万葉集ブログ・1 まんえふしふ 巻一~巻八

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0882 山上憶良

2008-05-31 | 巻五 雑歌
阿我農斯能 美多麻々々比弖 波流佐良婆 奈良能美夜故尓 □佐宜多麻波祢

我(あ)が主の 御霊賜(みたまたま)ひて 春さらば 奈良の都に 召上(めさ)げたまはね

天平二年十二月六日筑前國守山上憶良謹上


「あなた(大伴旅人)さまの、御霊(みたま)のお力を賜りとうございます。(来年の)春になりましたならば、(どうか私を)奈良の都に、召し上げて下さいませ」

天平2年(西暦730年)12月6日、筑前国守・山上憶良謹上

0881 山上憶良

2008-05-30 | 巻五 雑歌
加久能未夜 伊吉豆伎遠良牟 阿良多麻能 吉倍由久等志乃 可伎利斯良受提

かくのみや 息づき居(を)らむ あらたまの 来経行(きへゆ)く年の 限り知らずて


「こうなることはわかっていた。嘆いていてもよいのか。“新玉の”消えゆく年(昨年)の残りも(少なくなりつつあるのを)知らずに」

0880 山上憶良

2008-05-29 | 巻五 雑歌
敢布私懐歌三首

阿麻社迦留 比奈尓伊都等世 周麻比都々 美夜故能提夫利 和周良延尓家利

天離(あまざか)る 鄙(ひな)に五年(いつとせ) 住まひつつ 都のてぶり 忘らえにけり


敢えて私懐(自分の考え)を布(の)べる歌三首

「“天離る”ど田舎(=大宰府)に5年も住み続けて、都会(=大和)の(洗練された)生活習慣を、すっかり忘れてしまった Oh my god !」

0879 山上憶良(?)

2008-05-28 | 巻五 雑歌
余呂豆余尓 伊麻志多麻比提 阿米能志多 麻乎志多麻波祢 美加度佐良受弖

万世(よろづよ)に いましたまひて 天(あめ)の下 奏(まを)したまはね 朝廷(みかど)去らずて


「永遠に、この地にいて、日本を、統治してくださいませ。朝廷から去ることなく」

0878 山上憶良(?)

2008-05-27 | 巻五 雑歌
伊比都々母 能知許曽斯良米 等乃斯久母 佐夫志計米夜母 吉美伊麻佐受斯弖

言ひつつも 後(のち)こそ知らめ とのしくも 寂(さぶ)しけめやも 君いまさずして


「(『あなたは都へ戻られるのですね』と口では)いいつつも、あとになって知らされる。少しだけ、寂しいというものではないですね。あなたが(大宰府から)いなくなるのは」