地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

図歴

2008-01-21 10:55:05 | Weblog
「図暦」(map history)とは、地形図の測量(改測)・修正測量などの経歴で、地形図の内容を判断する上では、発行年次より重要な要素です。
最近は、航空測量のウエイトが大きくなり、撮影年や現地調査年が表示されています。
地形図の「図歴」は、一般に地形図の右下に表示してあります。
また、平成14年4月1日からは、測地系の基準が日本測地系から世界測地系へと改正され、その対応も必要になりました。アナログから全面デジタル化への作業もあり、国土地理院さんも大変な変革期の経験をされたわけです。

まず、地形図の修正ですが、一般に、3年から5年または10年の周期で修正されますが、高速道路や、空港、港湾など大きな変化が認められる場合は、臨機応変にこの周期は変更されます。

「修正・修正測量」とは、変化の見られる部分を、現地調査や地方公共団体が作った1:2500図など都市計画用基図、および空中写真の簡易図化などを基にして修正した場合を云います。
「資料修正」は、ダムや空港、港湾など特別な変化の起きた場合、現地調査を省き、資料や空中写真の簡易図化のみによって修正した場合を云います。
「改測」とは、いまの地形図の位置情報の精度や表現内容が現在の基準に満たず、かつ部分修正では間に合わない場合の全面作り直しの場合を云います。

また、「世界測地系」の経緯度の変更は、当座、全面修正は出来ないので、各四隅の経緯度に茶色で「世界測地系」の経緯度数字が併記されています。