こんにちは、二回生の松本です
つい先日前回のブログを書いたような気がするのですが...もう順番が回ってきてしまいました。夜風がまだ涼しい、初夏の候です
さて、目先の試合は東大戦です。僕は今年は選手として初めて東大戦に出漕するのですが、僕含め3人の医学部生は医学部フォアだけでなく全学エイトにも乗らせてもらえることになりました。
全学漕手との共同練習は学べることが本当に多く、実際医学部での練習にも取り入れさせてもらったテクニック練習もあります。なによりも練習が楽しいのが一番です!
そんな中ある日、全学での東大戦壮行会に参加しないかという誘いを受けました。全学の方々と交流できるいい機会なので是非ということで2つ返事で参加することになりました。僕たちは無料で焼肉を食べられるということを聞かされていて、わくわく楽しみにしていたのですが、実はここに罠があったのです。
なんと、東大戦に参加するクルーは全員、壮行会で芸かネタを披露しなくてはならなかったんです。去年まで壮行会に参加していなかった僕達は当初その事実を知らず、どんなネタをしてもいいかもわかりませんでした..
進退窮まった医学部3人が選択したのはパンスト相撲。内輪ネタもわからず準備期間も無い我々の間には、取り敢えず体を張らなければいけないという共通見解があったためです
しかし壮行会の1時間前になって、ふと恐ろしいことに気付きました。パンスト相撲にはオチが無いのです
パンスト相撲は盛り上がるかもしれませんが、どうやって幕引きをしたらいいのかわかりません。
推敲の末の結論が、パンスト相撲で負けた人が一発ギャグをするというものでした。それしか許してもらえる術は無さそうに感じられたのです。
それからが大変です、これまで一発ギャグなどしたこともないのに、馴染みのない大人数の漕手の前でギャグを披露するのです。考えている間にも壮行会の開始時刻は近づいてきました
しかしよく考えれば、一発ギャグをするのはパンスト相撲で負けた人だけ。ではパンスト相撲に全力を注げばいいじゃないか!そう考えた僕は、それからひたすらパンストの外れにくい被り方の研究に執心していました
そして迎えた壮行会、医学部の前のペアは漫才で会場を大きく沸かせていました。医学部の谷口の紹介で始まったパンスト相撲、研究の甲斐あってか一発ギャグの憂き目を見たのは谷口でした。
完成度の高い一発ギャグで笑いを取った谷口を、しっかりパンストを被ったままで見届けた残り僕と澤田はその後、無根拠な達成感に浸りながら、全学の漕手達のネタを大いに楽しみ、焼肉を頬張っていました。
無事に?全員のネタが終わり、ラストオーダーも過ぎてそろそろ壮行会もお開きかなときょろきょろし始めた頃、事件は起こりました。
司会の近藤さんが医学部のいるテーブルに寄ってきて、不穏なことを言い出したのです。
「医学部の澤田と松本ってネタやってなくない??」
2人が全力で否定したのはいうまでもありません。パンスト相撲がネタだった、みんなネタでもうお腹いっぱい、そもそもネタってなんですか? さまざまな抵抗のすえ、近藤さんが譲歩案を提案してくれました。
「松本は選考頑張ったから今回はネタは無しでいいや。澤田ネタやってこい」
その時僕は、近藤さんの後ろに後光がさすのを見ました。その提案に1も2も無く賛同して澤田を押し出した僕は、高見の見物を決めることにしたのです。
結局澤田が、高校授業中に思いついてから3年間温めてきた渾身のネタを披露し、沸いたあとの会場はすっかりお開きムードです。
左ぁさぁ帰って寝るかとエプロンを畳んでベルトを調整する僕の耳に、近藤さんの信じ難い発言が入ってきました。
「そういえば、医学部でもう1人ネタを披露してない奴がいたよなー!」
その瞬間の僕の感情は筆舌に絶します。驚き、困惑、絶望、諦めのmixtureが波立って襲ってきました。「お、おい近藤...」
放心状態のまま全員の前に立たされた僕がやったネタは白ピクミンです。詳細は省かせてください。反応は御察しの通りです。一気飲みしたビールは美味しくありませんでした。
何が言いたいかというと、ボートは楽しいということです。クルースポーツである以上責任が伴い、色々妥協しなきゃいけないことがありますが、全員で感情を共有し、勝利に向かって努力するのは至高で、やはり得難い経験です。
長々と書きましたが、実は明日の朝から戸田に入ります。どんな結果になるのか!楽しみでもあり不安でもあります。東大戦パンフレットを見ていると、OBの方々がいかに東大戦に気をかけてくださいっているか、どれほど期待されているかを実感し、身が震える思いです。
二回生 松本侑
追伸ですが、東大戦ホームページに書いてある僕の体格は間違っています。身長182cm体重80kgの巨躯は僕ではありません、176cm70kgが正確な値です。