地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

等高線(1)

2008-01-17 11:39:25 | Weblog
等高線とは高さの等しい地点を繋いで作った等値線のことです。
最初は、陸部でなく、河口の深さや、イギリス海峡の深さを表すのに使われたようです。
陸部に使われたのは、それから約1世紀後の19世紀初頭のフランスの地形図からだそうです。オランダとも云われていますが・・・?
等高線で表現すると、地勢はもとより、傾斜の緩急や小さな凸凹など微地形までも表現できます。今日では世界各国の地形図がこの等高線を採用しています。
等高線には、主曲線の他、5本毎に書く計曲線と、平野部に補助的に書く間曲線、助曲線があります。間曲線、助曲線は必要とされる部分だけに書きますので、閉曲線ではありません。宙ぶらりんの線です。
1:25,000図では、主曲線は10m間隔、計曲線は50m間隔、間曲線は5m、助曲線は2,5mです。
昔は、山に登って同じ高さの地点を辿りながら測量する、平板測量によったようですが、今日では航空写真を立体視しながら機械的に作っているようです。
昔の地図には、測量に個人差があり、とんでもない国境が書かれていたりして、入会権などのトラブルがあったようです。
では、今日の地形図は絶対かというと、山には草や木が生い茂っていて、航空写真だけではダメで、やはり現地に入って植生を調べ、微調整をしています。