地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

公図

2008-02-29 22:53:50 | Weblog
今朝の日経新聞に、次の記事が載っていました。
「公図のズレ・・・1m以上、都市部の5割に!  国交省、再測定促す
国土交通省は28日、土地を売買する際に隣地との境界を確認する参考地図として使う登記の「公図」と実際の境界のズレについての調査結果を発表した。都市部の5割以上で1m以上の大きなズレがあることが分かった。土地の売買でトラブルにつながることも多いため、国交省は境界の測り直しを急ぐよう市区町に働きかける。
調査は佐賀、沖縄を除く(何故か?)45都道府県の都市部にある621市区町を対象に実施した。計255、010枚の公図のうち、実際の境界と1m以上のズレのあったのは52% 。
このうち、10m以上ズレていたケースも3%あった。一方、ズレが10cm未満は6%にとどまった。
不正確な公図を放置しておくと、隣地との正確な境界がわからず、土地の買い手が付きにくいなど、不動産取引の停滞の原因になりかねない。固定資産税の課税でも、本来納めるべき額と実際に納めている額がずれる可能性がある。・・・」
驚くべき実態です。しかし、バブルが弾けたとはいえ、不動産の資産価値は膨大です。


この、グロブでも、08.01.13「地籍図」として採りあげましたが、突込みが不十分なようです。

その時の記録ですが・・・

実はこの公図は、昭和35年の法改正によって法律的根拠を失っています。しかし、これに代わる図面が整備されるまでは、暫定措置として 「地図に準ずる図面」 という公図の位置付けになっているそうです。
法律で認められている地図は、国土調査法に基づいて高精度な測量・調査 (地籍調査) を完了した地域で作製されるもので、不動産登記法第17条に規定されている「17条地図」 といわれる地図です。

その、17条地図の整備状況 (地籍調査完了状況) は、平成11年度末現在、東京で17%、神奈川と千葉で11%、埼玉で27%、全国平均で43%となっています。
この測量、地図整備が完了するのは数十年後。いくら正確性に欠けるとはいえ、まだまだ公図のお世話にならざるを得ないのが実態です。
またまた、
では、土地売買の際、如何したらトラブルにならないか、
①、隣接地の人、立会いの下で、境界石の確認をする。
②、その上で、測量を行う。
③、その測量図を基に、売買契約を行う。

ともかく、公図を頼りに、契約するのは非常に危険です。かならず、地籍図の確認、ない場合は実測を行って、売買しましょう。あとで、ツケが回ってくるのは、必ず自分ですから.・・・












地形図の名称(図名)

2008-02-28 10:50:51 | Weblog
地形図の名称(図名)
国土地理院の1:10,000~200,000の地形図の図名(名称)は、その地形図のなかの
①、地名の中でもっとも著名なもの、
②、行政名または著名な山岳、湖・池、原野、浜、岬等の名称、
③、隣接の地形図名に関連させた名称、例えば、「東京西北部」に対し「東京東北部」、「東京東南部」・・・などから、選ぶことになっています。

また、図名がチョクチョク変わるのは避ける方針のようです。

平成の大合併で、平成11年(1999)3月末に3,232あった市町村が、平成18年(2006)4月には1,820にまで減少しました。約半分になったわけです。

従って、消滅した行政名も多いが、それより問題なのは新行政名の扱いです。
国土地理院の地元である「つくば市」は、率先して(?)図名変更はしていません。しかし、なじみの薄い名称が並んでいて、「つくば市」がどの地図に属しているのか解りにくいですね。
一方、茨城県の「ひたちなか市」は「那珂湊」から「ひたちなか」に変更されていて探しやすいです。
(ついでのことですが、ひらがなの図名は、このほかに「えりも」があるのみでしょうか。カタカナは多い、特に北海道に・・・。)

このような例は全国いたるところに見られます。
落ち着いたところで、図名変更が始まるように思えます。

それにしても、職業とはいえ、約6、000種類もある図名を諳んじており、かつその収納ケースを覚えている人たち(販売担当者)がいるのには、驚ろきですね。お客さんの求めに、即座に対応しておられます。

