地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

三角点

2008-01-08 11:38:52 | Weblog
最近、山の会に入った関係から、よく山頂で三角点の標石を見かけます。
皆さん結構関心があって話題になりますが、小生“地図屋”のクセにあまりよく知りませんでした。

このたび、ブログの題材として避けて通れないので、いろいろ調べてみました。
三角点(triangulation point)とは、三角測量の経度、緯度、標高の基準になる点のこと(標高については、別途、基準となる水準点が在りますが)です・・・。
見晴らしの良い場所にあるため、一等三角点のある山の踏破を目標とする登山愛好者も多いとか・・・。


三角点には一等から四等、まれに五等まであるそうです。
その内容は
一等三角点は設置間隔は45km、全国に972点 、柱石の一辺は18cm
二等三角点は設置間隔は8km 、全国に5,056点 、柱石の一辺は15cm、
三等三角点は設置間隔は4km 、全国に32,699点 、柱石の一辺は15cm、
四等三角点は設置間隔は2km 、全国に64,557点 、柱石の一辺は12cm、
 四等は地籍調査などのさい特別に設置するもので,主に市街地に設置されています。
五等三角点は今後新設はされませんが、現在5ヶ所あるそうです。
そのうち沖縄で3ヶ所ありいずれも離島だそうです。
柱石は、主として小豆島や三州産(愛知県岡崎)などの花崗岩が硬くて輝きがいいことから用いられているそうです。
三角点標石の文字はいずれも南に向けてあり、これは苔類の侵蝕から保護するためだそうです。(大発見!)

三角点の柱石は地上に約15cm露出していますが、地中約60cm埋めてあり、更にその下に「盤石」が生めてあります。それは万一「柱石」が消失したときのためだそうです。
大切なものなんです。だから、この三角点の石を壊したり、移動したりしたら「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に処せられるそうです。登山者のみなさん、ご注意を!

ところで、こうしてみてくると、三角点の重量は大変なもので、山頂まで運ぶのも一仕事のようですね。
重さは一等三角点で盤石ともで約120kg、二、三等で95kg。殆どが明治期に設置されて現在は完了していますが・・・
これから設置されるであろう四等三角点は、金属板などを使い軽量化が行われているようです。
ところで、三角点マニアが結構居られるようですが、その一つに三角点標石の形状にも興味の焦点があるようです。
1890年(明治23)に三角点標石の形状、寸法、刻字などが規格化されましたが、それ以前は規格に合致しないものが多く見られるそうです。
例えば、南アルプス(静岡県)の黒法師岳のものは+印でなく、×印とか・・・
角ばっているとか、縁取りされているとか。また文字の書体が珍しいのとか・・・