が生む病理
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 2014.6
■脳から見える心 : 臨床心理に生かす脳科学
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 2013.7
■解離の病理 : 自己・世界・時代
柴山雅俊編 ; 松本雅彦 [ほか] 著
岩崎学術出版社 2012.11
■心理療法/カウンセリング30の心得
岡野憲一郎 [著]
みすず書房 2012.7
■関係精神分析入門 : 治療体験のリアリティを求めて
岡野憲一郎 [ほか] 著
岩崎学術出版社 2011.11
■構造的解離 : 慢性外傷の理解と治療
Onno van der Hart, Ellert R.S. Nijenhuis, Kathy Steele著
星和書店 2011.10
■脳と身体からみたメカニズムと治療
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 2011.9 解離性障害 / 岡野憲一郎著, 続
■わかりやすい「解離性障害」入門
岡野憲一郎編 ; 心理療法研究会著
星和書店 2010.8
■恥と自己愛の精神分析 : 対人恐怖から差別論まで
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 2010.4 オンデマンド版
■解離性障害
岡野憲一郎責任編集
中山書店 2009.12 専門医のための精神科臨床リュミエール, 20
■新外傷性精神障害 : トラウマ理論を越えて
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 2009.8
■多重人格者 : あの人の二面性は病気か、ただの性格か : 不思議な「心」のメカニズムが一目でわかる
岡野憲一郎監修
講談社 2009.2 こころライブラリー : イラスト版
■治療的柔構造 : 心理療法の諸理論と実践との架け橋
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 2008.8
■多重人格の理解と治療
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 2007.8 解離性障害 / 岡野憲一郎著, [正]
■女性心理療法家のためのQ&A
岡野憲一郎編 ; 心理療法研究会著
星和書店 2007.7
■「特集」ボーダーライン(境界性人格障害)
星和書店 2006.3 こころの臨床a・la・carte, ; 第25巻第1号
所蔵館10館
■脳科学と心の臨床 : 心理療法家・カウンセラーのために
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 2006.11
■忘れる技術 : 思い出したくない過去を乗り越える11の方法
岡野憲一郎著
創元社 2006.10
■気弱な精神科医のアメリカ奮闘記
岡野憲一郎著
紀伊國屋書店 2004.12
■自然流精神療法のすすめ : 精神療法、カウンセリングをめざす人のために
岡野憲一郎著
星和書店 2003.10
■中立性と現実
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 2002.10 新しい精神分析理論 / 岡野憲一郎著, 2
■心のマルチ・ネットワーク : 脳と心の多重理論
岡野憲一郎著
講談社 2000.9 講談社現代新書, 1519
■新しい精神分析理論
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 1999.10-
■米国における最近の動向と「提供モデル」
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 1999.10 新しい精神分析理論 / 岡野憲一郎著, [1]
■恥と自己愛の精神分析 : 対人恐怖から差別論まで
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 1998.9
■対象関係集団精神療法 : 対象・道具・訓練の基盤としてのグループ
ラモン・ガンザレイン著 ; 岡野憲一郎 [ほか] 訳
岩崎学術出版社 1996.10
■外傷性精神障害 : 心の傷の病理と治療
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社 1995.11
■ある精神分析家の告白
H. S. ストリーン著 ; L. フリーマン口述筆記 ; 岡野憲一郎訳
岩崎学術出版社 1993.7
■解離性障害
岡野憲一郎著
岩崎学術出版社