雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

たまには木星でも、いじってみっか。

2012年12月23日 | 天体写真(月・惑星・彗星)
だれかが画像を投稿してくれるのを待っているだけ、というのもわびしいし、
かといってこの季節撮影できる夜が来るのは奇跡にちかいし。
「なにかないかなあ?」と考えて思い出しました。
先月 の撮影を行ったとき、他にもなにか撮ったような・・・?
そうだ!シーングが悪くて月が悲惨な結果だったんで忘れていたけど、
確か木星を撮っていたはず

考えてみれば、天体写真に再チャレンジして5年も経ったのに
まともな木星の写真を撮っていません。
調べてみたら最初に撮ったのが、2008年8月11日。
使った鏡筒はタカハシ90mmセミアポで、ほぼ30年ぶりに
木星の撮影で現役復帰した事になります。・・・・・・[元画像サイズ 3888×2592ピクセル 木星長辺 200ピクセル]

2008/08/11 21h30m頃 タカハシ90mmセミアポ(f=1200mm) Or9mm接眼鏡 1/4sec ×3枚(加算)ISO400 kissDX

    StellaNavigator/AstroArts Inc.

木星の撮影に縁遠いのにはわけがあります。
 ○天候に恵まれないため、もし晴れたなら星雲・銀河を撮影する。
 ○もし月が出ていて空が明るければ、仕方なく月を撮影する事もある。
 ○月を撮ったあとに、たまたま木星が近くにあればついでに撮影する事もある。
なぜ積極的に木星の写真を撮ろうとしないかと言うと、
たかが20~30分で撮り終えてしまうもののために、
 重い機材を時間をかけて設営・撤収するのはイヤッ

というのが本音です。

ただ最近の、動画を活用した惑星写真の画質の向上には目を見張るものがあります。
そこで、一度くらいは試してみる必要があるという事で撮ってみました。
・・・・・・・・[元画像サイズ 853×480ピクセル 木星長辺 320ピクセル]

木星 2010/09/05 R200SS+NLV9mm SONY HDR-CX170 60sec RegiStax


土星 2012/06/14 R200SS+NLV9mm SONY HDR-CX170 3500フレーム RegiStax
・・・・*いずれも惑星動画処理の定番ソフトRegiStaxの使い方もよくわからなかったのですが、
・・・・・・シーィングの良さにも助けられ、以前の画像より各段に解像度が上がっています。


そんなわたしが、先月22日に木星を撮影したのは、
上に記した「縁遠いわけ」の3番目にあたるのですが、
他にも理由がありました。
それはあらたな動画記録用ツール『 EOS Camera Movie Record 』を
使った惑星動画撮影の検証です。
EOS CMR(Camera Movie recordの略)は、CanonEOSカメラの
ライブビュー画像データを、直接パソコンに動画として記録できるフリーソフトです。
パソコン上でライブビュー画面を確認できるのは無論の事、シャッター速度や、ISO感度
も遠隔で設定できます。
更に惑星写真に有効と思われるのが「×5クロップ」で、縦・横とも1/5のサイズの
エリアだけを記録するというものです。(画素数でいうと1/25)
これにより、無理な拡大をしなくても画素を有効に使え、かつ保存容量を少なくできる
メリットがあります。
(1)記録された動画画像サンプル・・・・・・[元画像サイズ 848×568ピクセル 木星長辺 81ピクセル]

木星 2012/11/22 21h30m頃 R200SS+EXT+EF1.4X(合成f=2100mm) EOS CMR 1/20sec ISO400 kissX2 RegiStax5

(2)RegiStax5でフレーム合成後の画像 (約800フレーム)


(3)RegiStax5でWavelet処理後の画像    (右側の光点は衛星イオ)

 (RegiStax5 Wavelet処理画面)



<検証結果>
 (1)シーイングが悪かったので拡大率を抑えた結果、「×5クロップ」を
・・・・使っても、木星画像が小さすぎて画素が有効に使われていない。
・・・・(9/5のビデオ撮影の1/16の画素数しか、木星画像に使われていない。)
・・・・次回は、もっと拡大できる構成での撮影を検討。
 (2)木星画像の画素数が少ない事、シーングが悪かった事を考えると
・・・・EOS CMRでの惑星撮影の潜在能力はおおいに期待できる。

