オーストラリア ヒロシのリタイヤ日記

1994年からメルボルン在住のヒロシです。留学後に現地で就職、国際結婚、2020年、55歳からリタイヤ生活。

オーストラリアの教育事情 2 中高生の留学について

2022年06月23日 11時49分02秒 | 教育

今日もいつもの様に、息子を高校に送り届けてから、浜辺をジョギングしてきました。家に戻って、ブログを書き始めます。

このブログを読んで下さっている方の中には子供さんやお孫さんをオーストラリアに留学させることに興味がある方もいるのではないかと思います。そこで今日はオーストラリアの教育事情と、留学の問題点について、お話したいと思います。

僕の子供達は現地の公立の小中高に通いましたし、僕自身は昔の職場が私立の中高、妻は幼稚園と特別支援校で教えた経験があります。

オーストラリアの小、中高は各州が運営しているので、州によって多少の違いはあると思いますが、ここでは、僕の住んでいるビクトリア州の教育についてお話します。

まず、子供達は、幼稚園(Kindergarten)に3歳から2年間通うのが普通です。幼稚園と言っても、フルタイムではなく、週に2,3回、合計で15時間ほどで、遊びを通して集団生活や先生の指示を聞く訓練をします。家庭生活から学校生活に入る前の重要な移行期だと言えます。

小学校(primary school)は計7年あり、プレップ(prep)1年間の後、1年生から6年生です。小学校の後は日本の中学、高校に相当する6年間のセカンダリースクール(secondary school)があり、その後が大学、または専門学校(TAFE)があります。学校に給食はなく、殆どの生徒はサンドイッチなどのお弁当で、校庭に出て友達と一緒に食べます。売店で簡単な食べ物を買う事もできます。日本の中学、高校にあるような部活動は学校にはなく、バンドやスポーツ活動に興味がある生徒が、週に1度2時間ほど練習か試合があるだけです。週末に地域のクラブで練習や試合をする生徒も多いです。

生徒の約2/3は公立に1/3は私立の学校に通います。私立の学校は元々キリスト教の各宗派がその教区に学校を作ったのが始まりで公立の学校よりも歴史が古いです。カトリック系の学校は宗教色が強く、様々な学校行事が宗教に基づいています。歴史の古い学校は比較的裕福な地区にあり、授業料も年に2万ー3万豪ドル(200万―300万円)の学校が多いです。宗教色のあまりない私立の学校は新設校が多く授業料は比較的安い(1万豪ドル 百万円)です。です。大学進学率は学校の授業料や学校のある地域の地価に比例する傾向があり、高級住宅街にある学校は進学率が高く、治安のあまり良くない、地価の安い地域の学校は、進学率が低いです。

公立の学校は成績如何にかかわらず、オーストラリア人、又は、永住権保持者であれば、住んでいる地域の学校に入学、編入することができます。メルボルンの公立高校の中には入学試験に合格した生徒しか入れない選抜入学校(selective entry school)が四校あり、入学は9年生から始まります。一般的に公立高校は授業料は無料ですが、寄付という名目で数百ドルから2、3千ドル募るところが多いです。

残念ながら、外国人留学生には留学生料金が課され、公立の小学校で1万3千ドル(120万円)、公立高校では2万6千豪ドル(240万円)と日本では考えられない費用がかかり、公立高校の重要な財源になっています。これにホームステイ代、諸経費、保険、渡航費が加わると、1年に5、6百万円になります。

また、お子様を留学させることは費用の問題だけではなく、言葉や文化が全く違う環境に放り込まれることによる精神的なストレスも数字には表れない問題です。何年も前に、あるオーストラリア人の先生から聞いた話ですが、現地の小学校に転校してきた日本人の低学年の女の子が、言葉が分からない所へある日突然、放り込まれたショックからか、自衛手段として学校ではいつも目を閉じていたそうです。恐らくはご家族と仕事の転勤で来られたのだと思いますが、本人にとっては、とても辛かったのではないでしょうか。また、日本人留学生同士で、行動を共にし、休み時間や昼休みも日本語で話して、現地の生徒達と交流がなく、英語もあまり上達しなかったというケースや、学校で殆ど口を開かず、ホームステイ先では自室に引きこもりになっていて、ホストファミリーも手を焼くケースも聞いたことがあります。

更に、卒業後の問題もあります。もし、お子様がオーストラリアの高校を無事卒業できたら、次は現地の大学に進学、現地で就職、そして結婚の可能性も出てきます。そうすると、親子が離れ離れになってしまう可能性があります。会えるのは年に一度か、或いは数年に一度になってしまうこともあり、お互いに寂しい思いをされるのではないでしょうか。

この様に、特に中学、高校生の留学には留学エージェントの人たちが話したがらない闇が多く存在することを覚えておかなければいけないと思います。

ではまた明日、このブログでお会いしましょう。

 


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