大瀧神社・岡太神社つづき。
鳥居を抜けると、神寂びた光景が広がっていました。
あぁ、ここに2時間いられるのねー。なんて幸せなのかしら。
(実際は2時間半いましたが、その間ずーっと撮ってるわけではないので。念のため・・。( ̄∇ ̄))
胸張り狛さん。
って私はいつも呼んでますが、「護国系」などと称されるようですね。
狛犬に詳しいサイトなどで見てみると、ルーツは木彫り神殿狛犬で、
護国神社(招魂社)に多く見られるタイプなのだそう。
視える系の人に聞きたいけど、この狛さん↑よく喋るよね?
大瀧神社
および、
式内社 岡太神社
大瀧神社の創建は719年にさかのぼります。
社伝によれば、
推古天皇の御代(592-638)の大伴連大滝による勧請に由来すると伝わっています。
ついで719年、越の大徳と称せられた泰澄大師が来訪して大徳山を開き、
水分神であり紙祖神である川上御前を守護神として祀り、
国常立尊・伊弉諾尊を主祭神として、十一面観世音菩薩をその本地とする神仏習合の社を創建。
大瀧兒権現(小白山大明神)と称し、その別当寺として大滝寺を建立しました。
のちに、大瀧兒権現は明治の神仏分離令によって現在の大瀧神社となりました。
一方の岡太神社については、
約1500年前、岡本川の上流に現れた「川上御前」という美しい姫が、
村人に紙漉き技術を伝えたことが始まりだとされます。
この川上御前を、和紙の神・紙祖神として祀ったのが岡太神社ですが、
1337年の足利軍勢による兵火で社殿が失われ、御祭神を大瀧神社の相殿に祀りました。
さらに1575年、信長の一向一揆攻略の際の兵火で大滝寺一山が消失してしまいましたが、
その後の領主・藩主らの崇敬篤く、再建された社殿に摂社として祀られるようになりました。
(南鳥居)
地元の方々が長く崇拝してきたのは川上御前(岡太神社)ですが、
上記の経緯により神社の格としては大瀧神社の方が上。
このため、「大瀧神社・岡太神社」と併記したと考えられているようです。
なお、
全国で唯一、紙の神さまを祀る岡太神社は、全国紙業界の総鎮守でもあります。
(東鳥居)
御神門
神体山である権現山を背にして立つ神門。
静寂に包まれた神域には、時折きこえる木々のざわめきだけが響きます。
深呼吸して前を見据えたら、
一瞬、門の中に吸い込まれそうになりました。
こちらの境内は、数多く立ち並んでいる石灯篭が目につきます。
奉納された灯篭の多さが、地域の方々の信仰の篤さを物語っていますね。
心地よさと清々しさ、力強さが混在する、不思議な光景。
なんて素敵なところなんだろう。
ざあっと風の音がするたびに、黄色く色づいた葉が雪のように上から降ってきて、
とても幻想的な景色が広がります。
落葉が舞い散るなか境内を見渡していたら、心だけどっかに飛んでいきそうになりました。
神門への階段右手にあった注連縄が目に留まる。
詳細わかんないけど、祓所か何かかなー?
ところで、参拝したのは神無月の10月。
それも、いわゆる神さま会議の真っ最中である10/15です。
10月は出雲大社に各地から八百万の神が集まって一大会議を開くと言います。
だから出雲は神在月で、諸国は神無月。
いいですよねーなんか響きが素敵で。
でもじゃあ10月って、神社へ行っても神様いないの?ってことになるんだけど、
自分的にはそうは思っていません。
神在月という呼称は、出雲地域でわりと近世になって作られたもののようだし、
“出雲以外では神様が不在になる”ってのも、
中世以降に出雲大社の御師が全国に広めたのが由来で、根拠のない俗説。
(「師走」の語源などと同じで。)
そもそも、大国主命が国津神の代表みたいになってるけど、
天津神(という名の朝廷側) に滅ぼされた 国津神(という名の先住・在地豪族側) は、
出自も系統も違う大物が他にもいーっぱいいる。
皆が皆、大国主命の系統という訳ではない。
“恵比寿さんだけお留守番”ってのも、後付けだしね。
大国主命系統の国津神が年に一度出雲で供養される、もしくは封じられる
というのならば、多少わかる気もするけれど、
国津神ぜーんぶが集まる(さらには全天津神まで集まる)ってのは、正直、違うかなー。
なので、自分としては何月だろうと参拝に支障なし。
神さんが神社から居なくなっちゃうーなんて考えてたら、10月は参拝できませんがな・・(´-ω-`)
不在の神さんの代わりを、狛さんやら狐さんやらが務められるわけでもないしね。
眷属は眷属。神さんの代わりにはなれない。
所詮は、心(気持ち)の問題かなと思う。
神さんって、神社に常駐してたり降りてきたりと色々だけど、
基本は、人の心のなかに居るものだから、手を合わせればつながってくれる。
「あら今月は神無月ね~。出雲に神様が集まるのね~。素敵~」・・っていう、
ほわほわーっとしたもんでいいんだよ。
では、石段をのぼって拝殿へ。
その3へつづく・・。