日本でi.Bou-GHS_MLの本格的販売を開始して感じた、日本のユーザーと中国のユーザーのソフトウェア使用に関する考え方の違いについて、記録の意味も含めて書いておこう。
一言で言い表すと、日本は形式的、中国は現実的とでも言えるかな。
最近ある日本のユーザーから、GHS分類の根拠を表示してほしいとの要求が出た。
どういう事かと言うと、例えばソフトウェアが急性毒性経口区分2と分類したとすると、なぜそのように分類したのかの根拠を表示しろというもの。
この種のソフトウェアでは、分類の正確さが命であり、リリース前にはこの点の検証は十分に行っている。従い、成分のGHS分類データと、製品の配合比に基づき、製品の正しいGHS分類結果を出すことは、基本中の基本で当然のこと。従い、最初にこの要求を受けた時は、「何をいまさら、そんなことしたら無駄なコストが上がるだけじゃないか」と思った。しかし、よくよく考えてみると、このような表示があれば、ユーザーは安心感を持てるし、ひょっとすると危険性を下げるための配合比の改善を思いつくかもしれない。開発者側は、判定根拠を示すことにより、その分類結果に対する免罪符とすることができる。だから、経産省の無料分類ソフトにも、こんな機能を忍び込ませていたのかと、さすがお役所仕事だと妙に納得した。
一方中国のユーザーはというと、何しろこのソフトを使うことで、自分の今の仕事を楽ちんにしたい。操作方法も、複雑なのはだめで、とにかく簡単にしてほしい。例え、結果が間違っていてもそれはソフトのせいであって、自分ではない。極端に言うとこんな感じで、操作性と自動計算機能に要求が集中する傾向がある。
冷静に比較すると、やはり日本のユーザーのほうがレベルが高い。レベルが高い分、複雑な操作性や高い価格にも許容性が高いとも考えられる。さらに付け加えると、どうも「寄らば大樹の陰」的な考えが強く、特に大手のユーザーは、価格が高くても名の通った大手企業が開発したソフトを選びがち。
i.Bou-GHS_MLは、日本での販売を成功させる事が大前提なので、GHS分類の根拠表示機能も、日英中の三カ国後表示で付けることにし、さっそく改造に取り組み始めた。
また、日本の某企業のSDS担当がどうも大手の塗料会社の出身のようで、やたらSDS関係に詳しい。前回、日本でi.Bou-GHS_MLのプレゼンをやった時、表示される法律に「特化則」が入ってないとのことでダメ出しされた。その人曰く、特化則が入ってないと百年たっても塗料会社には売れないぞと脅された。そこで、それ以外に追加せねばならない法律はあるかと聞くと、別にないなという事なので、「よし、じゃあ特化則を追加するから、絶対買ってくださいよ」と返事した。ということで、この「特化則」も日本のSDSの第15条に付け加えることにした。
稲が穂をたれるように、身を低くして要求を分析し、必要と思われる機能を付け加えて、価格は変えることなく日本で販売実績を上げて名が通るようにしなければ! そして日本市場を制覇して、世界に飛び出すぞ!!
ビジネス戦略としては、サイボーズ社をお手本にしよう。青野さんのやり方を目指すからよろしくね(ただし育夫いがいだけど)!
一言で言い表すと、日本は形式的、中国は現実的とでも言えるかな。
最近ある日本のユーザーから、GHS分類の根拠を表示してほしいとの要求が出た。
どういう事かと言うと、例えばソフトウェアが急性毒性経口区分2と分類したとすると、なぜそのように分類したのかの根拠を表示しろというもの。
この種のソフトウェアでは、分類の正確さが命であり、リリース前にはこの点の検証は十分に行っている。従い、成分のGHS分類データと、製品の配合比に基づき、製品の正しいGHS分類結果を出すことは、基本中の基本で当然のこと。従い、最初にこの要求を受けた時は、「何をいまさら、そんなことしたら無駄なコストが上がるだけじゃないか」と思った。しかし、よくよく考えてみると、このような表示があれば、ユーザーは安心感を持てるし、ひょっとすると危険性を下げるための配合比の改善を思いつくかもしれない。開発者側は、判定根拠を示すことにより、その分類結果に対する免罪符とすることができる。だから、経産省の無料分類ソフトにも、こんな機能を忍び込ませていたのかと、さすがお役所仕事だと妙に納得した。
一方中国のユーザーはというと、何しろこのソフトを使うことで、自分の今の仕事を楽ちんにしたい。操作方法も、複雑なのはだめで、とにかく簡単にしてほしい。例え、結果が間違っていてもそれはソフトのせいであって、自分ではない。極端に言うとこんな感じで、操作性と自動計算機能に要求が集中する傾向がある。
冷静に比較すると、やはり日本のユーザーのほうがレベルが高い。レベルが高い分、複雑な操作性や高い価格にも許容性が高いとも考えられる。さらに付け加えると、どうも「寄らば大樹の陰」的な考えが強く、特に大手のユーザーは、価格が高くても名の通った大手企業が開発したソフトを選びがち。
i.Bou-GHS_MLは、日本での販売を成功させる事が大前提なので、GHS分類の根拠表示機能も、日英中の三カ国後表示で付けることにし、さっそく改造に取り組み始めた。
また、日本の某企業のSDS担当がどうも大手の塗料会社の出身のようで、やたらSDS関係に詳しい。前回、日本でi.Bou-GHS_MLのプレゼンをやった時、表示される法律に「特化則」が入ってないとのことでダメ出しされた。その人曰く、特化則が入ってないと百年たっても塗料会社には売れないぞと脅された。そこで、それ以外に追加せねばならない法律はあるかと聞くと、別にないなという事なので、「よし、じゃあ特化則を追加するから、絶対買ってくださいよ」と返事した。ということで、この「特化則」も日本のSDSの第15条に付け加えることにした。
稲が穂をたれるように、身を低くして要求を分析し、必要と思われる機能を付け加えて、価格は変えることなく日本で販売実績を上げて名が通るようにしなければ! そして日本市場を制覇して、世界に飛び出すぞ!!
ビジネス戦略としては、サイボーズ社をお手本にしよう。青野さんのやり方を目指すからよろしくね(ただし育夫いがいだけど)!
MRPは受注と在庫を見ながら、自動的に購入必要数や生産必要数を計算して出してくれます。
ただし、MRPの概念は米国で生まれた為、計算結果の根拠など知る必要無く、計算結果が正としてそれに従う。
しかし日本人は、「なにがどうなってこの数が必要なの?」という根拠を知りたがるので、なかなかMRPを使いこなせない。
更に言えば、MRPは在庫削減にもってこいのツールだが、日本人は在庫切れを非常に心配するので、MRPが計算して出した数に、上乗せして発注を掛けたりする。
結果、在庫削減にならない。
中国人もアメリカ人に近く、コンピュータの計算結果のまま仕事をしていれば自分の仕事が楽になるので、その根拠など気にする人は、上司の日本人ぐらいである。
日本は、機械を信用しないから、どんどん高い品質の機械を作って行く。
一方アメリカや中国は、人を信用しないから、どんどんオートメーション化して行く。
機械化は良いが、機能さえ満たせば、それ以上の品質にはあまり興味が無い。
私が思うに・・・
日本人が特殊なんでしょうね!