地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

十国峠ハイキングマップ

2008-09-30 15:04:40 | Weblog
10月下旬、十国峠にハイキングしますので、近くその下見に行ってきます。
そのためのコースプランを地図にしました。
細かい時間計画は下見をしてみないとわかりませんので、詳細は省いています。

さて、十国峠はよくある三国峠とは地名の由来が違い、この峠が三つの国境という意味ではなく、10国の遠くまで展望できるという意味だそうです。
遠江、駿河、伊豆、甲斐、相模、武蔵、安房、上総、下総、常陸、それに伊豆の島々までも・・・
ルートの途中には源氏の守り神である伊豆山神社があり、頼朝と政子が逢瀬を楽しんだという石のベンチがあるそうです。
年齢を考え、ベンチは一瞥、左手奥の子恋の森ハイキングコースを経て岩戸山ハイキングコースに入ります。ですから、道はよく整備されていて、ジョギングしたいくらいでしょう。
岩戸山山頂から笹の広場を通り、左の、花の名所「姫の沢公園」をまたまた一瞥して、十国峠ケーブルの終点駅前の広場に出ます。
快晴なら十国と伊豆の島々が見られるでしょうが、霧で有名な十国峠ですから、あまり期待しないほうがよさそう。
昼食の後、もと来た道を東光寺まで下り、そこから湯河原方面に下ります。石仏の道で一丁(109m)ごとに石仏が並んでいるようですが、最近はさらにその間にも石仏が立てられ、新旧交互に、半丁ごとに並んでいるそうです。全部で42体とか。まさか厄年のシニタイをもじったのでは・・・?
この度は、下見ですから、落合橋バス停周辺の日帰り温泉を物色して置きましょう。
独りで行くの?いやいや、か弱き女性たちと3人で!
楽しい下見になりますように、神様仏様!



富士山

2008-09-25 10:34:29 | Weblog
富士山(3776m)には川がないと言われていますので、取り上げてみました。
川とは「常に流水が、幅1.5mはあること」だそうです。
1:200,000地勢図を眺めてみると、御殿場方面に標高1,000mまで一本川
がさかのぼっていますが、そこから上の部分にはどこにも河川記号がありません。
いわゆる、一合目以上には川らしい川がないのです。
降った雨や雪は、火山岩の中に吸い取られ、伏流となって山すそまで達し、湧き水となって出てくるようです。
それには、高山のための希薄な植生も手伝っているようですが。
富士山を源流とした川らしい川はないのです。錯覚しやすい「富士川」は主として南アルプスを源流としているようですし・・・。
大量の雨が降ると、急ながけを伝った水の流れはあるようですが、常時流れているわけではないので川とは言わないようです。いわゆる「枯れ川」ですか・・・。
1:50,000地形図には、ところどころ、藍色の長破線の記号が川のように記されています。これが「枯れ川」です。

ところで、富士山は修験者の霊場で、江戸時代後期の1800年(寛政12年)まで女人禁制だったようです。
よくも、長い間、黙って従ってたもんですね。女性諸君!

旧図 大船駅界隈

2008-09-24 10:57:54 | Weblog
旧図 1:25,000地形図 大船駅界隈の地形図です。
約一世紀前(100年前)の大船駅界隈は水田だけが広がる山村の様相で、わずかに、東海道線が鎌倉に繋がる横須賀線との分疑点の駅というだけの存在理由をもった地域のようでした。
大船の観音様も、松竹の大船撮影所も、JR(国鉄)の大船工場も、県立フラワーセンターも、ましてや駅前の繁華街もない、静かな田園風景の様相です。

私も、県立フラワーセンターの近くに約15年間住んでいました。その前の藤沢を含めて約40年位前から住んでいた懐かしい地域です。しかし、この旧図の面影はすでに失われていました。「離山」の地名を発見して、納得しています。この山沿いに県道が出来大船警察署が厳然と鎮座しています。そして一帯は隈なく工場や人家が立ち並んでいます。水田のかけらも見れません。
50年くらいで首都圏の界隈は大きく変わったようです。農村から都市部への大移動ですね。そして地方都市・町村の過疎化です。歴然とした変化です。
しかし、これからまた別の変化が見れるように私は思いますが・・・!?

