地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

水準点

2008-01-09 12:13:36 | Weblog
今朝の日経に、・・・このままだと地球温暖化で今世紀末の日本の気温は最大4.7度上昇するそうです。南極の氷が溶け出して、海水面も上昇するわけですか・・・。
そうすると、水準原点の高さも修正しなければなりませんね。
さて、わが国の土地の高さ(標高)は,東京湾の平均海面を基準として測られています。
全国9箇所の験潮所で常に観測されてるそうですが、今のところ変更する必要はないのですかね?
その標高値の基が「水準原点」で国会前の公園(憲政記念館付近)にあります。
高さは、「24.4140m」だそうですが・・・この高さを変えなくては・・・?
水準点の高さの精度は一等水準点2kmで3mm以内の誤差、二等三角点は約15mm以内といわれていますが、水準原点が狂ってくると精度以前の問題になりますね。
標高数字から、海岸線などの修正で地図屋さん大仕事が続きそう・・・??



水準点は国土交通省国土地理院が設置・管理する「1,2等水準点」と、地方公共団体が設置・管理する「~級水準点」があります。国の水準点だけでは粗く、地方行政には不都合なのです。
国の水準点は全国の主な国道又は県道等に沿って約2kmごとに設置されています。
その数は全国でおよそ2万点あり、これらを基に各地の高さが測られます。
1等水準点の中でも、特に重要な水準点が「基準水準点」で、全国に86ヶ所あるそうです。
一般に、「基準水準点」は、1等水準点から少し離れた地盤の強固な山や丘陵地に設置され、設置場所も道路から少し離れた林や公園の中などで、道路工事などで移転が必要になる事を防いでいるそうです。
不勉強で、私は未だお目にかかっていません。
国土地理院のHPの「基準点成果等閲覧サービス」欄で調べられます。
「基準水準点」は柱石だけでなく、すぐ横の地中にも石とクロム金属製の標識があり、3つの標識を設置することにより、万一の破損に備えているそうです。
さらに柵によって囲まれているそうです。
こんなに大切なものですから、壊したりすると三角点同様、「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」を科せられるそうです。