のぶのぶの音楽雑記

演奏会のお知らせだけでなく、色々なことを書いていこうと思います。

音楽との出逢い

2024-07-09 19:21:05 | 日記
少し前に載せたマイケル・ジャクソンのSpeechlessの動画を見た方から「こういう音楽も聴くんですね」と言われました。そこでふと振り返ってみました。

マイケル・ジャクソンの亡くなった日、私は高校へ登校する前にピアノを練習していました。練習を終え、朝食の前にテレビをつけるとどのチャンネルもマイケル・ジャクソンの訃報について。その頃の私はクラシックしか聴かない人間でした。なので、マイケルほどの大きな存在が亡くなった、ということはショッキングなことではありつつも「へぇ~そうか~」くらいなものでした。その日は定期試験でした。早く学校が終わり、友人達とゴルフの打ちっぱなしへ行き、軽い熱中症になり帰宅後ずっと寝ていました。頭痛の中、ドラえもんを見ようと19時にテレビをつけると(ということは金曜日ですね。ドラえもん、しんちゃんはその頃金曜日に放送されてました。)、マイケル・ジャクソン追悼番組…あぁそういえば番組変更になってもおかしくないか…と流してました。そこで流れていたのはライブ・イン・ブカレストのビリージーンのダンスソロ。なんだこの人間じゃない動きは!と釘付けに。

その瞬間から彼が何となく気になる存在に(小学生男子か笑)。
そこから沼にハマるまで時間はかからなかったです。床屋のおっちゃんにCDを借り、結局欲しくなったから買い、DVDも買い…クラシック以外にこんなにハマったのは初めてでした。クラシック0.5:マイケル9.5という割合だったと思います。当時モバゲーというコミュニティサイトがあり、そこで知り合った人達とよくマイケルについて語り合ったものです。

そんなある日YouTubeでマイケルの動画を見ていると、関連動画にThey don't care about usのカバーがひょっこり出てきました。何気なく再生してみたらなんとカッコイイことでしょう。目を見開きましたね。詳細を見ると「Northern kings」という4人のイケおじ達らしい。しかもジャンルはメタルと書いてあります。自分から一番縁遠いと思っていた音楽でしたから驚きました。当時の私のメタルへのイメージはデスメタルだったのですよね。メタルに色んなジャンルがある、ということなんか知りませんでした。「Northern kings」というのはフィンランドの有名なメタルバンドのヴォーカルを4人集めた企画モノでした。その中で私がグッと心を掴まれたのはCharonというバンドのヴォーカル「J-P レパルオト」でした。しかしCDはすぐに手に入らず…仕方なく別のバンドを探す…TSUTAYAで借りられたSonata Arcticaを聴いてみることに。なんの知識もなく借りたのがたまたま名盤と言われる1stアルバム「Ecliptica」でした。あっという間にどハマり(笑)浪人時代でしたね。その後は同じく「Northern kings」メンバーのマルコ・ヒエタラが在籍するNightwishも聴き始めました。

さて、これが2009年6月25日のマイケルの死から2011年の約1年半の流れです。2011年3月には東日本大震災がありました。私は福島県の郡山におりましたので、原発の問題もあり外に出られない日々が続きました。また私は12日から肺炎になり入院もできず寝たきりで過ごしていました。そんな中、私の精神的な支えとなったのはやはり音楽でした。マイケルも聴きましたしメタルも聴きました。ネットでメタルのCDレビューサイトを暇つぶしに見漁る。気になったものはYouTubeで聴き漁る…そんな毎日。そこで運命的な出逢いをしたのがLacrimosaでした。「Hohelied der Liebe」を聴いた時の衝撃は今も忘れません。クラシックとメタルの融合なんてレビューにありましたが、融合という表現には収まらない、クラシック音楽の延長線上にある音楽、という印象でした。それからLacrimosaにハマっていったわけです。

2012年に大学に入ってからは環境もあってクラシック4:メタル6というような割合になっていました。メタルは雑食で好みが広がった時期でもあります。そんな時に出逢ったのが「プログレ」というジャンル。参考にしていたメタルのCDレビューサイトを読んでいたのがきっかけでした。最初はキング・クリムゾンやイエスと王道から入ったでしょうか。Moon Safariに出逢ったのもこの頃。当時感動したのはマイク・オールドフィールドの「Ommadawn」というアルバム。涙が流れるほど感動しましたね。そして日本のARS NOVAとの出逢い。

