京医ボート部ブログ

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ただ流れるままに

2019-02-18 11:34:59 | 日記

2月17日 日曜日 朝7時

いつもは寝起きが悪い僕だが、今日は何故かこんな早い時間に目覚めることができた。窓を覗くと外は綺麗な白い雲。あそうだ、今日は散歩日和だ。

朝ごはんを食べ、お気に入りのジャージに着替えて早速家を出るともう足先は川のほとりの公園に向いていた。別に散歩する場所は決めていなかったからもう足に導かれるままに歩いた。公園に着くまではよく近所の人達に会うことは知っていた。
「あら、お早う」
「お早うございます」
「朝早いねえ。今日も大学なの?」
「いえ、ちょっと散歩をしに…」
やっぱり会ってしまった。僕はちょっと足を早めた。寝起きの寝ぼけた顔をもう他の近所の人たちに見られないように。

川のほとりに着くと、ランニングする人が沢山いた。僕はそんな予定はなかったが、その人たちの流れに流されるままにランニングが始まった。と同時に何処からかいつものように実況が流れる。
「早い!ここで1人抜いて今現在7人抜き!」
子供だろうがおじいちゃんおばあちゃんだろうが関係なく勘定に入れる。今日は調子が良いのとちょっと人が多かったこともあり、10人から先何人抜いたか覚えてない。

ランニングの一番の醍醐味はやはり季節や時間で変わる小さな風景に気づけることだと思う。今日はどんな発見があるのだろう?少々追い風。溢れ出す好奇心が風に乗って自分さえももう追い越していく。

はるばる走って大阪城公園に到着。そういえば今日走ったルートはいつもと違うから、あまり来たことがない。ワクワク。人の流れを吸い込む小さな門の向こうには梅林公園が広がっていた。もう梅の咲く季節なんだ。

「内裏」「思いのまま」「寒紅」とかとか色々な名前が梅にはあって、ゆっくり廻りながら見比べをしたりして時間を過ごした。一重か八重、紅梅か白梅はたまた紅白の梅もあり、同じ名前でも花の色が違っていたりして梅は色々な表情をしてくれるみたいで面白い。

もちろん梅林の楽しみ方も人それぞれのようで、キャンパスを広げて油絵を描く人、いかにも高そうな一眼レフを肩にぶら下げている人、梅の匂いを鼻を近づけて楽しむ人、フクロウの人もいた。

観光客の皆さんが梅昆布茶と三色団子を買っていたので、僕もつられるままに買ってしまった。本当に梅を見ながらのお菓子は美味すぎる。そして趣深すぎる。隣の人が筆と紙で俳句を詠んでいたので、僕も一句。

ふらと来て 胸の詰まるや 梅林公園

あ、字余りだ笑

気づけばもう昼だ。向かい風の中、つられるままにまた買ったお土産袋をさげて元来た道の通り帰ることにした。そうだ、道しるべに自分のこころの一片を切り取って帰り道に撒こう。梅林に行くにはもっと近道はあるだろうが、流れるままに通ったこの道もいい。これからはこの道だ。飽きたなら、そのかけらを一つ一つ拾い上げてまた新しい道に撒けばいい。半月後には遅咲きの梅が咲くそうだ。楽しみがまた一つ。また行こう、この道を辿って。

1回生 山崎