のぶのぶの音楽雑記

演奏会のお知らせだけでなく、色々なことを書いていこうと思います。

悩んだけれど…やはり私はピアノの奴隷

2019-08-16 12:38:00 | 日記
7月6日の演奏会…山のように反省点がある、と書きました。

その後、人前で演奏することを辞めようかと悩んでおりました。いや、正確に言うと悩んでいます。

人前で何かをする人は誰しもがそうだと思いますが、一回一回を本当に大事にして命懸けだと思います。手を抜ける本番はないと思います。

前回の演奏会、自分の中ではいつも以上に準備をしっかりして臨みました(そのつもりだっただけかもしれませんが…)。しかし結果が………

幸いなことにその後、様々な出逢いがあり、その中で戴いたお言葉のおかげで完全に落ち込むことは無かったものの、色々と考えるようになりました。

人前で演奏することは完全に辞めて、教えることに専念しようかな、とか。個人的に興味のある修辞やゲマトリアと音楽の繋がりなんかは自分のペースでゆっくり研究していこうかなと。誰に発表するわけでもなく、個人の楽しみ、自己中心的な音楽をやっていこうかと。

つまり演奏は発表会とか講師演奏などを中心にして、自分だけで楽しもうかなって思い始めました。きっとそれってすごく楽しいこと。どんな演奏をしても誰にも何も言われない。

もしそうなったとしても、自分は結局音楽から離れることが出来ない人間なので、チェンバロ・クラヴィコードのレッスンも講義も受けるとは思います。追求したいのでね。

でも、もしそうなったら古い音楽をモダンピアノで演奏して、その良さを知ってもらう、ということからは離れてしまいます。前にも話したように、私自身ではなく、モダンピアノによる古楽の良さというのがたった一人にでも伝われば、私はそれだけで本当に幸せなんです。

元々、「お、誰もそんなことやってないからやってみよう!」で始まったわけではなく、「え、バッハ以前にもこんな素晴らしい音楽があるんだ!なんで誰もピアノでやらないんだろう…?」や、とあるチェンバロ愛好家の方に「ピアノの音はうるさくて好きになれない!」という、ピアノもチェンバロも大好きな私にはとてもショックなお言葉があったから古楽をピアノで演奏するようになりました。
まぁ………思いの外逆風が強かったけどね(笑)

それでも感じたのが、受け入れてくれる方のほうが圧倒的に多いということでした!今でも覚えていますが、初めて人前でブクステフーデを演奏した日、帰りに「ブクステフーデって名前も初めて聞きましたが、すごく良かったです!元々はチェンバロですか?オルガンですか?」と言っていただけたのは本当に嬉しかったです。

その逆もまた然りです。
普段ピアノしか聴かない方にとっての古楽はバッハ、ヘンデル、スカルラッティなんですよね。大学3年の時、課題曲にスカルラッティがあったのですが、衝撃的だったのは、スカルラッティを知らない学生がかなり多くいたということ‼️これには驚きましたね。

ピアノしか聴かない方にとってはブクステフーデ、パッヘルベル、さらにバードやブルなんかは未知なわけですよね。
「バッハよりずっと昔にこんな音楽があったんだよ!そこからバッハへ繋がり、後々があるんだよ!」ということを知ってほしい…

先ほど書いたように、私自身のことを知ってほしいのではなく、その魅力さえ伝わってくれればいいわけで、私以外に素晴らしい人がいれば問題ないわけです。ところが、それを専門にされてる方は残念ながら今のところ見当たりません。バロックと現代をやる演奏家は最近では珍しくないように思います。トリスターノなんかもそうですね。とても素晴らしい演奏ですし。

それでもルネサンス/バロックを専門に…という方は見当たりません。私は多くのことを出来る器用なタイプではありません。一つのことを深く追究し、根拠のある解釈をモダンピアノで演奏し、それをたくさんの方に聴いてほしい…

そうなると、細々とでも少しずつでも演奏活動はするべきか…という気持ちになりました。最近ではありがたいことに、聴いてみたいというお声を少しずつ戴いておりますので、それを励みにまた頑張ってみようと思っている次第です。

正直、このようなネガティブな記事は書くべきではなかったかもしれません。しかし、他に吐き出せる場所がないので書かせていただきました。

ただ、今はかなりやる気に満ちてます。だってピアノの奴隷の私としては、たくさんの方々に「ピアノでの古楽」を楽しんでほしいですもん。ピアノの奴隷である私のやるべきことは今までとはなんら変わりません(笑)これまで以上に頑張るだけ。

じゃバイバイ(^^)/
コメント
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