尊敬するばかりです。



地図「北極海」

2008-02-27 11:41:33 | Weblog
この地図は、1995年に㈶日本極地研究振興会が発行したものを、日本国際地図学会が機関誌の付録として1997年に添付したものの一部です。
縮尺は71°Nで1:10,000,000、展開図法は極心平射図法です。
つまり、北極に平たい面を接し、反対側の南極から光を当てて描いた地図です。

その地図に中に、「北極点の征服」として、次のコメントが載っていましたので転載します。

「人類は数百年にわたりこの点に到達しようとする競争を続けた。ハドソンが始めて80°線を越えてから300年が過ぎた時、ピアリーは23年という長い忍苦の挑戦によって、地球の頂点に立った。しかし、それより1年前にこの点を征服したと主張するフェデリック・クックと対立して奇妙な論争が展開されたが、最終的には、ピアリーの到達が認められた。

地上から徒歩 ピアリー(アメリカ人)・・・1909.4.6
空から飛行機 バード(アメリカ人)・・・1926.5.9
海中から原子力潜水艦ノーチラス号(アメリカ)・・・1958.8.3
海上から原子力砕氷船アルクチカ号(旧ソ連)・・・1977.8.17」

この地図には、これらの探検ルートが赤い線で描かれ、同時にコメントが載っています。

ところで、日本人では
昭和58年(1978)植村直己(1941-84)さんが、単独踏破。
カナダのコロンビア岬から北極点までの450マイルを、17頭の犬だけと57日で単独踏破しました。
しかし、同年、池田錦重の日本大学隊が、彼より2日早く、北極点到達したとか。
現地で会わなかったのかな~?

女性では、女優の和泉雅子さんが平成元年(1989)、女性初極点到達。

私の、山登り、いや、ハイキングとは桁が違いますね。がんばらなくっちゃ!

メルカトルの北極圏図

2008-02-26 12:29:53 | Weblog
ここに示したのは、ランベルトが1772年に考案したとされている正積方位図法が、約200年前の1569年、メルカトルの北極圏地図で既に使われていたことです。

1595年に刊行された、メルカトルの「アトラス」には、メルカトルの描いた北極圏図が方位図法により掲載されていました。それが、この写真の地図です。
メルカトル時代には、まだ北極地域は殆ど未知であり、極点に存在する磁石島を取り囲んで、グリーンランドなど4つの大島が配列していると想像されていました。
問題は、展開図法ですが、・・・


メルカトル (Gerardus Mercator,あるいは Gerhard Kremer 1512-1594) は1512年、ベルギーで生まれました。卒業後、印刷関係や理工機器の製造関係の仕事をしました。
1569年に、彼を有名にした正角円筒図法を考案しました。
その図法によると、子午線に常に同じ角度を保って航行する「等角航路」が、この図法の地図では、直線で示されるため、大航海時代でもあり、重宝されたわけです。
緯度が高くなるにつれて距離が大きく拡大されてしまう欠点はありますが、初めて数学的にも正確に地図を作る技術が導入されたわけで、その意義は大きいとされています。

メルカトール自身も自分の図法で地図帳の制作に取り組み、彼はこの地図帳にギリシャ神話の天を支える巨人神の名前を採ってアトラス(Atlas)という名前を付けました。
アトラスは1594年に彼が亡くなった後、息子の手で1595年完成していますが、その後アトラスという言葉は地図帳一般を指す普通名詞になるに至っています。



ランベルト正積方位図法

2008-02-25 10:56:31 | Weblog
ランベルト正積方位図法は、方位図法のうち、面積にウエイトを置いて計算を加えた図法で、ランベルトが1772年に考案しました。

