オーストラリア ヒロシのリタイヤ日記

1994年からメルボルン在住のヒロシです。留学後に現地で就職、国際結婚、2020年、55歳からリタイヤ生活。

高騰するオーストラリアの不動産価格

2024年02月23日 20時39分33秒 | 不動産

今日のお題はオーストラリアの不動産価格です。最近、このトピックに関する動画を見て、なるほどと思ったので、皆さんに要約してお伝えしたいと思います。

現在メルボルンでは世帯収入に対する一戸建ての不動産価格の比率は10で、シドニーでは14だそうです。2023年のメルボルンの一戸建ての価格の中央値は1億円、シドニーでは1億4千万円です。

僕がオーストラリアに来るよりずっと以前、1960年代までくらいは、平均世帯収入に対して、一戸建ての家の不動産価格は3倍か4倍でした。それで、労働者が10年くらい働いて、年収の半分ぐらいを貯金すれば、銀行からお金を借りなくても家が買えたのです。

当時は結婚すると女性は専業主婦になるのが一般的な時代でしたから、家は旦那さんが貯金したお金で一括で払うことが出来たのです。

その後、1970年代になると、徐々に女性が外に出て働く様になります。主婦が働きに出ると、一家の収入も増えて、その分貯金が出来るから家が買い易くなりそうに思いますよね。世帯収入が2倍近くになるのですから。ところが実際は各家庭の収入が増えた分、家の値段が上がったのです。家の値段は売主が決めるというよりも、家を購入したい人達の間の競争で決まるとも言えます。共働きの夫婦2人で貯金しても、他の夫婦も同じように共働きで貯金があるのですから、その分値段が上がってしまいました。

それで、今度は銀行からお金を借りる様になります。頭金の2割を担保として銀行に払い、残りは住宅ローンという借金を銀行から借りて、家を買うことが出来る様になります。何年もかかって、家の値段の全額を貯金してから家を買うよりも、頭金だけを貯金して残りは銀行から借りればよいので、手っ取り早く家が買うことが出来ますよね。(ただし、住宅ローンを完済するまでは本当に家を買ったとは言えず、その家は銀行のものであり、その家に住む許可を銀行から貰っているのに過ぎない訳ですが。)

夫婦共働きで頭金だけを貯めて、残りは銀行からお金を借りて家を買うという時代になると、競争相手も同じようにして貯金するので、不動産の値段が上がってしまいました。頭金を貯めるだけでも10年以上もかかる時代になってきました。

最近では、不動産価格は上がり過ぎて、共働きの夫婦の貯金だけでは頭金を払うのに不十分になってきたのです。それで、家が買える人は、夫婦で貯金して、それでも足りない分は、(両方の)親に援助して貰った夫婦しか家が買えない時代が到来しています。

例えばメルボルンで一戸建ての不動産価格の中央値である1億円の家の購入を希望する夫婦は、家の価格の2割の頭金と約5パーセントの不動産取得州税の合わせて2割5分、つまり、2千五百万円の頭金が要ります。(残りの7千5百万円は住宅ローンになります。)

つまり、家が買える夫婦とは、自分達だけの貯金プラス、両方の親からの援助なしでは買えない時代になったのです。

僕も、子供達には早く家を出て欲しいとは思っていますが、賃貸のアパートに住むのはお金が掛かって、とても頭金は貯められません。それで学生時代からアルバイトでお金を貯め始めて、就職が出来たら出来るだけ早い時期に安い小さなアパートを買うことを勧めたいと思います。それなら親から離れて自立が出来るし、一戸建ての半分ぐらいの値段で買えるからです。

そして家族を持つようになって、アパートが手狭になったら、そのアパートを売って、一戸建ての頭金にするのです。そして、住宅ローンは出来るだけ早く完済し、その後は株又は不動産に投資していけば、お金には苦労しない人生になるのでは、と思います。

それでは、明日も、このブログでお会いしましょう。

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オーストラリアの不動産事情(3)一戸建てvsアパート

2023年10月18日 18時19分24秒 | 不動産

今日した事と言えば、まず、天気が良い日だったので、1時間半の散歩に行って来ました。そして、午後からは、売りに出ている不動産を見ていました。

娘がクイーンズランドの大学に応募したのですが、オンラインの面接が先月あったのですが、2週間程で、結果が分かるのです。入りたい学部は医学部。メルボルンの大学の医学部に入るには点数が足らないらしく、仕方なくゴールドコーストの大学に志望校を変えたそうです。

