雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

やっと星が見れた。(ラヴジョイ彗星1/18)

2015年01月19日 | 天体写真(月・惑星・彗星)
前回(1/13)は移動性高気圧が近くを通過したにもかかわらず全く星が見えず。
それなのに昨夜(1/18)は低気圧接近中なのに、今年初めて星を見る事ができました。
こんなんでやっと星を見ることができました。
この日の朝はあらたに10センチの降雪があったのですが午後には久しぶりに陽も差し、
まさかと思いながらも念のため裏口の除雪を済ませておきました。
夕方には西の空に金星が見えていたので、設営を開始。
金星の近くに水星も写っていました。(これが今年の初ショットになっちゃいました。)

何を撮るかは決まってました。
新月期ではあるのですが、この時期撮れても短時間との予想からラヴジョイ彗星だけでもと。
予想通り薄雲で覆われた空、それでも星が見えているので午後7時過ぎには撮影開始。
時々ガイド星を見失う空の下、いつ撤収となるかわからない中ひたすら撮影を繰り返す。
結局夜半前にどん曇りとなるのですが、その間際の1時間ほど雲の少ない時間帯がありました。
その時撮れた画像を処理したものです。

ラヴジョイ彗星 (C/2014 Q2)
下の2本の尾を拡大して見ると、更に2本に分かれて見えます。(画像処理の副作用じゃないと思うけど)
撮影DATA: 2015/ 1/ 18 21:59’~ canon NFD400mm F2.8(手製絞りF相当)
露出3分×27枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (気温+0.1~-0.9℃ 冷却 オフ) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 ORION SSAG ガイドスコープGS-60S PHD2 Guiding ステライメージ7

貴重な晴れ間がもったいないので、並行してコンパクト赤道儀での撮影も実施。
スバル付近を通過する ラヴジョイ彗星
高度が下がって撮影中に電線を何本も通過。そのため画像下部に変なカブリが発生。
それとこのカメラのフラット画像を作ってないためゴミで背景が汚れ放題となっています
2015/01/20 画像差し替え(フラット再処理)
撮影DATA: 2015/ 1/ 18 22:16’~ TAMRON Zoomf=17~50mm F2.8(f=50mm F3.5
露出1.5分×15枚コンポジット  ISO 1600 kiss DX (SEO-SP2) LPS-P2FIL ToastPro ステライメージ7

恒例の撮影中の画像 おりおんショットです。
ずっと薄雲に覆われた空だったのですが・・
午後10時頃から1時間ほど雲が切れてくれましたが、今度は電線が・・。

今回はヨンニッパレンズを使用しましたが、手製絞りはF3.2では前回の検証で
レンズの結露が発生しそうだったため、従来のF4用を使用しました。
(今回は湿度99%で2時間余りの使用で結露発生なし。)


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去年の初撮りは20日以降だったのでこんなものなのですが、
ブログ更新がこんなに空くのは始めてかも。
こちらの1月の夜間晴天日は平均1.6日なので、
今月もう1回くらいは撮りたいですね。
寒いけど

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ラブジョイで初撮りならず(アンラッキー!)

2015年01月14日 | 画像処理のはなし
昨夜は久々に移動性高気圧が西側を通過するため、GPV予報 も天気予報も
今年の初撮りを期待させるものでした。
昼間から撮影場所の除雪を行い夜に備えました。
薄明が終了したころには設営を終えたのですが・・
北極星をはじめ星が全く見えず 極軸設定もできません。

結局23時頃まで粘りに粘ったのですが最後まで星が見れず、撤収。
 に因んで、
予定していた 「今年の初撮りもラブジョイ彗星(ラッキー!)
というブログ記事タイトルは幻に終わりました。

もし星が見えたら話題のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)を3分露光で32枚ほど撮る予定でした。
なぜこんなに多数の枚数を撮ろうとしたかと言うと・・
星も彗星も流れていない画像を作成したいため。
実はこれを可能にするフリーソフトとして『eepkytacker』 があるのですが、
昨年の撮り納めで撮ったラヴジョイ彗星2分×16枚をD.S.Sで処理したもの
たしかに彗星も恒星も流れてないのですが、ノイズっぽい荒れた画像になってしまいます。
そこで昨年ステライメージを使って同じようなことができないか、やっているのですが。
 

この方法で処理してみると
彗星の移動方向に沿って恒星が薄い尾を引いたように見えています。
このステライメージを使った方法(仮にDSSもどきと呼ぶ)は
A.恒星を消去した画像
B.彗星を消去した画像
を作成して、加算平均または比較明で画像合成するのですが
焦点距離が短い、またはコンポジットする露光間隔が短いと、彗星核の移動量が少なくなって
ステライメージのσ(シグマ)クリッピングでも星がかすかに残ってしまいます。
上の画像は15枚の画像を5枚おきに(約11分間隔)3枚コンポジットしたものを5組コンポジット。
今回はより恒星が消去しやすいように、
3分露光32枚の画像を8枚おきに(約26分間隔)4枚コンポジットしたものを
8組コンポジットする予定でした。
彗星が流れて見えない範囲で露光時間を抑えるとなると、
結局枚数多く撮ってコンポジットする画像の時間間隔を空けるしかないという発想です。

