京医ボート部ブログ

京医ボート部のホームページはこちらから。
http://kyouiboat.wixsite.com/kumrc

読書の春

2019-03-22 19:39:51 | 日記

最近気温が高くなってきてコックスにとって乗艇が辛い季節が終わろうとしています。

どうも、1回生の片岡です。

 

僕はインドア派で活動的ではないので、春休みの余暇は読書を楽しんでいます。

最近はAmazonのKindleを購入したこともあって、洋書を読んだりしています。どんな本を読むかはその時の気分次第ですが、最近ローイング関係で少し面白い本を読みましたので、ここで紹介したいと思います。

 

本のタイトルは “ The boys in the boat “

1936年のベルリンオリンピックの8+の優勝クルー(アメリカ代表)の話です。この本の面白さをかいつまんで述べると、①ボート知識が無くともボートレースの臨場感が伝わってくる②主人公を含めた漕手、コックスだけでなく、ボート設計者やコーチの過去が詳細に述べられており、彼らのユニークな人生を垣間見れる③当時の社会背景が知ることができる(特にナチスドイツ主導の下、オリンピック開催に至るまで社会がどいった風に変化していくか等)です。

やはり、ローイングを経験している人間からすると上に挙げた①が魅力的でしょうか。特に漕手と同等か、レースによってはそれ以上にコックスの描写が多かったのも僕にとっては楽しめた要素でした。(個人的には②も面白かったです。)

当時のアメリカでは大学クルーと海軍クルーがナショナル大会にて競い、数年越しの結果で、代表クルーを決定する方式がとられていました。この本の主人公:Joe Rantzが所属するのはワシントン大学のクルーで、物語の大半はベルリンオリンピック代表クルー選考のレースでのワシントン大学とカルフォルニア大学の対決が描かれています。ちなみに、このクルーのコックス:Bobby Mochの描写はというと、この過程ではほとんど皆無で、むしろ敗北するクルーのコックスの焦るコールや様子が詳細に描かれています。ちょ、そんなんよりもっとボビーのこと書いてーと思いながら読み進めてたんですが、オリンピック決勝で彼はやってくれました。

ベルリンオリンピック決勝では、ワシントンクルーは3つのハンデを背負って戦うことになります。第一に、風の影響をもろに受ける一番アウト側の6レーンに指名されたこと(ちなみに、1-3レーンは、イタリア、スウェーデン、ドイツ。そして5レーンはイギリス。分かりやすいなあ。)第二に、スタート合図がドイツ語であったこと(結果、5、6レーンはスタートに気づかず、大幅に出遅れることに)そしてダメ押しの第三にクルーが絶大の信頼を置いていたストロークが予選直後から高熱でダウンし、決勝当日も熱が出ていたこと。普通だったら、そんなコンディションのストロークを他の控え選手に変えるところですが、ワシントンクルーの総意で、このストロークなしでは勝利はあり得ないという結論に。結果、何とダウン寸前の病人を引っ張り出してレースに挑むことになります。

ワシントンの一貫した戦略は後半まではレートを控え目に大きく漕ぎ、最後にレートを上げて突き放すというシンプルかつ王道的なもの。しかし、スタートが出遅れた以上そうは言っていられないので、当然コックスのMochはレートを上げようとします。しかし、ストロークが全然反応してくれない、というかやっぱり何か様子が変。半死人の形相で漕ぐストロークにはもはやコックスの声は響いていなかった。そこでMochはある戦略を思いつきます。

「ストロークの役割を他の人間に移してしまおうか?」

しかし、失敗すればリズムを大きく崩し、漕ぎそのものが空中分解して勝利する可能性が0になります。かといってこのままレートが上がらなければ、追い付ける可能性も0です。悩んだ末に彼は賭けに出ます。3番のJoeにアイコンタクトで役割譲渡の合図を送り、いよいよストロークをJoeへ移行しようと試みます。その瞬間、そのことに気づいたストロークがプライドからか、奇跡的に復活し、レートが上がり始めます。これがMochの偉業その1です。

とは言え、レース最終局面では先行するイタリア、ドイツとまだ差があり、勝利は絶望的な状況でした。Mochは考えます。ただ普通に煽るだけではダメだ、漕手の120%の力を出し切るくらいでないと勝てないと。そこで彼がしたことは、漕手に後○○ストロークと言いつつも、残り10ストロークくらいでもう一度カウントを増やして、フィードバックするということでした。要は漕手を騙して、煽り続けたということですね。