もし、合格した場合、授業料は政府の無利子の奨学金が借りられるので、良いのですが、ゴールドコースト周辺の家賃を見てみると、1ベッドルームの部屋を借りると家賃は一か月に10万円から15万円もかかるのです。ちょっと、高すぎますよね、、、。娘はある程度の貯金はあるのですが、僕がリタイアした今、仕送りも不可能。となれば、不動産を買うしかないという結論に達しました。

不動産を買うお金は、現在、保有している株を売って不動産に変えようと思っています。しかも、1ベッドルームのアパートでは一人しか住めないので、2つか3っつの寝室のある不動産を探そうと思います。そうすれば、友達とシェアすることが出来ますから、シェアメイトから家賃をもらう事が出来ます。

今日のお題のオーストラリアの不動産事情、一戸建てvsアパート。つまり、これからオーストラリアで不動産を買う場合、一戸建てか、アパートのどちらを選べばいいのか考えてみようと思います。勿論、僕は不動産売買の専門家ではありませんが、不動産は誰もが毎日使う物ですから、常識の範囲内で考えてみたいと思います。

まず、不動産は土地と建物とに分けて考えなければなりません。その理由は、建物は古くなっていき、経年劣化していきますが、土地は、、、オーストラリアは移民の国で、毎年、人口が1~2パーセントも増えているので、地価が上昇していくからです。

オーストラリアの地価は、住宅ローンの金利や賃金や物価の上昇率、移民の数、景気など、様々な要因で左右されますが、一般的に10年で約2倍に値上がりするようです。なので不動産価格(土地+建物)のうち、土地の比率が高い方が不動産の値上がりは大きいことになります。

土地だけを保有していると、建物の経年劣化を考慮する必要はありませんから、ベストな様に見えますが、土地だけでは、使い物になりません。しかし、土地の上に建物があれば、人が住むことが出来て、家賃収入が得られるます。なので、建物はあった方がいいのです。

それでは、アパートはどうかと言いますと、、、アパートが高層になればなるほど、一軒当たりのアパートに占める土地の割合は減ります。

例えば、2000万円で一戸建てを買ったAさんの場合と1練が5階建てで一億円のアパートの一軒を2000万円で買ったBさんの場合を比べてみましょう。10年で土地の値段が2倍になり、建物(一戸建て、アパート)の値段が半分になると仮定してみます。

Aさん 1000万円の土地に1000万円の建物(一戸建て)の不動産価格2000万円は、、、。

現在   土地 1000万円  建物 1000万円  不動産価格2000万円

10年後 土地 2000万円  建物  500万円  不動産価格2500万円

 

Bさん 1億円(土地2000万円、建物8000万円5階建てのアパートの内の1軒を買ったBさんの不動産価格は、、、

現在   土地 2000万円  建物 8000万円  不動産1億円/5=2000万円

10年後 土地 4000万円  建物 4000万円  不動産8000万円/5=1600万円

 

2000万円で一戸建てを買ったAさんと、同じ2000万円でアパートを買ったBさん、双方、不動産を手に入れて、現在、とても嬉しと思います。

ただ、10年後にはAさんの一戸建ては2500万円となり、500万円の値上がりが期待できるのに対して、Bさんのアパートは10年後には1600万円の価値しかなく、400万円の損失です。つまり、AさんとBさんの不動産価格の差額は、実に900万円です。

それでは、今から20年後にはどうなるのでしょうか?20年後には、現在と比べて土地の値段は4倍、不動産価格は4分の1と仮定すると、、、。

Aさん(一戸建て)

20年後 土地 4000万円  建物250万円  不動産価格 4250万円

Bさん(アパート)

20年後 土地 8000万円  建物2000万円 不動産価格 1億円/5=2000万円

 

20年後にAさんとBさんの不動産の価格の差は2250万円、倍以上になります。Aさんは一戸建ての不動産価格が倍以上になって嬉しいでしょうが、Bさんは、アパートの価格が殆ど上がらず、嬉しくはないかも知れません。

この様に、オーストラリアでは一戸建て建てを買った方が、アパートを買うよりも将来的には、魅力的であることがお分かり頂けたと思います。

勿論、それでも多くの人がアパートを買う理由は、一個建てに比べると、アパートの方が比較的手頃な価格だからです。それに、アパートは立地の良いところにあり、高層階は眺望も良いので、日本でもタワーマンションが人気ですよね。それに一戸建ては庭の管理が大変で、庭仕事が嫌いな人はアパートを購入することが多いです。