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今朝は氷が張っていたところを見ると夜半過ぎには晴れたようです。
晴れても夜半過ぎには下弦の月が上ってくるので撤収を決断しました。
この天気は昼過ぎにはくずれ、ふたたび冬眠状態に戻ります。
DSSもどき」はあくまで画像処理のお遊びということで・・

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静止衛星はじゃまもの?(こたつで天体写真)

2015年01月12日 | 天体写真よろず話
わたしも毎日尾が変化しているというラヴジョイ彗星を撮ってみたいのですが、
今年に入ってからまだ星の見える夜がありません。
前回の調査では、わが雪国越後の上越市1月の夜間晴天日は平均1.6日。
新月期のころに一晩でも晴れてくれることを期待したいと思います。

モチベーション維持のため昨年1月に撮った画像を見直していたところ、
こんな画像が・・
( 画像クリックで拡大表示 )
撮影DATAは  を参照。
これは昨年1月23日に撮ったおなじみのオリオン大星雲なのですが、
拡大してみると星雲の下部に数本の衛星の光跡が写っています。
オリオン大星雲にほれ込んだ人にとっては、邪魔者扱いの静止衛星のようなのですが・・
上の画像は露光時間のちがう画像を45枚も重ね合わせているため衛星は目立っていません 。
衛星の写っている画像をピックアップしてみると
 
・・・30秒露光の画像5枚を重ねたものです。(露光経過時間 3分30秒)
・・・120秒露光の1枚画像です。
衛星の光跡はいずれも右から左(西から東)に移動しています。

果たしてこれは静止衛星なのか
わたしに判断できるレベルでチェックしてみました。

★ 静止衛星は赤道上空の軌道を回っている
背景の星を手掛かりに衛星の光跡をステラナビゲータに記載してみました。
ステラナビゲーターの表示形式は地平座標では無く、赤道座標にしてあります。( 座標の数値は赤経、赤緯 )
● 衛星は天の赤道に平行して移動している。
● 星を自動追尾して撮影しているため、衛星は逆に西から東に移動している。

★ 静止衛星は地球の自転に合わせて回転している
背景の星の位置を手掛かりに、ステラナビゲーターで衛星画像の長さを赤経位置の差から読み取ってみました。
 05h36m18s(終点)-05h32m48s(始点)=03m30s ← 露光経過時間 3分30秒
 05h35m14s(終点)-05h33m17s(始点)=01m57s ← 露光時間 2分00秒
読み取り誤差を含んでいますが、ほぼ露光時間相当分の赤経位置の変化があるという事は
衛星の光跡は日周運動による星の動きを追いかけたため発生したものであり、
衛星自体は静止に近い状態と思われます。

ここで、素朴な疑問が・・
☆ なぜ衛星の光跡は赤緯0度の天の赤道上ではないのか?
これについては下のような簡単な作図で納得できました。
図は簡略化したもので実際の衛星の高度はもっと高く、地球の半径の約6倍離れています。
静止衛星の軌道は赤道上空、高度も地球の引力と衛星が廻る遠心力との机上計算で求められています。

すでに判明しているこれらの数値を使って、わが上越市から静止衛星が見える赤緯(図中のδ)を求めてみます。

直角三角形△abcにおいて
線分ab= R × SinΦ =6378 km ×Sin 37°8’10”=3850.5km

線分bd= R-(R × CosΦ) =6378 km - 5084.6 km=1293.4km

tanδ= 線分ab ÷ ( H + 線分bd )

数値を代入して
tanδ= 3850.5km ÷ ( 35786km + 1293.4km )= 0.1038
δ=tan‐1 0.1038 = 5°55’
はるか彼方にある赤道上の星の位置より南側 つまり 赤緯 = -5°55’ 付近に見える事になる。

実際に撮影した画像から衛星の赤緯を読みとると
-5°53’
-5°49’
当たらずとも遠からずといったところでしょうか。

それより静止衛星の軌道は赤道上空の高度6378 kmと決まっているのに、
なぜの衛星の見える緯度がずれているのでしょう?
静止衛星を検索で調べて見ると、衛星に働くさまざまな力から次第に軌道がずれ
軌道修正を随時行っているとの事です。
ただ軌道修正は限られた燃料を消費するため、ずれが許容範囲に近づくころまで控えていると思われます。
BS放送用の衛星なら、ずれにより放送電波のレベルが多少下がっても
実用上問題のないレベル低下なら修正は先延ばしできます。
燃料の枯渇は衛星の寿命に直結するものですから。
また静止衛星の寿命がつきると、じゃまになるため軌道から離脱させるそうですが、
その場合南北方向に最大で15°までずれて漂う事になるそうです。
もしかすると、赤道付近で写る衛星は寿命の尽きた静止衛星も多いのかも・・

