昨日、この本を紹介する記事を書いたのですが、全部書いて投稿したところでサーバーのエラーがおき、すべて消えてしまいました
あまりのショックに書き直す気力も起きず...。というわけで、本日改めてご紹介致します。
JALの機内月刊誌『SKYWARD』に連載されている浅田次郎さんのエッセイ「つばさよつばさ」が、このたび文庫本になりました(小学館文庫、2009)。
私は元々浅田次郎さんが大好きです。旅と温泉と新選組を愛するところも、軽妙でリズム感に優れた語り口も、生まれも魂もチャキチャキの江戸ッ子なところも素敵です。
何しろ小学生の時分からのファンです。『プリズンホテル』が最初の出会いで、『壬生義士伝』では滂沱の涙を流し、『中原の虹』はまったく知らない中国の張作霖氏の物語だというのに、その美しい文調に惚れました。
そんな浅田さんの書かれるエッセイを、好きにならない訳がありません。
私はJALに乗る旅にこれを読むのを楽しみにしていました。飛行機に搭乗し、身の回りを快適な状態にセットして、乗務員さんに作っていただいた「柚子とスパークリングワインのカクテル」を少しずつ味わいながらこのエッセイを読むのは、私が機内においてひょっとすると機内食タイムと並ぶくらい愛しているひとときです。
流石の私も、空の上では決してお酒をカパカパ飲んだりはしません。
そんなコトしなくたって、飛行中はアルコールが体内に回りやすい状態です。「折角タダなんだから」なんてセコいことを考えるより、お酒の味をゆっくり味わう方が遥かに贅沢です。
ウェルカムドリンク(と自分で勝手に雅語で読んでいる)としてスパークリングワイン(またはそのカクテル)を頂き、お食事の直前から序盤までを白ワインで楽しみ(機内はほどよく暑いので、室温の赤ワインより断然冷えた白です)、お食事の途中からは梅酒です。それも水割りで、氷を溶かしながら少しずつ味わうのがコツです。そして、デザートが済んでからベイリースなどの甘いお酒で〆ると、まどろみながら映画を見る体勢への導入が完了します。
って今日は酒の話じゃないだろ。っつーか、十分「カパカパ飲んでる」じゃん。
ともあれコレ、某缶コーヒーのCMじゃないですが、ファーストクラスに乗らなくたって存分に極上の気分を味わえる秘策ですので、酒(特にワイン系)がお嫌いでなければ是非。
とにかく、浅田次郎さんのエッセイは、そんな贅沢なひとときにピッタリの極上の話ばかりです。
文庫本をゲットして現実世界の日本で読んだけれど、機内で読んだのと同じ輝きがありました。
JALのエッセイですから、話題の殆どは旅にまつわるものです。完全に旅先でのエピソードを紹介しているときもありますし、旅を糸口に浅田さんが思っておられることを綴った随想風のものもあります。
いずれにしても、浅田さん一流の読みやすい文章と、非常にユニークな着眼点、情景がありありと目に浮かぶような生き生きした描写は、まさしく長年のキャリア(なんと浅田さんは小学生の頃から物書きを趣味にしておられたのです)と生まれもっての才能の賜物でしょう。
機内誌での連載は現在も続いているようですので、是非とも続刊を2巻3巻と出していただければと思います。
なにしろ、浅田さんのエッセイを読みたいがために、一時はこの機内誌を定期購読しようかとまで考えたくらいですから。
でも、JALの雑誌を地上で読んだらさぞかし切なくなるであろうと思い、断念した次第です。
それじゃ、浅田さんのエッセイでも飛行機や海外旅行が恋しくなるのではないかというと、これがそうでもないんですね。
浅田さんの文章を読んでいると、むしろ日本の温泉宿に行き、熱い湯につかって絶景を眺めたり、人混みを離れて静謐な場所から夜景を楽しんだりしたくなります。