車が経年劣化して値段が下がる様に、建物(一戸建ての家やアパート)も段々と古くなり、魅力的ではなくなってきますよね。例えば、今年、建てられた新品の一戸建てやアパートは、モダンで、魅力的に感じますが、40年前に建てられた家やアパートは、、、古くて、スタイルもイマイチで、、、あまり買いたいとは思いませんよね。

もちろん、この簡単なシュミレーションでは、建物の経年劣化は10年で半分としましたが、経年劣化は一様ではなく、車同様、初年度は激しく、徐々に緩やかに下降します。

それでは、明日も、このブログでお会いしましょう。

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メルボルンの不動産事情 1

2023年07月26日 17時44分16秒 | 不動産

今日は、朝食後に妻と買い物に行って、スキー旅行の食糧を買ってきました。しかし、帰ってきたら、果物やパンなどの買い忘れに気付いたので、また明日も買い物に行く予定です。

スキー旅行に出発するのは明後日なので、まだ一日ゆっくり荷造りすることができます。本当は今日荷造りを終えるハズだったのですが、、、怠け病が再発?してしまい、、、買い物の後はダラダラと過ごしていました。

もっとも、この一週間のスキー旅行は、家族ではなく、自分一人の旅行ですからそれほど荷物は要らないのです。たとえば、先月家族4人で5日間のスキーに行った時は、4x5x3=60食分の食糧を用意しなければいけませんでしたが、今回は1x7x3=21食分で、約3分の1の食糧で済みます。

下着は毎日替えるとしても上着は毎日同じ服を着ますから、それ程要りません。今回は家族はスキーに来ませんが、同じクロスカントリースキークラブに所属していたバルが一緒に来てくれますし、バレリアの途中で合流しますから、とても楽しみです。ただ、気がかりなのは、彼女達はアルペンスキーをしないのです。なので、僕も彼女達に付き合ってクロスカントリースキーをすることになるのですが、、、たまにはアルペンスキーもしたいのです。この冬は9万円ほどの大金を払ってチェアリフトのシーズン券を買ったので、出来るだけ沢山滑って上達したいと思っています。

クロスカントリースキー人口はアルペンスキーをする人口と比べて、かなり少なくて、20分の1ぐらいでしょうか。クロスカントリースキーはチェアリフト券が要らないので、お金がない人でも出来るスキーなのです。ただ、本当にお金が無い人はスキー場に来て、ロッジに泊ることは出来ませんから、ある程度は裕福でないとクロスカントリースキーだって出来ません。

オーストラリアでは、住んでいる地域によって裕福度が分かるのですが、クロスカントリースキークラブの会員の人々の住んでいる街を見てみると、殆どが裕福な地域にお住まいなのです。

今日のお題のメルボルンの不動産事情について、簡単にご説明したいと思います。

まず、メルボルンの北と西は工場地帯などがあり、雨も少なく一般的に地価は低い傾向にあり、メルボルンの東と南は緑が多く、住宅街が広がっていて、地価が高い傾向にあります。

CBD(Central Business District)と言われ、超高層ビルが林立する場所はタワーマンションが殆どで、新しい超高層ビルの高層階は超富裕層が住んでいます。しかし、低層階や古いビルは学生や若い専門職の人々が賃貸マンションになっていることが多いです。タワーマンションは初めは景観が良くても、新しいマンションが周りに立って眺望が悪くなる場合が多いです。

CBDから5キロほどは、単位面積当たりの地価が非常に高いため、小さな敷地の家やアパートが多くて、若い専門職の独身貴族やカップルなどが多く住んでいます。

CBDから5-15キロ離れると、家の敷地も広く、閑静な高級住宅街になっていて、お城の様な家も多く、超富裕層の人々が住んでいます。特にメルボルンの北の一部と、東部、南部は不動産が5億円以上の物件が多いです。

CBDをドーナツの様に囲む15-30キロのエリアは中産階級、つまり専門職の人々が結婚して庭付き一戸建ての家を買おうとすると、この辺りのCBDから少し離れた所にしか家は買えません。特に、メルボルンの東、南の不動産価格は一億円-2億円以上はします。