コックスのトリッキーな戦略と煽り、そして漕手の漕ぎが合わさって、勝利を得る瞬間はまさに圧巻の一言。読んでいて胸が熱くなりました。ここまで大胆に振舞えなくとも、漕手の士気を高めるコールやそれに至る戦略を立てれるコックスは本当に凄いと感じました。僕も来る朝日レガッタで現在のクルーの力を出せるコックスへと成長できるよう頑張りたいです。

色々書きましたが、読みやすい英語で書かれているので興味のある方は是非原文で読んでみてください。


艇の進め方

2019-03-13 17:20:45 | 日記

こんにちは

鷲谷です

冬シーズンも終わり、春夏シーズンが本格的に始動しました。私鷲谷は去年の秋シーズンと同じくテクニシャンとともにダブルスカル昴流で西医体に殴り込みをかける所存でございます。はい。

 

さてさて、西医体で勝つにあたり、艇を進めるということに焦点を当てて練習に取り組んでいるのですが、なかなかうまく進められません。根本的な問題は出力にあると思っているのですが、これといった解決方法がなく、なかなか苦戦しています。出力つまりパワーをつけるにしても、どういった意識でエルゴに取り組めば良いのか、どこに着目するのか、なかなか悩まされます。

 

こんな感じでダークサイドに落ちつつあるのですが、何も考えずにいったらとてもうまくいったりするので、こいつがなかなか曲者です。

 

結論         Row Hard!!!


新艇ダブルの進水式

2019-03-08 13:39:31 | 日記

こんにちは!三回生の川村です。ようやく春シーズンが始まりました。僕が主将でいるのももう残り半年,こっからがほんまもんの勝負です👊

いきなり報告ですが,先週3月2日に僕たちの新艇ダブル瑞雲(ずいうん)の進水式が無事に行われました。

天気が良すぎるのか新艇だからなのか,進水した瑞雲はそれはもう眩しすぎるくらいに輝いていました。朝日レガッタに向け,瑞雲は来週より本格的始動,嬉しい限りです。造艇にあたりお世話になりましたOBや関係者の皆様にはこの場をお借りして深く御礼申し上げます。ありがとうございました。

 

さて,昨日ようやく遼太と松本がNZから帰ってきたとのこと,長旅ご苦労様でした。来週からの練習に打ち込めるよう,今はじっくり休憩してください。

帰ってきた彼らのポジション(配艇)についてですが,まず遼太は増井さんと一緒に瑞雲に乗ります。NZ遠征から帰って瑞雲とは,なんて素晴らしい役どころでしょうか!新艇でもっと自分の漕ぎを追求していって欲しいです。

一方で,松本は僕と同じ対校フォアですね。奇遇(?)なことに先週は君達同様,こっちでもペアに乗っていました。あまり馴染みのないペアですが,これが難しくて色々反省が湧いて出ます。でもその分,自分の漕ぎをレベルアップさせる機会が本当に多かったです。これを活かしてフォアでも艇速をもっと出したいところ!一緒に頑張りましょう👍

最初は気前よくNZ遠征へ送り出したものの,今になるとやはり彼らがいないうちはね,,,春シーズン始まったけど何か物足りないと思わないといえば嘘になりますね。それだけに明日,彼らがNZ遠征の成果や報告を抱えて瀬田川に戻ってきてくれるのが非常に楽しみです!やったぜ


【番外編】ニュージーランド留学🇳🇿part5

2019-03-08 11:52:30 | 日記

どうも、新2回生の澤田遼太です。

 
 昨日、ニュージーランドでの生活を終え、日本に帰ってきました。ニュージーランドでの生活はあっという間で、出発した日のことがほんの数日前のように感じられます。初めての海外留学ということもあり、最初は苦労したこともありましたが、周りの方々の助けもあり、快適な生活を続けることができました。ニュージーランドは、自然に溢れていて、人も優しく、とてもいいところでした。
 
先週から、僕と松本でペアでの練習が始まりました。スイープ自体久しぶりで全然漕げないですね笑。日本で教わったこととは違うことも教わり、とても刺激的でした。
 
ペアになって感じたのは、自分のドライブの弱さです。ペアは、フォアよりも自分の動きが、もろに出てきます。普通に漕いでいても、自分が弱い方向にどんどん曲がって行きます。松本のドライブに着いて行くのに必死で、ダブルの2倍くらい疲れました。
 
