のぶのぶの音楽雑記

演奏会のお知らせだけでなく、色々なことを書いていこうと思います。

古い録音を聴くようになったことについて2

2023-03-18 11:03:21 | 日記
前回の続きを。

さて、すっかりバックハウスの若い頃にハマってしまった私。彼の編曲したモーツァルトが聴きたくなってしまいました。バックハウスのPeal盤でした。その中には1908年の録音がありました。ピアノロールではないものです。収録時間の都合でカットされたグリーグのコンチェルトなんかも入っていましたね。写真も若い!(笑)

ソルフェージュの先生からはラフマニノフのCD10枚BOXを戴きました。
私「先生…これ開けてない(笑)」
先生「え?そうだったかしら…いい、あげるわ」
おばあちゃん先生でした。CDいっぱいあるのにCDプレーヤーが見当たらなかったな…大量のレコードとレコードプレーヤーはたしかにあった(笑)

そうしてラフマニノフのほとんどの録音を手にした私。最初に聴いたのはパガニーニの主題による狂詩曲でした。この頃ルービンシュタインのを聴いてハマっていたので(笑)それから有名な3番→2番→4番→1番。そして死の島。ラフマニノフの演奏は驚きの連続でした。自作自演はテンポと歌い方にびっくりしました。今日聴かれるラフマニノフとは全く違ったのです。
次にソロを。仔犬のワルツは衝撃的過ぎましたねぇ(笑)これは今聴いてもそうですが。ベートーヴェンの変奏曲も素晴らしかった。特に惹かれたのはシューベルトの即興曲90-4でした。単純なA-B-Aという構造ですが、二元論的な世界をもはや異次元レベルの表現力でもって奏でられました。特に中間部の表現の深さはまさに深淵とも言える世界でした。ベートーヴェン=ルビンシテイン編曲のトルコマーチは抱腹絶倒😂
彼の演奏するベートーヴェン、シューベルトは今でも私の中では特別なものです。
ラフマニノフのCDは本当によく聴いていましたね…解説も何度読んだか分かりません。

同時期によく聴いていたのはフリードマン、ゴドフスキー、グレインジャー、バウアー、チェルカスキー、ミケランジェリ(最後の2人は古くないけど)。

フリードマンはベートーヴェンの月光、そして甘美なメンデルスゾーンにどっぷり。あまりの軽やかさに、使用しているピアノを調べたりしましたね。
アタオカなショパンエチュード編曲で有名なゴドフスキーは意外にも真っ当な演奏(笑)しかし、ショパンのバラ1、グリーグのバラードには度肝を抜かれました。ボレットのグリーグも素晴らしいですが、ゴドフスキーの凄絶なグリーグは本当にこの世のものとは思えない音楽です。
ブゾーニの弟子として(また変態として)有名なグレインジャー。ブゾーニ編曲のバッハがとても面白く、またポップな自作に大変惹かれました。しかしショパンの大洋やシューマンのソナタは筆舌に尽くし難いもので、特にシューマンの見方が変わる大きなきっかけになりました。
バウアーの正確な響きはロマン派の名残を感じるとともに、ロマン派の人間の考えていた響きについて考え直すきっかけにもなりました。

このままいくとピアニストの羅列で終わってしまいそうなので、今日はいったんこの辺で。
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古い録音を聴くようになったことについて1

2023-03-17 20:02:40 | 日記
先日ちょろっとツイートしたのですが、音大に入った頃、ホロヴィッツを知らない学生は珍しくありませんでした。このツイートが私としては少し伸びたので、この事を少し掘ってみたいと思います。(ブログのネタ切れということでは…な……い)


これ、何を言いたかったのかというと、「昔のピアニストを知ってるのが偉い」とか「知らないのはおかしい!」なんて意味ではもちろんないのです。もちろん現代でも素晴らしいピアニストはたくさんいますし、個性的なピアニストもたくさんいます。でも、それと同じように素晴らしく個性豊かなピアニストが100年前(録音がある前提のためだいたい100年としてます)にだっていたんです。しかも彼らはみんながよく耳にするドビュッシーやラヴェル、サンサーンスなんかとお友達だったりするんですよ?リストの弟子だったりするんですよ?そう思ったら興味わきません?って意味も含んでました。テンポ感や表現が今日聴かれるものとはだいぶ違ったりしていて面白いよ!って。