ヨハン・ハインリッヒ・ランベルト(Johann Heinrich Lambert、1728~1777)は、ドイツの数学者・物理学者・化学者・天文学者です。

彼は、貧しい洋服屋の子として生まれましたが、読書家で、30歳の時、スイス人家庭の家庭教師になり、余暇を得て勉学に打ち込ちこむことができました。
1764年36歳のときベルリンに移り住み、数学者達と交流を得て、王立科学院の会員に選ばれました。しかし、49歳の若さで、肺結核のため他界しました。
その間、地図の図法では、ここでとりあげたランベルト正積方位図法の他、ランベルト正角円錐図法、ランベルト正積円筒図法、横メルカトル図法などを考案し、また、円周率が無理数である証明をした事などで知られています。(私には無理数の概念はよく解りませんが、割り切れない数のようです・・・)

さて、今回の、ランベルト正積方位図法というのは、
 方位図法=平面に投影、
 正積=面積の歪が少ない。特に地球と接した面の近くは極めて正積です。

具体的には、北極点(または南極点)を中心とした場合、経線は中心から放射状に、緯線は基準点を中心とした同心円に描かれ、その間隔を赤道に近づくにつれ、少しずつ狭め、面積が比較的正しく表されるよう工夫したものです。
南か北半球内に限って展開すれば、方位図法の中では最もよい図法といえるでしょう。

最近、大きく採りあげられている地球温暖化の問題の舞台は、この北極圏です。
北極圏は、地球上の海洋のなかで比較的浅い海である北極海が中心に広がっており、そこに氷が張っています。
同じ極圏でも、南極は大陸です。
北極圏は海ですから、地球温暖化に最も敏感に反応します。
したがって、現在の地図の中でも注目を浴びる図法でもあるのです。



投影図法 

2008-02-24 16:19:22 | Weblog
地球上の自分の位置は経度と緯度で表されます。
経度は本初子午線(グリニッジ天文台を通る子午線)を含み極を通る平面と、自分の位置を含み極を通る平面との角度で表されます。本初子午線から東と西へそれぞれ180度づつにに刻まれています。
緯度は赤道と自分の位置が地球の中心となす角度で表します。それは北極星の高度にほぼ一致しています。北極星が、常に地球の自転軸の延長線上に輝いているからです。

その地球の表面を、できるだけ歪を少なく表す方法を地図の投影図法といっています。
実際には、地球上の一点一点の経緯度を調べて表現するのではなく、先ず、経線緯線を表すことにより、その相対位置で表現するのですが・・・

そこで、これから逐次、その図法を、目的に照らしながら調べてみたいと思います。一気に調べるのではなく、その図法による地図を見つけた時などに、その地図と照合しながら、気長に調べてみましょう。

地図投影法の全体を調べてみると、その展開方法により次のような図法があるようです。

①、方位図法・・・直接平面に投影する図法
1)投射図法・・・ある一点からある面に光を与えて、投影する方法=自然投影
 1、心射図法・・・光源が地球の中心にある場合
 2、平射図法・・・投影面の反対の地球表面から光を与える場合。
 3、正射図法・・・無限遠からの並行光線を与える場合

2)非投射方位図法・・・方位図法ではあるが、歪を除去するための計算を入れて展開する図法
=条件投影
 1、正距方位図法・・・正距に重点を置いた条件投影
 2、正積方位図法(ランベルト正積方位図法)・・・面積に重点を置いた条件投影
 3、正角方位図法(平射図法)・・・方角に重点を置いた条件投影

3)擬方位図法
 1、ベルネル図法
 2、ハンメル図法
 3、エイトフ図法

②、円筒図法・・・円筒に投影した後、平面に広げる図法
1)投射円筒図法
 1、心射円筒図法
 2、平射円筒図法
 3、正射円筒図法(ランベルト正積円筒図法)

2)非投射円筒図法
 1、正距円筒図法
 2、正積円筒図法(ランベルト正積円筒図法)
 3、正角円筒図法(メルカトル図法)
            (横軸法 : 横メルカトル図法=UTM図法)
3)擬円筒図法
 1、サンソン図法
 2、モルワイデ図法