やはり、まだまだ甘い。
 
1ヶ月で成長できた部分も、多くあったと思いますが、まだまだ何もかもが足りないです。身体も弱いし、技術も足りない。でも、僕の中で僕の理想とする漕ぎが何となくまとまってきたような気がします。少しでもその漕ぎに近づけていけるように精進しなければなりません。
 
日本で教わったことと、ニュージーランドで教わったことは、共通している部分も、異なっている部分もありました。きっと、どちらを鵜呑みにするのではなく、自分に合った漕ぎを探して行くのが良いのでしょう。大会で見た選手も、それぞれ良さがあり、全く同じ漕ぎをしている人はいません。オタゴ大学のコーチのグレンは、「ローイングを続けていくにあたって、頭を使って、考え続けていくことがなによりも大事だ。」と言ってました。常に頭を使い、自分の船を速く進めるためにどう動くべきか考え続ける。壁にぶつかることも何度もあるでしょうが、そのために立ち止まり、考え、また進み続けるのがローイングなのでしょう。
 
最後に、この留学のきっかけをくださった下宮さん、ボートの練習や、現地での生活を支えてくださったグレン、ウエイトやエルゴの指導だけでなく、様々な機会を与えてくださった中村大地さん、快適な環境を提供してくださったホストマザーの方々、それに、今回の留学を応援し、支援してくれた両親、その他様々な人の助けがあり、僕らは留学ができたのだと思います。ありがとうございました!
 
ニュージーランドでのローイングはこれで終わりですが、日本でのローイングがすぐに待っています。この後経験を生かしてどんどん精進して行きたいです!
 
3/4 朝 10km UT 1min on 1min off 20本
       夕 ウェイト
3/5 朝 14km UT
       夕 10min ×4(rate 20 22 24 22)
3/6 朝 14km UT
       夕 ウエイト

【番外編】ニュージーランド留学🇳🇿 part4

2019-03-02 18:06:14 | 日記

日本では京医ボート部部員旅行が行われ、随分盛り上がっていたみたいですが、僕たちも今週末部員旅行に来ています。参加者は2人、行き先はクイーンズタウンですが。

クイーンズタウンの風景です 


日本では受験シーズン前半戦が終了し、花粉が舞い始めたようですね。後輩たちの安堵の声、同級生たちの目鼻の不調の訴えなどを耳にしながら、少し肌寒さを感じ始めているNZ遠征組、松本です。

 

3月に入るともうこちらは秋という認識なんだそうです。少しずつ夜も短くなってきていて、朝はベッドから抜け出したくない温度まで下がってきているんですね。夜が少し暑いだけに気温の変化が体に応えます。まぁ実際、朝は季節を問わずベッドから抜け出したくないんですが

 

ニュージーランド遠征も最後の週末を迎えてしまいました。この国でこのブログを書くのも最後になってしまうのですね、そう考えると少し寂しいような気分になります。実は入国直後は新しいことが多すぎて、いろいろ不安で日本に比べて不便なところばかり目立つし、11日を長く感じていたのです。今となってはすっかり慣れてしまって、NZの魅力を最大限楽しめる余裕が生まれました、NZを満喫できるのはこうなってからなんじゃないかなと思います。

 

慣れてしまうと本当に住みやすい国だというのがNZの印象です。広いお家がたくさんで、窓が広くて解放的。とにかく自然が豊かで、山々と川と湖と海、広大な大地の織りなす光景は、常に壮大で圧倒的です。トールキンの指輪物語を映像化する舞台になったことも、当為と納得させる風景に溢れています。点のような人口集中都市の周りには点をつなぐ線たる道路が敷かれていて、道路一帯には広大な穀牧草地帯と自然が広がります。自然に囲まれた都市には古い教会と美しい家々が立ち並び、さながら西洋の古い小説の世界に迷い込んだよう。広い窓から差し込む明るい陽光に照らされ、のどかに風が通る室内では時間がゆっくり流れていきます。あまりに広大な自然の中でポツンと佇む小屋を眺め、広がる穀倉地を見ていると、あたかも原始の自給自足の生活を垣間見るようで、かつてこの大自然の中で生を育んだ人々の生活に思いを馳せずにはいられません。

 

疎と密の緩急、自然と人間の生活の調和、静けさと荘厳さが織りなす世界がここにはあり、思わずこの地で営む生活に憧れを抱いてしまいます。ダニーデンに加え、トワイゼルやクイーンズタウンなどのNZ南島都市を見学し、これらに触れることで僕の価値観が大きく揺さぶられた気がしています。