このような地形図がちょっとした手続き手に入るのです。
過去に国土地理院が発行した地形図や地勢図の複製を入手することが出来、調査研究に喜ばれています。
もちろん、誰でも簡単な手続きで地形図(柾版)一枚500円(送料は別)で入手できます。

入手は、国土交通省オンライン申請システムによる申請か、または国土交通省基盤地図情報課や関東地方測量部(九段)が受付窓口になっており、郵送による受け付けも行っています。

屈斜路湖 カルデラ湖

2008-09-18 11:47:08 | Weblog
屈斜路湖はわが国最大のカルデラ湖(26km*20km)です。
従って、阿蘇山と同じく、1:200,000地勢図を載せました。
比較的緩やかな老年期の地形です。赤色の等高線は500mです。
周囲で一番高い山が藻琴山。なんと標高1,000.0m。絶対忘れない山ですね。
流出している川は、南端の釧路川のみ。
この流出部をアイヌ語で「クッチャロ」(=喉・口の意味)といい、屈斜路湖の名前の由来だそうです。七色の水といわれる清流です。そのすぐ横の宿に泊まった覚えがあります。裸で川と風呂を行き来しました。
約半世紀前に、旭川からバスでこの地を訪れました。
快晴の美幌峠でアイヌのお爺さんと記念写真を撮りました。

この湖は酸性湖で、魚がすみにくい湖なのだそうです。
東のアトサヌプリ(硫黄山)から強酸性(pH2)の温泉水が流入しているためだそうです。
ものすごく硫黄くさい匂いを嗅いだ覚えがあります。
しかし、巨大な未知の生物を見たという言い伝えもあります。
その名は「クッシー」とか。ネッシー、イッシー、クッシーか・・・?


東隣には、わが国で最も透明度の高いといわれている摩周湖があります。
カルデラ湖です。
窪地に水がたまったカルデラ湖です。
周囲は海抜600m前後の切り立ったカルデラ壁となっており、
そこから流れ出ている川はまったくなく、湧水と雨水のみがたまった湖なのです。
大気汚染の影響が忠実に反映されるサンプルだそうです。
そして、その東隣には水のたまっていないカルデラが控えています。カムイヌプリです。

健康と時間は持ち合わせていますが、肝心の金がなく、行けないね~!
地図で楽しむしかないか!





阿蘇カルデラ

2008-09-16 09:47:54 | Weblog
カルデラ火山としての阿蘇山
30-9万年前に発生した4回の巨大カルデラ噴火により形成された阿蘇カルデラです。
その大きさは世界最大級と言われています。
1:50,000の地形図では全貌を捕らえにくいので、1:200,000地勢図で取り上げてみました。
赤線の等高線間隔は500mです。
カルデラを取り囲む外輪山を藍色破線で描いてみました。東西約20km、南北約25kmです。

規模の一番大きいカルデラは北海道の屈斜路カルデラだそうです。阿蘇山は二番目です。
ちなみに三番は鹿児島県の桜島の北にある姶良カルデラだそうです。
また、世界ではインドネシアのトバカルデラ(約100km×約30kmの楕円形)が一番大きいそうです。

ここ阿蘇山はカルデラの中から、すなわち火口の中から、周囲の外輪山を見渡すことができ、その迫力は世界最大級です。

私は高校の修学旅行でこの阿蘇山を訪れ、内輪山の中の旅館に泊まりましたが、カルデラの中に街があり、
鉄道や道路が走っているのに驚きました。規模が大きいのです。
また、10年位前、東京から熊本まで飛行機の旅をしましたが、別府から熊本の間、上空から
この阿蘇山の雄大な景色を堪能した覚えがあります。

近い将来、是非一度、別府から熊本まで阿蘇山経由でジョギングするか、サイクリングをしてみたいと思っています。是非!