さて、なぜ自分はそういう音源を聴くようになったのだろう?と思い返してみました。単純に家の環境でした。両親ともCDはよく聴いてます。主に父がCD屋へ毎週行ってまして、それについて行くうちに私も、という流れ。そして、家では食事の時にいつもCDをかけていました。※テレビを見てると私の箸が進まないから(笑)
その時によくかかっていたのがホロヴィッツやルービンシュタイン、バックハウス、ケンプ、ミケランジェリなどでした。存命のピアニストならばポリーニ、アルゲリッチ、バレンボイム、ブレンデルetc。まぁ…王道ではありますよね。

そこから小学生おのぶは段々成長し中学生おのぶになり、その時に音盤覚醒しマニアへの道を走り出すのでした(笑)
記憶しているのはリヒテルの平均律1巻2巻でしょうか。お年玉か何かで当時6800円のCDを買いました。今でもだけど…高い!しかし、そこまで古い録音ではないですよね。
古い録音に目覚めたのは1928年のバックハウスのショパンのエチュード集でしょう。色々なピアニストの古い録音が10枚で2000円ほどというBOXがCD屋で売られていたのです。バックハウス=ベートーヴェンというイメージだった私は、ちょうどショパンのエチュードを習い始めたこともあって(値段が安いこともあって笑)飛び付きました。そりゃ録音状態は現代に比べれば良くないです。しかし、そこから聴こえてきた音楽は全く古くないのです。バックハウスのOp10-2を聴いた時の衝撃と言ったら!本当に腰を抜かすものでしたねぇ。3-4-5の半音階をあんなに滑らかに、あのテンポで!10-9、11なんかもすごく新鮮で何度も聴いていました。なんだ、90年前の録音だって全然聴けるじゃないか、というのが心に残りました。

ありがたいことにその激安BOXが次々と発売されました。昔のピアニストたちによるショパン10CD、昔のピアニストのライブ音源10CD、ミケランジェリのライブ音源10CD(Vol.1、2)。これは全て買いました。ライブ盤なんかは今は亡きピアニストたちの演奏会を体験出来るようで素晴らしかったですね。そこでチェルカスキーを知り、そこからホフマン、ゴドフスキー、ボレット、サンサーンスの音源。
ラフマニノフのショパンを聴き、ラフマニノフの音源の存在を知りました。ミケランジェリからはフィオレンティーノを知りました。
インターネットが今ほど普及していない時代、私にはCDのブックレットが色々なピアニストへアクセスするためのガイドになっていました。

まだまだ長くなるので今日はひとまずここまで。もっと続きます(笑)

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若手とベテランの違い

2023-03-15 14:27:45 | 日記


とても久しぶりにUNISONICのライブアルバムを聴きました。メタルファンなら誰しもが知っているであろうマイケル・キスクとカイ・ハンセンがメンバーであるスーパーバンド。

このアルバムはヴァッケン・オープン・エアからのライブ。2nd アルバムの頭、Venite2.0がイントロダクションに。続く歌はFor the Kingdom。よくいわれることですが、キスクの伸びやかな声にメロメロ。
カットされているのか元々なのか、ほとんどMCは無し。

7曲目のYour Time Has Come。これはある意味キスクとカイを指す曲のようですね。今だからそう思えるのかもだけど。
そして多くの人がキスクに求めていたであろう音楽ですよね。

キスクの凄さ、バンドの良さ全てが合わさった名曲だと思います。年齢を感じさせない勢い。

さて、この曲を聴いてこの記事のタイトルを思いついたのですが、いわゆる「若手の勢い」とは違うんですよね。例えばSonata Arcticaの1st、2ndアルバムなんかは本当にスゴい勢いじゃないですか。アルバム自体もそうだし、曲単体でもそういうのが多くて。

