のぶのぶの音楽雑記

演奏会のお知らせだけでなく、色々なことを書いていこうと思います。

古い録音を聴くようになったことについて1

2023-03-17 20:02:40 | 日記
先日ちょろっとツイートしたのですが、音大に入った頃、ホロヴィッツを知らない学生は珍しくありませんでした。このツイートが私としては少し伸びたので、この事を少し掘ってみたいと思います。(ブログのネタ切れということでは…な……い)


これ、何を言いたかったのかというと、「昔のピアニストを知ってるのが偉い」とか「知らないのはおかしい!」なんて意味ではもちろんないのです。もちろん現代でも素晴らしいピアニストはたくさんいますし、個性的なピアニストもたくさんいます。でも、それと同じように素晴らしく個性豊かなピアニストが100年前(録音がある前提のためだいたい100年としてます)にだっていたんです。しかも彼らはみんながよく耳にするドビュッシーやラヴェル、サンサーンスなんかとお友達だったりするんですよ?リストの弟子だったりするんですよ?そう思ったら興味わきません?って意味も含んでました。テンポ感や表現が今日聴かれるものとはだいぶ違ったりしていて面白いよ!って。

さて、なぜ自分はそういう音源を聴くようになったのだろう?と思い返してみました。単純に家の環境でした。両親ともCDはよく聴いてます。主に父がCD屋へ毎週行ってまして、それについて行くうちに私も、という流れ。そして、家では食事の時にいつもCDをかけていました。※テレビを見てると私の箸が進まないから(笑)
その時によくかかっていたのがホロヴィッツやルービンシュタイン、バックハウス、ケンプ、ミケランジェリなどでした。存命のピアニストならばポリーニ、アルゲリッチ、バレンボイム、ブレンデルetc。まぁ…王道ではありますよね。

そこから小学生おのぶは段々成長し中学生おのぶになり、その時に音盤覚醒しマニアへの道を走り出すのでした(笑)
記憶しているのはリヒテルの平均律1巻2巻でしょうか。お年玉か何かで当時6800円のCDを買いました。今でもだけど…高い!しかし、そこまで古い録音ではないですよね。
古い録音に目覚めたのは1928年のバックハウスのショパンのエチュード集でしょう。色々なピアニストの古い録音が10枚で2000円ほどというBOXがCD屋で売られていたのです。バックハウス=ベートーヴェンというイメージだった私は、ちょうどショパンのエチュードを習い始めたこともあって(値段が安いこともあって笑)飛び付きました。そりゃ録音状態は現代に比べれば良くないです。しかし、そこから聴こえてきた音楽は全く古くないのです。バックハウスのOp10-2を聴いた時の衝撃と言ったら!本当に腰を抜かすものでしたねぇ。3-4-5の半音階をあんなに滑らかに、あのテンポで!10-9、11なんかもすごく新鮮で何度も聴いていました。なんだ、90年前の録音だって全然聴けるじゃないか、というのが心に残りました。

ありがたいことにその激安BOXが次々と発売されました。昔のピアニストたちによるショパン10CD、昔のピアニストのライブ音源10CD、ミケランジェリのライブ音源10CD(Vol.1、2)。これは全て買いました。ライブ盤なんかは今は亡きピアニストたちの演奏会を体験出来るようで素晴らしかったですね。そこでチェルカスキーを知り、そこからホフマン、ゴドフスキー、ボレット、サンサーンスの音源。
ラフマニノフのショパンを聴き、ラフマニノフの音源の存在を知りました。ミケランジェリからはフィオレンティーノを知りました。
インターネットが今ほど普及していない時代、私にはCDのブックレットが色々なピアニストへアクセスするためのガイドになっていました。

まだまだ長くなるので今日はひとまずここまで。もっと続きます(笑)


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