京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「埋め木」を探して

2023年10月28日 | こんなところ訪ねて
点訳の仲間との待ち合わせに、今日は京津線を利用して大津へと向かった。帰り、三条京阪駅で降りて、三条大橋を渡ろうと考えていた。

この夏、三条大橋の欄干が京北や鞍馬で伐採されたヒノキを用いて新しく作りかえられた。
その橋を見に、ではあるが、そこに〈ハートマーク♡がある〉という新聞での記事を読んだことで、ただただ好奇心、どれどれ?と見てみたくなったのだ。

橋の上では写真を撮ったり、川を覗き込む人たちが立ち止まる。見ずらかったが、菱形らしきものを人の隙間に覗き、実際すべすべした手ざわりでこの亀甲模様を撫でてきた。ハートマークはわからなかった(出直しだ)。


記事によれば、
修復に関わった宮大工棟梁の指示で「埋め木」と呼ばれるハート型や菱形、亀甲模様は埋め込まれた。
節や割れがあればその部分を取り除き、埋め木をする。取り除いたままにしておけば、そこに水がたまり腐食してしまう。埋め木のデザインを決めるには、大工さんの遊び心もあるのだろう。


割れの部分を深さ1.5~2センチ削り、木目の似た同じ形の木材をはめ込む。表側の面より少し広くした奥側をたたいて縮ませてからはめ込むと、元の形に膨らんで抜けなくなる。接着剤を使わなくても緩まない仕上がりは、まさに大工さんの腕の見せどころというわけだ。

西本願寺には縁側の床や堂内の柱にまで、至る所に縁起物をかたどった埋め木が施されているという。東寺の御影堂でも見られると。
三条大橋には十数カ所あるらしい。一人で探すしぐさは…ちょっと恥ずかしいかな。お連れが欲しいな。

ブログを通じて、新潟県魚沼市において石川雲蝶が遺した素晴らしい彫り物など、技巧の数々を拝見させていただき引き込まれた後だったから、ガラッと世界は変わったが、「埋め木」細工へと導かれた不思議な縁を感じている。
しばらく埋め木探しのウオークラリーが楽しめそうだ。

今夜のHk番組「ブラタモリ」でも、山口県岩国市にある錦帯橋の補修にも「埋め木」がなされ、さまざま補修を重ねながら美しい景観を保ってきたことが伝えられていた。

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