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今回の記事を書いていたら、一度静止衛星を固定撮影で
星のような明るい点像で撮ってみたくなりました。
ただ静止衛星の位置がわからないばかりか、
地平座標がわかっても赤道儀ではどうやって導入したらいいか・・

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もっと大きく そして もっと光を。(今年のテーマ)

2015年01月09日 | 天体写真よろず話

年が明けて、はや十日近くになるのですが、写真撮影の方は冬眠状態が続いています。
雪国につき、いつもの事ではあるのですが気持ちまで冬眠しないよう
今年の目標を考えてみました。

もっと大きく
まずはなんといっても昨年9月に購入した長焦点のVC200Lの成果を出す事。
それには1800㎜という焦点距離に耐えうるガイド精度の向上が課題となります。
またF9と暗くなる事から、R200SS(f800mmF4)の5倍もの露光量が必要となります。
必然的に もっと光を

冬から春にかけてVC200Lで挑戦したい対象です。
( 緑色の枠線がVC200Lの写野になります )
画像内の記載は背景画像の撮影DATAです。 記載のないものは ISO1600
目標 総露光量: 15分×10枚×2夜 (計 300分)

目標 総露光量: 15分×12枚 (計 180分)

目標 総露光量: 15分×10枚×2夜 (計 300分)
構図的にはレデューサー付き(合成f1278㎜)の方が良さそうです。

目標 総露光量: 20分×10枚 (計 200分)

目標 総露光量: 20分×12枚 ×2夜 (計 480分)

目標 総露光量: 20分×6枚 ×2夜 (計 240分)

目標 総露光量: 20分×12枚 ×2夜 (計 480分)

目標 総露光量: 20分×12枚 ×2夜 (計 480分)

目標 総露光量: 20分×6枚 ×2夜 (計 240分)

目標 総露光量: 20分×12枚 ×2夜 (計 480分)

>
目標 総露光量: 20分×12枚 ×2夜 (計 480分)

目標 総露光量: 20分×12枚 ×2夜 (計 480分)


VC200Lの能力を最も発揮できるはずの春の銀河シーズンに向けて
欲張ってピックアップしましたが、実際に撮影できるのはこのうちの一部になるでしょう。
もともとがクローズアップに向いている明るい対象は限られており、
多くはR200SSやVC200Lにレデューサーで撮る機会の方が多くなるでしょう。

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実際にVC200Lをレデューサーなしで使うのは大変です。
ガイド精度の問題だけでなく、運が悪いと導入すらできないかも。
それにしてももう少し晴れてくれれば、
下手な鉄砲も数打ちゃあたる事も期待できるかも知れないのですが・・

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星を撮るならどこに住む?『全国夜間晴天日数調査』

2015年01月05日 | 天体写真よろず話
やっとおとそ気分が抜けてきたのですが、当分撮影の方はできそうもないので
こたつの中でできる事をやってみました。
雪国に住む者のひがみから始まった『全国夜間晴天日数調査』。
今回は2014年までのデーターを加えて報告します。
調査方法は昨年の記事
を参照願います。

まずは 昨年2014夜間晴天日数 の調査結果です。
特に8月が例年に比べてほとんど晴れない所が多かったようです。

グラフをクリックすると過去10年間(新潟・長野は14年間)の平均が表示されます。














さて、この調査を始めた私の居住地である雪国越後の上越市の天気ですが、
gooにはありませんでしたので、地理的に新潟市と富山市の中間として算出しています。
8月は例年の半分、それでも4夜となっていますが実際に撮影できたのは1日だけ。
天気区分では「晴れ」でも月明かりもあり、撮影に向いている日は更に限られるようです。

これまでの10年間(新潟・富山・長野は14年間)の平均で比較してみました。

調査した中では
年間で最も夜間晴天日数が多いのは・・宮崎 116.
年間で最も夜間晴天日数が少ないのは・・秋田 47.
同じ日本なのに倍以上の開きがあります。
最も夜間晴天日数が多い月と都市は・・1月 東京 15.
最も夜間晴天日数が少ない月と都市は・・1月 秋田 0.
まるで昼と夜ほどの違いがあります。

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雪国に住むものとしては、冬の鉛色の空が恨めしいのですが、
都会は都会で、いくら晴れても光害で結局遠征に出かけなければ・・
なかなかうまくいかないですね。
今夜は晴れるかもしれませんが、丸い月でお休みします。

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グラフ作成の元となった、都市別・年別の調査結果を参考に掲載します。
年別の変化を調べると温暖化による天候の変化もわかるかも知れません。
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