CBDから30-50キロ離れると、地価は安くなり、労働者階級の人々が買える地域となります。それでも庭付きの中古の一戸建てでも、5千万円はしますから、夫婦が共働きで数十年働いて、やっと手に入れることが出来るのです。

CBDから50キロ以上離れると、単位面積あたりの地価は安くなりますが、海が見える家などは、富裕層が別荘として所有する物件が殆どで、不動産価格は高くなります。

CBDの周辺には植物園や庭園、美術館、コンサートホール、競技場などが集中していて、大変魅力的なので、多くの人々が出来るだけ近いところに住みたがるのです。反対にCBDから遠く離れると、交通の便が悪く、文化的な施設も少なく、魅力的な場所とは言い難いので、地価が下がってしまうのです。

それでは、明日も、このブログでお会いしましょう。

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公定歩合の上昇により家を無くしたBさん (架空の人物)

2023年03月08日 18時00分11秒 | 不動産

今日は散歩友達になった日本人男性のA氏と11時から散歩の約束があったので、朝食後は自宅待機で、ヤフーニュースを読んだりして時間を潰していました。

妻は仕事を取らず、代わりに妻の友達と出かける約束だったので、A氏の到着のちょっと前に出かけて行きました。ほぼ入れ替わりでA氏が到着。今日の散歩コースは普段、僕が歩くコースです。

A氏は去年転職し、自由な時間が少し増えたようで、ストレスもあまりない職場だそうです。住宅ローンの話題になり、住宅ローンの支払いを10年前に終えた僕はあまりピンときませんでしたが、A氏は住宅ローンの支払いがまだ少しですが残っているそうで、昨日公定歩合がまた上がったとかで、住宅ローンが払えずに大変な人が多いのではと話していました。

現在のオーストラリアの住宅ローンの利子は6%程です。メルボルンの一戸建ての不動産価格の中央値は8千万くらいだとして、6千万円を銀行から借りたと仮定すると、6千万円 X 6% = 利子だけで360万円ほどになります。元金も返済しなければいけませんから、年間返済額は400万円、月々に33万円を払わなければなりません。つまり、手取りの収入が最低でも1200万円なければ、この不動産の住宅ローンを組むことはできませんし、組めても、返済に苦労するでしょう。

公定歩合の上昇に伴い、不動産価格は一年前と比べて1割ほど下がっているそうです。つまり、例えば、Bさんが一年前8千万円で住宅を購入した家は、現在の価格は約7200万円になっているとします。住宅購入の際は約5%の税金(州の不動産取得税)がかかるので、400万円を税金として州政府に支払っていますから、もし、Bさんが事故や病気になってしまって収入がなくなるなど、何等かの理由で住宅ローンの返済が滞ってしまえば、Bさんの住宅は銀行に差し押さえられ、競売にかけれられてしまいます。仮に7200万円で処分されたとしても、Bさんの損失は、

800万円 (不動産価格の低下により損失8千万円-7千2百万円)プラス

400万円 (州政府に支払った約5%の不動産取得税)プラス

360万円 (一年の住宅ローンの利子)

つまり、Bさんの損失額を合計すると、この一年で1560万円になります。

特に新築の場合は一年でも中古住宅になってしまい、1千万円くらいは値下がりするかも知れません。また、これに2回の引っ越しの費用や、競売費用など、銀行に払う手数料を含めると合計で3千万円くらいの損失になるかもしれません。つまり、何年もかかって頭金の2千万円を貯めて、一年前に家を建てたBさんは、何年もかけて貯金した2000万円の頭金が無くなっただけでなく、代わりに1千万円の借金が手元に残っただけの人になってしまうのです。これが、オーストラリアで多くの人に起こっているのです。

近頃は日本と同様にオーストラリアでも生活に必要な電気やガス料金、ガソリン代や食料品もかなり値上がりしていますよね。

各国の中央銀行が物価上昇(インフレ)を食い止める為の公定歩合の引き上げですが、住宅ローンの返済が滞ってしまい、折角買ったマイホームを手放さざるを得ない人が徐々に出てきているようです。公定歩合はあと数回は上がることが予想されており、借金のある人達の生活は厳しくなるばかりです。

住宅ローンの返済を苦に自殺する人も増えているらしく、今日はオーストラリアの中央銀行の総裁が、住宅ローンが原因で自殺した遺族の会の人達と面会したそうです。

では、明日も、このブログでお会いしましょう。

 

 

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