参考
 ○RegiStax6が最新バージョンだが、一部dll(core210.dll)がダウンロードできなかった
  ため、手持ちのVer5で処理をおこないました。
 ○RegiStax5の操作方法は、 を参考にしました。
 ○RegiStaxで処理ができるようにするためには、AVI形式のファイルでなければなりません。
  そのため、わたしは以下の前処理を行っています。(クリックで各ダウンロードページへ)
・・・・・・・・EOS CMR」 で得られた動画DATA
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・QT Converter」 でフアイル変換 (* RegiStackの場合は不要 AviStack使用時に必要 ) 
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・Virtual DubMod」 でAVIフアイルに変換
 
==========================================
めずらしく惑星画像についてのブログ記事ですが、
すばらしい画像を見せるわけでも無く、
かといって画像処理手順をくわしく書くわけでも無く、
中途半端で申し訳ありません。
ただ、惑星の撮影についても手の届く位置にある事は
確認できました。
来年の春・夏の良シーングの時期がきたら挑戦してみます。

みんなで作る 「みんなの宇宙(そら)」写真館。
コンテストでは無く、展覧会 です。
応募お待ちしています。

ただ今「みんなの宇宙(そら)」写真館オープン展示中!
ブログランキング参加しています。
にほんブログ村 写真ブログ 天体写真へ
にほんブログ村

==========================================








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

5年前のそら 2007.10(1)

2012年12月21日 | 5年前のそら

これまでの記事

初めての撮影は近くのゲートボール場
 □2007.10. 5(金)
  3連休で帰省した初日、早速TST撮影の機会が訪れた。
 家に着くと雲があるものの、それなりに星が見える。
 夕食後、雲が増えてきたのであわてて近くのゲートボール場に車で移動。
 雲で中段するまでカメラ三脚で数枚、初の固定撮影となった。
  (残念ながら、初ショットの画像は見つかりませんでした。)
  ・使用機材・・・EOS KissDX + TAMRON Zoom 17-50mmF2.8 +カメラ三脚
  ・撮影方法Zoomレンズ広角側(f=17mm)で固定撮影
  JPEG ノイズキャンセル"する" 露出時間30Sec・1分・2分 ISO:400or800
 TST撮影でわかった事
  ○固定撮影で星の流れ(日周運動)が許容できる露光時間は?
    f=17mmでも 30Sec程度まで (北極に近ければもう少し長くてもOK )
  ○光害の影響が許容できる露光時間は?
    ISO800でF2.8開放なら 30Sec~Max90sec程度まで
    (東側は高速道道路ICの照明で光害がひどく、上ってくるものを狙うのはきびしい!)
  ○ノイズについては、ISO800でも気にならない。
  予想以上に鋭い星像をむすぶため、
   広角側では星像が小さく、プリント時のインパクトが弱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  (対策)写す対象をえらび、長めの焦点距離で撮影する星の流れが目立つ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(対策)固定撮影では無く、ガイド撮影が必要!
 つまり、絵になる写真を撮りたければ ガイド撮影しかない!
 というのが、早くも最初の撮影で得た結論でした。
 (注)現在では更にデジタルカメラの高感度化が進み、ソフトフィルタを併用して
  固定撮影でも、すばらしい星景写真を撮られている方が大勢おられます。


 □2007.10. 6(土)
  昨夜につづき、透明度3.5/5 の星空。
 すでにビールを飲んでいたため、自宅横でガイド撮影の検証を行う。
 (そうなんです。昔90S赤道儀を買った時に、HD-2型モタードライブも購入していたのです。)

ガイド撮影の検証でわかった事
  ○アバウトな極軸設定でノータッチガイドでも、
   Zoomレンズ最長のf=50mm3分露光で、星のブレは認められない。
  Zoomレンズに問題 発見!
左上部に向けて星像がながれている!
・・・・・・・・・・・・・・・プリントしか残っていませんでした。 (注)記載の”自動ガイド”とはノータッチガイドのこと
絞り開放ではなく、F3.5に絞っても左上に向かって放射状の
流れが目立つ。
ちょうどレンズの中心が右下にあるかのよう。
もしかしてこれって、レンズ組み込み時の芯がズレているのでは?