もちろん今でもこういう音楽好きなんですけど、ソナタ自体1stアルバムをリレコーディングした時、昔の勢いをそのままに今の雰囲気が出てたんですよね。なんというか、それが成長するというのかな、と。

余裕のある勢いと言うと語弊があるかもしれませんが、「若さを失った」のではなく「洗練」されているのだと思います。
上のように違うバンドで方向性も違うものを比較するのはおかしいことなのですが、今まで真摯に音楽に取り組んできたからなのかなぁと。

そんなことを思いながらボーッと聴いていると、キスクのHelloween時代の名曲March of Timeが。この盤のDVDでも何度も聴いたし、HelloweenのDVDでも何度も観たなぁ。流れるようにUNISONICへ。デビュー作でもありますね。初めて聴いた時、素直にかっこいい!と思ったものです。

若手の弾くバリバリのプロコフィエフもいいけど、巨匠の弾くモーツァルトもいいよな、って思った時間でした。あ、若い頃のソナタと重ねてるわけでは無いです(笑)

ロックの世界でもクラシックの世界でもこういうことってあるんだなと思いました。
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この歳になって勉強机を

2023-03-14 12:40:35 | 日記


この歳になってまさかの勉強机を購入しました。ここ最近、ラテン語の勉強を始めまして、今までよりも座って勉強する時間が増えました。座布団に正座か胡座でやっていたのですが、どうにもお尻と腰の具合が良くない。

座椅子を買おうか、と思いいくつかのお店を見てまわりました。うーん…どれもしっくり来ない。いっその事机を買うか!と家具屋へ。いやぁ…入学シーズンということもあって種類も豊富。ただ、スペースを考えるとあまり大きなものは買えない…そうすると選択肢は絞られてきますよね。唯一この机が折りたたみ式。10kgまでの耐久とのこと。まぁね、5kgの筆圧なんて聞いたことないし大丈夫でしょう。

語学や数について勉強していると時間があっという間に溶けていきます。そこにブクステフーデの研究を足したら時間なんていくらあっても足りない。特にブクステフーデはちょっとした壁に当たっております。ほとんど進まないなんて当たり前。調べて出てくるようなことは研究ではなく検索。関係ないと思っていた点がいきなり結びつくことがあったりします。そんなもんなんじゃないのかなぁ。

ある程度の枠を決めて深めていくと楽ではあるんだけど、枠が決められるということは枠外のことには触れないわけで。それではやはり見落としは出てくると思います。広く見ていくと意外な発見があったりするものです。

大抵のことは検索すれば出てくると今の時代。ネットの情報には「いやそれは無い」ということがもっともらしく書かれていたりします。だからこそ古い資料から最近の資料などを読み漁り、精査していく力が必要と感じる今日この頃。

早速この机でより一層のブクステフーデ愛を深めていきたいと思います。


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オルガニストとしてのアルベルト・シュバイツァー

2023-03-11 11:15:44 | 日記

子供の頃、「偉い人の本」みたいなものにはだいたい名前のあったアルベルト・シュバイツァー。 医者として有名ですが、 哲学者でもあり神学者でもあり、 オルガニストでもありました。そして、主なレパートリーはバッハ。バッハについての著作もあります。

さて、シュヴァイツァーの録音は昔、図書 館で借りたバッハのコラール集を何度か聴 いていました。 先日、 中古でこのセットを見つけまして、コラールだけでなく、プレリュードとフーガ、トッカータとフーガ、そしてパッサカリア!他にはまさかのメンデルスゾーンとフランクの録音! フランクを録音していたとは... 知りませんでした。

シュヴァイツァーの演奏、 たしかに他のオルガニストに比べたらテクニック的には劣るかもしれません。しかし、彼の演奏は何か心にグッと来ると言うか…説得力があると言うか。言葉にするのが難しい表現力あるように思います。バッハのBWV564のフーガなんかは驚くほど遅いですが、最後まで心を掴んで離さない何かがあります。研究した根がしっかりしているからなのかもしれませんね。
このセットに出会えた事に感謝です。



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