沖縄の街角(旧名:北京の街角)

沖縄と天津でIT関係の会社を経営しながら、仕事を通して考えたことを発信する。

海外での配慮

2009-05-24 09:35:12 | 事業
先日我社の社員が、顧客企業でのパソコンの保守時に、アンチウイルスソフトへの理解不足が主な原因で、あるユーザーの重要なファイルを間違って削除してしまった。そのユーザーは、たまたま日本から出張で来ていた日本人社員だった。

そのユーザーは激怒して、弊社社員に罵声を浴びせた(日本語で)。その際、「バカヤロー」と言ったらしい。
その企業の総経理(社長のこと)も、直接私に電話をされ、削除してしまった事態に対し、強烈なクレームをされた。

削除したファイルはその後、我社の上級技術者を現場に派遣して、100%回復したので、ユーザーの怒りは収まり、事件は解決した。しかし、その日本人の「バカヤロー」発言のため、簡単に解決できないまずいしこりが残った。

問題の原因は、我社の社員の知識不足が主因、顧客企業の翻訳者の翻訳能力の不足が副因だった。その日本人の出張社員のパソコンは、我社と契約している保守対象のパソコンではなかったという基本的な問題は別にして。

削除されたファイルが、如何に大事なものであれ、異国の地で日本人が現地人を相手に日本語で罵声を浴びせるというのはいかにもまずい。更に、罵声を浴びせる対象の人間が、自分の子供のような年齢であった。一番まずいのは、「バカヤロー」と怒鳴ったこと。

一般の中国人は、日本語はわからないが「バカヤロー」だけは知っている。中国のテレビでは、今でも毎日反日ドラマが多くのチャンネルで放送されており、いかにも悪そうな日本兵が「バカヤロー!」と「メシ!メシ!」と言っている。「バカヤロー」は中国では「猪」(これは日本語では豚の意味)と翻訳されており、非常な侮蔑用語。

この日本人と私が直接電話で話をして判明したが、彼は驚くほどパソコンに詳しく、この程度の削除では完全回復が可能だと理解できている。にもかかわらず激怒して最悪の侮蔑言葉を中国人に浴びせた。なぜだ?

中国に出張してくる日本人には、なかなか理解できないが、中国の反日教育は一般の中国人の骨髄にしみこんでいる。一般の中国人は、過去において日本が侵略をして、中国国民に多大な苦難を与えたことを恨んでいる。日本人の平和ボケの感覚では、理解できないだろう(私の考えでは、それは戦争行為であり、日本が一方的に悪いわけではない。現代の日本と日本人に恨みを持つことはお門違いだということだが)。しかし、中国人は恨みを忘れないために「臥薪嘗胆」する民族。恨み骨髄の相手は、たとえ死んでもその墓を暴いて、遺骨をすりつぶしてお茶に混ぜて飲み干してしまうという民族。一族の恨みは99世代継承しなければならない民族。

アジアに駐在、出張する日本人に、ARROGANTな態度をとる人をたまに見かけるが、このような人は、肩書きがいくら高い政治家でもサラリーマンでも、決して相手に尊敬されない事を認識すべきだ。

相手が何国人であれ、感情を抑えた、冷静な対応にこそ、相手を畏怖させ尊敬させる力がある。

日本の国力はどんどん落ち目になっており、政治も目を覆いたくなるような状態。いまこそ個人力を高めて発揮する時期だと思う。高度経済成長型日本人は世界では全く通用しない。

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1 コメント

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Unknown (りさを。)
2009-05-26 23:10:53
相手を怒るにしても
「バカヤロー」はまずいですよね。
それはこちらの国でも一緒です。
韓国も負けず劣らず、罵詈雑言が多い言語ですが、それにしても「バカヤロー」や「コノヤロー」はまずいです。
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