この先は 「5年まえのそら 2007.10(2)」へ つづく

==========================================
久しぶりの「5年まえのそら」です。
シリーズの掲載をさぼったため、まだ2ケ月ほど
”五年前の今”とのタイムラグが解消されていません。

みんなで作る 「みんなの宇宙(そら)」写真館。
コンテストでは無く、展覧会 です。
応募お待ちしています。

ただ今「みんなの宇宙(そら)」写真館オープン展示中!
ブログランキング参加しています。
にほんブログ村 写真ブログ 天体写真へ
にほんブログ村

==========================================



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もっとオリオン! 1月には赤いバラ。

2012年12月20日 | みんなの宇宙(そら)
ただ今 「みんなの宇宙(そら)」写真館 オープン記念展示中
     

念願だった ”みんなでつくる写真館” をオープンすることができました。

事前の募集で熱が入りすぎたため、すっかりハイレベルのコンテスト
との印象を与えてしまった中で、
オープンのため応募していただいた、”おりおん”さんや、
同じ越後の雲の下で写真を撮っておられる仲間のみなさんに感謝です。

最初は、オープンにはできるだけ多くの人の参加で華やかにという
気持ちがあったのですが、待っているより まずオープン!  という
気持ちになりました。
 オープンでの参加は少なかったけど、展示を続けることで
ひとりずつでも増えていけばいいなと思っています。

そんな訳で
もっとオリオン!
見かけの大きさ、明るさ、カメラ改造しなくてもカラフルに写す
ことができる天体写真の定番をオープン記念の展示テーマとしました。
第1回の展示中ですが、まだまだ
 ・星景写真でのオリオン座と星雲 
 ・改造なしカメラでのOrion星雲
 ・星雲中心部(トラペジウム)のクローズアップ
   ・・・・など、ちがった姿が見れるはずです。
応募の締め切りはありませんので、あなたのオリオン星雲を
見せてください。
何枚か集まった時点でその都度、展示いたします。

1月には赤いバラ。
年が明けた1月にはこれまで「今夜のターゲット!」に登場した
ばら星雲』(いっかくじゅう座)で、新年を祝いたいと思います。
デジ一眼ではフィルタ改造していないと厳しいと思いますが、
みなさんの写真で、いろんなバラを咲かせてください。

ほかにも 募集しています。
 ○NGC1300銀河(エリダヌス座)
 ◎カリフォルニア星雲(ペルセウス座)
 ●M45プレアデス星団(おうし座)
 ◎M1かに星雲(おうし座)
 ○ペルセウス座銀河団(ペルセウス座)
 ○魔女の横顔星雲(エリダヌス座)
 ◎まがたま星雲(ぎょしゃ座)

かなり撮影がむずかしい対象もありますが、
ベテランの方の応募も期待いたします。
各撮影対象のガイド星図などのデータは以下を参照ねがいます。




また応募方法はこちらをごらんください。


来年の展示対象も含め、募集を開始します。
こちら越後ではすでにぶ厚い雪雲におおわれ、撮影が絶望的です!
からだと時間をもてあましておりますので、
深夜を除きいつでも受け付けいたしております。


==========================================
みんなで作る 「みんなの宇宙(そら)」写真館。
コンテストでは無く、展覧会 です。
応募お待ちしています。

ただ今「みんなの宇宙(そら)」写真館の発展にむけ奮闘中!
是非、作品応募と、1クリックで応援を。
にほんブログ村 写真ブログ 天体写真へ
にほんブログ村

==========================================


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「みんなの宇宙(そら)」写真館オープン!