どうも、光栄なことに浅田さんと私は、旅に求めるものが似ているようですね。
あまりのショックに書き直す気力も起きず...。というわけで、本日改めてご紹介致します。
JALの機内月刊誌『SKYWARD』に連載されている浅田次郎さんのエッセイ「つばさよつばさ」が、このたび文庫本になりました(小学館文庫、2009)。
私は元々浅田次郎さんが大好きです。旅と温泉と新選組を愛するところも、軽妙でリズム感に優れた語り口も、生まれも魂もチャキチャキの江戸ッ子なところも素敵です。
何しろ小学生の時分からのファンです。『プリズンホテル』が最初の出会いで、『壬生義士伝』では滂沱の涙を流し、『中原の虹』はまったく知らない中国の張作霖氏の物語だというのに、その美しい文調に惚れました。
そんな浅田さんの書かれるエッセイを、好きにならない訳がありません。
私はJALに乗る旅にこれを読むのを楽しみにしていました。飛行機に搭乗し、身の回りを快適な状態にセットして、乗務員さんに作っていただいた「柚子とスパークリングワインのカクテル」を少しずつ味わいながらこのエッセイを読むのは、私が機内においてひょっとすると機内食タイムと並ぶくらい愛しているひとときです。
流石の私も、空の上では決してお酒をカパカパ飲んだりはしません。
そんなコトしなくたって、飛行中はアルコールが体内に回りやすい状態です。「折角タダなんだから」なんてセコいことを考えるより、お酒の味をゆっくり味わう方が遥かに贅沢です。
ウェルカムドリンク(と自分で勝手に雅語で読んでいる)としてスパークリングワイン(またはそのカクテル)を頂き、お食事の直前から序盤までを白ワインで楽しみ(機内はほどよく暑いので、室温の赤ワインより断然冷えた白です)、お食事の途中からは梅酒です。それも水割りで、氷を溶かしながら少しずつ味わうのがコツです。そして、デザートが済んでからベイリースなどの甘いお酒で〆ると、まどろみながら映画を見る体勢への導入が完了します。
って今日は酒の話じゃないだろ。っつーか、十分「カパカパ飲んでる」じゃん。
ともあれコレ、某缶コーヒーのCMじゃないですが、ファーストクラスに乗らなくたって存分に極上の気分を味わえる秘策ですので、酒(特にワイン系)がお嫌いでなければ是非。
とにかく、浅田次郎さんのエッセイは、そんな贅沢なひとときにピッタリの極上の話ばかりです。
文庫本をゲットして現実世界の日本で読んだけれど、機内で読んだのと同じ輝きがありました。
JALのエッセイですから、話題の殆どは旅にまつわるものです。完全に旅先でのエピソードを紹介しているときもありますし、旅を糸口に浅田さんが思っておられることを綴った随想風のものもあります。
いずれにしても、浅田さん一流の読みやすい文章と、非常にユニークな着眼点、情景がありありと目に浮かぶような生き生きした描写は、まさしく長年のキャリア(なんと浅田さんは小学生の頃から物書きを趣味にしておられたのです)と生まれもっての才能の賜物でしょう。
機内誌での連載は現在も続いているようですので、是非とも続刊を2巻3巻と出していただければと思います。
なにしろ、浅田さんのエッセイを読みたいがために、一時はこの機内誌を定期購読しようかとまで考えたくらいですから。
でも、JALの雑誌を地上で読んだらさぞかし切なくなるであろうと思い、断念した次第です。
それじゃ、浅田さんのエッセイでも飛行機や海外旅行が恋しくなるのではないかというと、これがそうでもないんですね。
浅田さんの文章を読んでいると、むしろ日本の温泉宿に行き、熱い湯につかって絶景を眺めたり、人混みを離れて静謐な場所から夜景を楽しんだりしたくなります。
どうも、光栄なことに浅田さんと私は、旅に求めるものが似ているようですね。