クラシックの人間はメタルやプログレ好きが多い、なんてたまに聴きますが、自分には当てはまるようです。その中で自分は幅広く聴くタイプではないのかもしれませんが、自分としては色々聴いたなぁと思っています。そんな中で自分の好きな音楽の共通点のようなものを見つけます。それがバロック音楽でした。イングヴェイやストラトヴァリウスなんかが表面的には顕著かもしれませんね。ところが表面上だけではなく、精神性もそのようなことを感じる場面が多々あるのです。本人たちからすればそんなことは無いのかもしれませんが、彼らもまた脈々と続く音楽史の中の1人なのでしょう。

そこから今の私が形成されてきたように思います。クラシック→マイケル・ジャクソン(ポップと言わずあえて)→メタル→プログレ→クラシック…このように2009年-2019年の約10年をかけて「バロック音楽をモダンピアノで弾く私」というのが出来上がりました。「バロック音楽をモダンピアノで」というのは間違いなくLacrimosaの思想が一番影響しています。それは間違いありません。しかし、Lacrimosaに出逢うためにはマイケルから出発しなければならなかったのです。そしてLacrimosaから先へ進まねばなりませんでした。自分の「好き」を追求していった結果が今の私です。すべての音楽との出逢いに喜びと感謝と敬意があります。あの頃のようにたくさんの出逢いは今後ないかもしれませんが、これから出逢う音楽もすごく楽しみです。
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フォルテピアノと朗読

2024-07-02 20:01:12 | 日記





6月29日、SNSで相互フォローさせていただいている方のコンサートへ行ってきました。
フォルテピアノ(レプリカではなく1817年のオリジナル!)と朗読によるコンサート。演奏は小原道雄さん。朗読は岩下時和さん。

感想としてはただただ楽しかった!色々な種類の「面白い」を味わったような感覚で、あっという間の2時間でした。
曲目も思わずニヤリとしてしまう選曲。特に1817年製の楽器でクレメンティ、ハイドンを聴けるというのはそれだけでワクワクです。今日聴かれるクレメンティとは違う、長調の優雅さや短調の耽美さはモダンピアノでは味わうことの難しい響き。それだけでも面白いのに、朗読とセット。

朗読→演奏という感じなのかなぁと思っていたのですが、朗読に合わせて演奏することもあり、その後にソロという流れでした。この朗読と合わせる、というのがすごく良かったのです。と言いますのも、普通であればBGMになってしまうか、逆に少し邪魔なったりしてしまうようなものですが、演奏が朗読の内容をぐっと引き出すのです。BGMではなく朗読のその場面をよりリアルに感じられるようになりました。そればかりは体感していただかないと伝わりにくいのですが💦

前半の最後はバッハのフランス組曲6番からアルマンド。想像しにくいかもしれませんが、アルマンドに朗読を乗せるのです。演奏前に「実験的」と話されていましたが、すでに確立されたような内容でした。これも聴いていただくしかないのですが(笑)

後半は笑える内容も。笑えるお話に合わせた選曲が実にピッタリで、BGMにもなるというのがまた面白かったです。

最後のお話は一番長く、他とは違うファンタジーな内容。しかしながら朗読と音楽が一体となりあっという間の時間でした。組み込まれたスカルラッティ、現代ではピアノで華やかなイメージが強いかもしれませんが、お話の影響と楽器の力があってなのか、とても哀愁のある音楽でした。スカルラッティを改めて見直さなければなりませんね。

朗読の会を見に行ったことはありませんでしたが、朗読だけの世界にも興味が芽生えました。
今回とても感動したのは、人の身体と楽器の力のみであれだけの世界が創れるということです。最近ではスクリーンに映像を投影するのもありますが、人の声と演奏というシンプルな構成なのに、その情景は(もちろん人それぞれでしょうが)しっかり浮かぶ。でもスクリーンに写してしまうとそのイメージは限定されてしまうため、自由度が下がってしまうのかもしれません。

終演後、時和さんに第2弾も楽しみにしてますとお伝えいたしました。本当に素晴らしい会でした。準備は大変かもしれませんが、本当に次回が楽しみです。
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