③、円錐図法・・・円錐に投影した後、平面に広げる図法
1)投射円錐図法 
  心射円錐図法
2)非投射円錐図法
 1、正距円錐図法 (トレミー図法、 ドリール図法)
 2、正積円錐図法 (ランベルト正積円錐図法、 アルベルト図法)
 3、正角円錐図法
3)擬円錐図法 ボンヌ図
4)多円錐図法
 1、正規多円錐図法
 2、直交多円錐図法
 3、変交多円錐図法
 4、多面体図法



UTM図法

2008-02-23 15:27:35 | Weblog
UTM図法(Universal Transverse Mercator)とは、ユニバーサル横メルカトル図法のことで、国土地理院発行の1:10,000~1:200,000の地形図に使用されています。

通常のメルカトル図法は、極方向にタテに円筒を展開させるため、極付近はあまり正確ではありませんが、赤道付近では比較的正確に投影できます。
それを利用して、円筒面を横に倒して、ある経線の幅(帯)毎に投影するのです。

国際的には、北緯84度(当初は80度でしたが、カナダ等の地域のために現在は84度になっています)から南緯80度の間の地域に適用し、経度6度毎の帯に輪切りにして、60のゾーン(帯)に分割します。
これらのゾーンは、経度180度から東に向かって、第1帯、第2帯、・・・第60帯と名付けます。

日本付近は以下のゾーンが決められています。

ゾーン番号  中央子午線(東経、度)  範囲(東経、度)
 第51帯        123        120 - 126
 第52帯        129        126 - 132
 第53帯        135        132 - 138
 第54帯        141        138 - 144
 第55帯        147        144 - 150
 第56帯        153        150 - 156


1ゾーンの中の地図であれば平面上で隙間なく繋げることができますが、隣のゾーンとの境目は繋がらずに裂け目ができます。

球面を平面に表現するための仕方のない現象です。
しかし、この方法が一番、距離も、面積も、方向も、誤差を少なく平面に表現できる方法です。

これを機会に、色々な世界地図の投影法を調べてみましょう。地図屋として避けてとうれない道ですから・・・

治水地形分類図

2008-02-22 11:14:53 | Weblog
国土地理院が発行している1:25,000「治水地形分類図」は、
国が管理する河川(一級河川で国の直轄区間)の治水対策のために、昭和51年度から53年度にかけて作成された地図です。

扇状地、自然堤防、旧河道、後背低地などの詳細な地形分類を図示し、1mまたは2.5m単位の標高を表した地盤高線(等高線)、及び河川工作物等がしるされています。

昭和51年(1976)の台風17号による長良川の破堤で大きな被害を受けたのを契機に作成されました。
この台風は4日間にわたるわが国最大といわれる記録的な集中豪雨で、長良川の堤防が決壊し、安八町、墨俣町一帯が湛水しました。

上の図は、茨城県北部を流れる久慈川の下流部の治水地形分類図ですが、
この地図を例に、内容を纏めると
①、氾濫平野(薄緑)は、河川の氾濫により形成され、主に水田に利用されていて洪水被害を比較的受けやすく、建物の立地には注意が必要です。
②、自然堤防(橙)は、地盤高線から読み取れるように氾濫平野より相対的に地盤が高く、比較的洪水の被害を受けにくいため、古くから集落や畑に利用されており、建物の立地に適しているといえます。
③、旧河道(青)は相対的に地盤が低く、現在は主に水田に利用されていますが、比較的洪水の被害を受けやすく地盤も軟弱な場所であり、建物を建設する際には注意が必要です。
④、東部の砂丘(クリーム)は、風の作用で形成された海岸沿いの地形で、森林、荒地が主で、一部建物も立地しています。洪水の被害は比較的受けにくいのですが、砂の地層が主体であるため、砂丘の縁辺部では地盤の液状化に注意が必要です。
⑤、台地部は、台地(朱)と浅い谷(黄)に区分されています。
台地は平野部から約20m高いので洪水の危険性は殆どなく、崖の近くを除けば建物の立地に適しています。
一方、浅い谷は周囲に比べ地盤が低く、水害や場所により軟弱な地盤に対する備えが必要です。
⑥、また、昭和50年代の河川工作物や堤防の整備状況等も記されているそうですが、これはちょっと古いですね。

