白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

予兆

2006-11-26 | 日常、思うこと
夜半より母の調子が思わしくなく、
早朝病院へ運び、点滴の後、連れ帰り寝かせた。
重湯を作るばかりでなく、
家族のため、鶏肉の卵とじ、おひたし、味噌汁を作り
葱を刻んで納豆を添えるなど、
前日の様相から一変、慌しい料理に追われる。




食堂から窓越しに外を眺め見た。
晩秋の庭には、山茶花の蕾膨らみが、瑞々しい花色を
そっと、恥じ入るように点している。
南天、千両の実いよいよ熟れて、その真紅の宝玉の房が
様々の小鳥を招き寄せる。




シジュウカラ、メジロ、キビタキ、スズメ、ヒヨドリが
時を同じくして番いで群れ飛び、南天、千両を啄ばんで
飛び去っていく。
数種の鳥が時を同じくして同じ庭に群れ遊ぶことは
相当に珍しい事象である。
併せて十羽ほどの鳥の遊ぶ姿を愛おしく眺めながら、
そのような光景を、今から十二年前にも眺めたことを
思い出した。




1994年の冬、数種の鳥が群れ飛び、我が家の庭に
遊び、木の実を啄ばんで去っていったことがあった。
愛らしさに微笑みつつ、自然の違和、変調といったものを
感じ、しばらく過敏に過ごしたことを覚えている。
神戸を震災が襲ったのは、それから程なくしてのことだった。




何事も無ければよいのだけれども。

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