カルデラ糊 池田湖

2008-09-15 10:54:03 | Weblog
鹿児島県薩摩半島南端の池田湖 です。
カルデラ糊です。

周囲15km、面積11.1km2、水面標高66m、最大深度は233mです。
火山活動によって出来た大きな窪地に水がたまることによってできた湖です。
標高100m毎の等高線を赤で辿りました。また、標高100m~200mの間を黄色で着色してみました。開聞岳がスッポリ入る大きな噴火口に水がたまったものです。
深さが233mとは、大変な深さですね。
中には「大ウナギ」が生息しているとか、「イッシー」と呼ばれる怪獣が目撃されたとか・・・?!(多分イギリスのネッシーの連想でしょうが)
すぐ南に薩摩富士と呼ばれているきれいな円錐型の開聞岳(922.2m)があります。

カルデラ湖の形成には大別して3通りあるそうです。

1)浸食カルデラ ・・・火口が風化して大きな穴ができたもの。
2)爆発カルデラ ・・・大規模な水蒸気爆発で山頂が吹き飛んで出来たもの。
3)陥没カルデラ ・・・大規模なマグマの噴出によって地面が陥没したもの。

池田湖は・・・?多分、付近に大量の溶岩流が見られないことから、3)の陥没カルデラではないでしょうか。
池田湖の周囲には開聞岳をはじめ、大野岳、鍋島岳、鷲尾岳、辻の岳、清見岳,それに鰻池等が散在しています。
粘性の大きいマグマがアチコチから盛り上がって出来た地形のようです。
そして後に山頂が陥没して穴が開き水がたまって出来たのが池田湖であり、鯰池でしょうか・・・

ところで、「池」と「湖」の違いは?
水深5メートル未満のものが池であり沼です。水深5メートル以上で沿岸植物が生育できないような深いものが湖です。さらに池と沼の違いは、透明度が低いのが沼のようです。

カルデラ湖は日本各地に散在しています。例を挙げると、摩周湖、十和田湖、洞爺湖、田沢湖、霧島の韓国岳、箱根駒ケ岳、男鹿半島の一ノ目潟、にノ目潟、三ノ目潟、・・・


早壮年期の山地地形

2008-09-08 11:44:00 | Weblog
早壮年期の山地地形。中国山地に多く、この地図は1:50,000「智頭」の一部です。
全体は山谷の彫が深く壮年期の地形をなしていますが、一部の山頂部に幼年期の準平原の名残として平坦部(図の緑の部分)を残しています。
人間で言うと、まだ幼さを残した大人、高校生ぐらいでしょうか・・・?
尾根伝いに山歩きするにはハイキング気分で楽でしょうね。ワラビ、ゼンマイなど山菜の多いところでもありますし。
また、この期の地形の特色として、山裾が急傾斜ばかりでなく、緩傾斜の地形も散見できます。「山麓階」と呼ばれる地形だそうです。
「大ケ山スキー場」のようにスキー場になっているところもあります。

老年期地形 鬼志別

2008-09-06 15:22:37 | Weblog
幼年期の地形判断で戸惑っていましたら、今度は老年期の地形でびっくりしました。
北海道でしか見れない地形です。
1:50,000「鬼志別」の地形です。図域全体がこんな景観です。川沿いには多くの湿地帯が見れます。もちろん、気候のために稲作は無理でしょう。川沿いに畑が散見されます。
放牧場や自衛隊の演習場が見られます。

浸食し尽くされた、浸食基準面そのもののような地形です。
川は細流が蛇行し、谷や自然堤防など見受けられません。
山頂は低く丘陵となり、河川は比高が少なく、もう侵食作用は弱まっています。