このように治水地形分類図から、洪水や地盤災害の危険地域を知ることができ、インフラ施設、建物の建設や開発計画、防災計画などに役立っています。




地図で見る都市の変遷図

2008-02-21 09:48:20 | Weblog
日本地図センターは過去の地形図を基に、明治初期から現在までの主な地形図を集め、都市の変遷図を刊行しています。解説書付きです。

刊行されている地図は
旭川、札幌、仙台、金沢、つくば、東京、多摩、岐阜、神戸、広島、長崎、そしてこのたび刊行された、さいたまの12冊です。

地図で見るさいたま市の変遷
明治18年(1885) 1:25,000  上右の写真
        (比較の都合から、迅速1:20,000を5/4に縮小しています)
大正3年(1914)  1:50,000
昭和4年(1929)  1:50,000
昭和44年(1969) 1:25,000
昭和59年(1984) 1:25,000
平成15年(2003) 1:25,000 上左の写真

  昭和20年頃の地図がないのが、ちょっと淋しい・・・




近畿・中部圏の活断層

2008-02-20 10:31:00 | Weblog
平成15年の地震調査研究推進本部の長期評価によると、花折断層帯(中南部)の今後30年以内の地震発生確率は、ほぼ0%~0.6%だそうですが・・・

平成20年2月19日の日経新聞では
「国の中央防災会議は18日近畿・中部圏で今世紀中に起きる可能性があるマグニチュード(M)7~8級の直下型地震で、最大、国宝51件を含む255件の重要文化財が倒壊か焼失の恐れがあるとの被害想定をまとめた。京都・清水寺や奈良・東大寺など日本を代表する歴史建造物が被災することになり、同会議は文化庁や自治体に耐震補強や破震や延焼防止策を実施するよう求める。
中部・近畿圏で起きる可能性のある13の地震のうち、重要文化財が集中する京都や奈良などに大きな被害が予想される6地震の被害を想定した。
最も深刻な被害が予相されるのは京都府南部と琵琶湖南岸にある「花折(はなおれ)断層帯」.(M7.4・想定死者約1,1万人)の地震。同府南部を中心に震度6強以上のゆれに見舞われ、255件の重要文化財が倒壊したり、消失したりする可能性がある。・・・」と・・・

恐ろしい記事が目に留まりました。
21世紀の今日までこの地域の文化財が生き延びてきたのに、「今世紀中に起きる可能性があるマグニチュード(M)7~8級の直下型地震」とは・・・
世間を騒がせないように気を配りながらも、専門家がこうした記事を新聞に掲載させるのは、余程危険が迫っているとしか・・・?


また、今回の中央防災会議の専門調査会が公表した花折断層帯の被害想定結果は、従来、県が実施していたものを大きく上回っているそうです。
ますます、恐ろしいニュースですね・・・!

国土地理院でも、平成7年(1995年)の阪神・淡路大震災を機に、「都市圏活断層図」の作成を始めました。 (08.2.8ブログ)
地図は、活断層の位置を詳細に表示した縮尺1:25,000図で、色数は5色です。

この際、もう少し真剣に、「都市圏活断層図」の見方を調べておきましょう。
 
活断層(花折断層帯ほか、上の地図の赤線はこの部類です)
最近数十万年に、概ね千年から数万年の周期で繰り返し動いてきた断層の跡が地形に見られ、今後も活動を繰り返す恐れのある断層で、明瞭な地形的証拠から位置が特定できるもの。

活断層(位置やや不明確)
活断層のうち、活動の痕跡が侵食や人工的な要因等によって改変されているために、その位置が明確には特定できないもの。

活断層(活とう曲)
活断層のうち、変位が軟らかい地層内で拡散し、地表に段差ではなくたわみとして現れたもの。たわみの範囲及び傾斜方向を示す。

活断層(伏在部)
活断層のうち、最新の活動時以後の地層で覆われ、変位を示す地形が直接現れていない部分。

などなど・・・、少なくとも、活断層に近い地帯の建造物は、文化財でなくても、耐震強度の補強や、防災対策を考えておく必要がありますね。