2012年12月18日 | みんなの宇宙(そら)

< 星好きの仲間たちでつくる写真館 オープンです >

オープン記念の今回は「今夜のターゲット」(12月分)の中から、
もっとも有名な「オリオン大星雲」の特集(第1回)です。


投稿画像の部(撮影画像を送っていただいた方のコーナーです)
クリック画像拡大できます。

 

 

 

 

 

 


ブログ参加の部(自ブログの画像で参加された方のコーナー)
クリック画像掲載ブログ記事にリンクします。

 

 

 

 

 



==============================================================
みんなの宇宙(そら)」写真館の作品募集にあたって、
写真集『FAR OUT』のイメージを目指すなどと書いたもので、
すっかり”しきい”を高くしてしまった事を反省しています。

始めてまもない人・ベテランの人、
星景写真の人・遠方銀河専門の人、
カメラレンズの人・大口径反射鏡筒の人、
いろんなスキルの人が、いろんな機材で同じ天体の撮影に挑戦する。
撮影対象は数万年たってもほとんど変わらない姿かも知れませんが、
撮れた写真は実にさまざまな筈です。
そんな写真をいつでもお待ちしています。

12月いっぱいは「オリオン大星雲」募集しています。
枚数が集まりましたら、その都度展示を行います。

みんなで作る 「みんなの宇宙(そら)」写真館。
コンテストでは無く、展覧会 です。
応募お待ちしています。

ただ今「みんなの宇宙(そら)」写真館の運営に奮闘中!
是非、作品応募と、1クリックで応援を。
にほんブログ村 写真ブログ 天体写真へ
にほんブログ村

==============================================================







コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

比較明合成もやってみました。

2012年12月17日 | 天体写真(流星群・星野写真)
前の記事「流星群は脇役?」で、あえて流星群写真の定番の
比較明”合成を、画質の向上が期待できないとの理由で拒否し、
睡眠不足なのに2日もかけて難解な合成方法を模索しました。
体調が回復した今、冷静な頭で考えると
 (1).流星の写真の画像処理は今回が初めて。
 (2)."比較明”合成で画質の低下は机上での推測。
 (3).前回記事での合成方法は客観性が損なわれる。
という反省から、”比較明”合成も試してみる事にしました。
・・・・・・・・・・2012/12/14 00h56m以降の流星の写っている画像6枚を”比較明”合成
画質は確かに暗い星雲を浮かび上がらせるという点では、
前回の合成方法には及びませんが、思ったほどザラつくわけでもなく、
十分実用に耐える画質です。(画質低下は、思い込みだったようです。)
残念ながら、拡大しても35%縮小の画像ではかすかな流星は
確認できませんので原寸大のものを左から順に表示します。


今回の流星画像は明らかな露光不足で、これは冬の星座たちの画質を
を落とさないため、使用レンズF2.8の開放では無く、F4.0に絞りこんだためです。
瞬間的に流れる流星を明るく写すには、露光時間ではなく、
明るい絞りと高いISO感度の設定がポイントとなります。
次回、機会があれば流星にポイントを置いた撮影にチャレンジして
みたいと思います。
今回はほぼ1ヶ月ぶりに訪れた撮影の機会だったため、
他にも何ショットか撮影しました。
そのうちの、シリウス周辺を撮ったもの

2012/12/14 02h54~ 3分×6枚 TAMRON 17-50mmF2.8(f=45mm F4.0) EOSKissDX(FIL改)
氷点下の冷え込みで、レンズ表面についた氷の皮膜で、シリウスにフレアが
発生しています。
他にも、オリオン座を中心に広角で撮った2分×32枚画像があったため、
『魔女の横顔星雲』が画像処理で浮かび上がるかどうかやってみたのですが、
無理でした。
原因は、かなり暗い星雲のようで露光2分は短すぎ、広角f=17mmでは解像不足
といったところです。
次回、晴れる事があれば最優先で挑戦してみたい星雲です。

==============================================================
みんなで作る 「みんなの宇宙(そら)」写真館。
コンテストでは無く、展覧会 です。
応募お待ちしています。
ただ今「みんなの宇宙(そら)」写真館オープンに向け奮闘中!
是非、作品応募と、励ましの1クリックを。
にほんブログ村 写真ブログ 天体写真へ
にほんブログ村

==============================================================



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ランキング参加してます

にほんブログ村 写真ブログ 天体写真へ
にほんブログ村

応援(クリック)してね


天体写真 ブログランキングへ