やはり、こうした地形にもお目にかかりたいものです。寒いときはイヤですが。




幼年期地形 木曽川上流部

2008-09-03 21:25:08 | Weblog
木曽川上流部は幼年期の地形でした。08.8.30の記録は一部間違いでした。

隆起準平原は全体に緩やかな地形ですが、そこに逐次、川の浸食で深い渓谷を刻んだ地形が幼年期の地形です。そして渓谷の後背地は緩やかな幼年期独特の地形をなしています。
日本ラインの木曽川中流域の奥は、08.8.30に触れた上流部の恵那峡、深沢峡、蘇水峡で、今日取り上げた地形はそのさらに上流部の峡谷です。
それを、「まさに壮年期の地形」と、申しましたが、幼年期の誤りでした。

幼年期の地形は、隆起準平原が、山間部は準平原らしく緩やかな山容を見せていますが、川は浸食により、深く削り取られた峡谷をなしている地形です。

老年期の地形は、山容も河川も緩やかになっていて、放牧場に適した地形になります。
明日は、老年期の地形を見てみましょう。




大陸別展開図法

2008-09-01 11:01:21 | Weblog
大陸別に描く最適な図法
地球はほぼ丸い球体(立法体)です。それを平面の紙の世界(二次元の世界)に現そうとするのが土台無理というもの。
しかし、現実には曲がりなりにもそうせざるを得ません。そこで、距離、方位、面積の3要素のうち、いずれかを犠牲にするか、ほぼ正しい世界で妥協(我慢)して見るしかない。
今日は、他の作業の必要もあり、大陸別の展開図法を考えてみました。高校の数学程度では追いつきませんので、最終的には専門家のアドバイスが必要ですが。

(1)アフリカ
ランベルト正積円筒図法
円筒図法=円筒面を赤道に接する投影。
正積=非投射図法=緯線間隔が等しいことによる歪を除去するため、投射図法の性質の一部を残して、中心から離れるに従い、緯線間の距離を縮小することにより、正積性を与える作図法です。=条件投射。
面積が正しく、全体として歪が少ない。赤道に近いアフリカに適した図法。

(2)ヨーロッパ
多円錐図法
円錐図法=円錐に投影した後、平面に展開する図法。
多円錐:本来、一個の円錐を地球にかぶせることを前提にしていたが、多円錐の場合はそれぞれの緯線に沿って円錐をかぶせ、より歪みを少なくする方法です。
すなわち、北極点では平面に、南下するに従い、かぶせる円錐角度を鋭角にする図法。
円錐が接してる緯度線(標準緯線)の周囲(同心円周囲)は、長さ、面積、角度の歪が少ない。
すなわち、全体として歪が少ない。赤道以北の中緯度地帯に属するヨーロッパに適した図法。

(3)北アメリカ(中央アメリカを含む)
ランベルト正積円錐図法。
赤道から北極圏にかける北半球を占め、かつ緯度の広がりも少なく、ほぼまとまった半球の地図展開に適している。多円錐にすればなおいいのでは?
正積方位図法もよく使われます。これは大陸の中心部に平面をおき、投射する図法で、方位に重点がおかれた場合の図法です。
面積が正しく、全体として歪が少ない。

(4)南アメリカ
ランベルト正積円錐図法。
赤道から南極圏にかける南半球を占め、かつ緯度の広がりも少なく、ほぼまとまった半球の地図展開に適している。
正積方位図法もよく使われます。これは大陸の中心部に平面をおき、投射する図法で、方位に重点がおかれた場合の図法です。
面積が正しく、全体として歪が少ない。


(5)アジア
ランベルト正角円錐図法(2標準緯線)
北半球の赤道付近から北極圏にあり、かつ軽度差がほぼ地球の半分を占める地球1/4の展開図法。満足する図法はないといっていい。
面積が正しく、全体としてゆがみが少ない。

(6)環太平洋(オセアニア)
エツケルト図法
擬円筒図法=緯線は等間隔の平行線、経線は北極点を一点ではなく赤道の1/2の長さに仮定して、中央経線を対称軸に左右に曲線を描く。
従って赤道および中央経線付近は歪が少ないが、離れるに従い距離、方位に歪が増加する。しかし、正規の円筒図法より正積にはこだわった図法です。
面積が正しく,中、高緯度の歪が少ない。

(7)南極、北極
正距方位図法
これは、これっきゃないという図法です。