 

例によってボートが疎かになるようです。

 

今週の頭までダブルを漕いでおり、最初に比べるとかなり改善された点が多いもののまだ足りていない部分も多いという状況だったのですが、僕が帰国するとフォアに乗るということもあり、グレンに頼んで今週中盤からスウィープの練習を始めてもらいました。具体的には遼太とペアに乗ると言うことです。

 

引き続きグレンが乗艇を見てくれています。今までの乗艇では大切なポイントを小出しで徐々に教えてくれるというスタイルだったのですが、僕たちの帰国が近いこともあって、タンクローの時に一気にポイントを大放出してくれました。

 

ポイントが多すぎて、メモを取っていたのですがここには書ききれません。本当に今までのスウィープの漕ぎを完全に見直さなければならないような内容でした。その中でも特に目立ったのはスカルとの共通点の多さです。同じボートを漕ぐという動作でも、両側にオールがあるのと片側にしかないのでは、まるで漕ぎが違うという認識があったのですが、ブレードの振る舞いだけでなく、フォワード姿勢から座り方、バランスの取り方まで全て共通していたんですね!グレンはある時、初心者にとってスカルからスウィープ転向は容易だがスウィープからスカル転向は大変だと言っていましたが、その意味が少しだけわかったような気がします。身体としては不均等な動きをするのに、体軸と体幹は均等に動かすスウィープは、後者をスカルで鍛えてこそ完成できるものみたいです。

 

色々新しく学ぶことが多すぎて、とてもじゃないが書ききれません。報告書にまとめて提出するつもりです。

 

今週は、ホームステイ先が艇庫から遠い関係で日中を艇庫でダラダラすごすようにしていたのですが、グレンがそれを見て僕たちがめちゃくちゃ暇なのだと判断し、たくさん仕事をくれます。トレーラーの組み立て、自転車の組み立て整備、シート点検の手伝いなどですが、気合いを入れてやりすぎて、最終的にはメカニックの称号を手にしました。rowingを学びに来た僕たちとしては極めて不本意ですが、実は僕たちも楽しんでいるんですね!

 

ここに来て触れ合う人たちはとっても陽気です。大阪人みたいに伝えたいことの3倍くらい喋って、残り2/3は冗談という人もいます。会話の中に冗談が織り交ぜられていて、当惑してしまうこともあるほどです。でも慣れてくるとすごく楽しくて、笑いが絶えません。言葉を積極的に使う人たちなのだと思います、日本にいると振る舞いと動作でコミュニケーションしていて、言葉を発さないことも多いですが、ここでは何をするにも言葉を発します。会釈の前に挨拶の言葉、見礼の代わりに謝辞、お辞儀の代わりに感謝の言葉、これがこの国の個性なのかなーと思うのも、面白いです。

 

言葉が違う国で、1ヶ月ボートを漕ぐ、という体験をしています。最初は難しそうで、練習もハードじゃないかと思って少し敬遠しながらも、まぁボートと英語の技術が上がったらいいなーと思いながら今回の遠征に参加しました。結果として得たものは、ボート技術や英語力だけではありません。というか英語力はそんなに向上してません、それも問題ですが。

異国の文化に触れ、普段自分がいる世界とは全く違う世界に入り込むという体験は僕の価値観を大きく揺るがし、多くを考えさせてくれました。ピュアで広大な自然に触れ、その中で暮らす人々に出会い、話すことはそれだけで価値がありました。

 

先述の通り、NZに来て最初の1週間はすごく長く感じました。新しいことをすることは楽なことだけではありませんでした。費用も決して安いものでもありません。それでもこの遠征に参加してよかったと思っています。未知のことに挑戦すると、思いがけないことに出会います、予想外だからこそ、その体験が自分の糧になっていくんですね。これからもこういう挑戦を積極的に続けていきたいと感じたNZ遠征でした。

 

例によって、今週のトレーニング内容

 

月曜日:

ダブル乗艇 10kmUT

重量トレーニング

火曜日

ダブル乗艇 10kmUT1minONOFF×15

エルゴ 40min

水曜日

ペア乗艇 12kmUT 

重量トレーニング

木曜日:

エルゴ 6km2minONOFF×42km1minONOFF×210min

タンクロー(技術指導)+エルゴ 40min 

金曜日:

ウォーキング 60min