雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

すばる望遠鏡に挑戦(講演会資料その3)

2014年08月22日 | 天体写真よろず話
大きな土砂災害が起きるようなこの夏の異常な天候。
いまだ長期予報でも星の写真が撮れるような気配が感じられません。
そこで今回も先日15日夜の講演会模様の続報となります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それでは次は 「すばる望遠鏡に挑戦」・・  無謀なタイトルを付けたものです。

これはわたしの現在の主力の望遠鏡で撮影中のところです。
良くみると薄い雲がある中での撮影であることがわかります。
このようにうす雲や、モヤっぽい中での撮影も多いです。
(贅沢を言っていると、年に何日も撮れない事になります。)

私が使っている望遠鏡はビクセンというメーカの口径20cmのニュートン式反射望遠鏡です。
底にある放物面鏡で光を反射し、小さな45度の平面鏡でまげて筒の横から・・(略)
ふるさと館の65㎝反射はカセグレン方式で・・(略)
さてわたしのこの機材で挑戦するのは・・
ハワイ島マウナ・ケア山頂にある、日本がほこる
( 下から上にパンニング )
すばる望遠鏡、口径8.2 M
一般的には端数をきりすてて口径8Mといわれますが、
切り捨てられた端数の0.2mがわたしの望遠鏡の口径になります。

最初に比較するのは・・

天の川銀河内の超新星残骸 「おうし座のかに星雲」です。
今から千年ほど前(1054年)に爆発。
あまりの明るさで、数週間昼間でも見えたと、中国・日本に記録が残っているそうです。
現在も秒速150kmで広がっています。

これはすばるの画像と比較のため、わたしの画像をサイズを合わせて切り取ったものです。
それではすばる望遠鏡の画像です。
当たり前ですけど、明らかにちがいます。
もういちどわたしの撮ったものをお見せしますが、周囲の明るい星の位置を見ていてもらうと、
同じ範囲を写していることがおわかりいただけると思います。
(タイトルでは”挑戦“となっていましたが、本気ですばるに挑もうと考えていた訳ではありません。)
すばる画像を拡大すると爆発した星の残骸が見えてきます。(この星です。)
 爆発時の衝撃でわずか直径10kmまで圧縮されているのですが、それでも太陽より重い(中性子)星!
1秒間に30回転して、その周期で光や電波を変化させているため、カニパルサーとよばれています。

次はわたしたちの天の川銀河の外にある、おとなりの銀河です。
さんかく座のM33銀河は、アンドロメダ銀河とともに
わたしたちの天の川銀河とグループをつくっているそうです。

これはわたしの撮ったもの
こちらがすばる望遠鏡が撮ったもの
ところどころ赤く見えるのは、干潟星雲と同じ散光星雲ですが
銀河のサイズに比べるとケタ違いに巨大な星雲だそうです。
星雲内部では星が生まれています。
拡大するとたぶん元画像では星にまで分解して見えると思います。

こんどはさきほどのM33銀河の10倍ほども遠い銀河になります。
右下に見えているのは、天の川銀河内の若い星のあつまりで、散開星団と呼ばれています。(NGC6939)
今回比較するのは・・
風車のようなダイナミックな腕を持つ銀河、NGC6946です。
NGCというのは、ニュー・ジェネラル・カタログの略称で、19世紀末に作られた
全部で7840個の星雲、星団や銀河などの天体が載っている天体カタログです。

さすがにここまで遠方の銀河になると暗く小さいため、わたしの小さな望遠鏡ではきびしくなります。
目いっぱい拡大しています。
これはすばる望遠鏡の画像の中でも、わたしがもっともお気に入りのものです。
形・色合とも大望遠鏡の能力をいかんなく発揮しています。

( 画面はPowerPoint2013の画面切り替え機能の”折り紙”を使ったものです。)
まだまだ比較するだけならいろいろあるのですが・・
ちがいは明らかなのは十分おわかりいただけたかと思います。
でも小さい割には、わたしの望遠鏡も頑張っていたと思うのですが・・ どうでしょうか?

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明日あさってと地元の祭り『謙信公祭』が行われます。
去年謙信公役のGACKTさんの写真を載せたところ、
ファンの皆さんからの驚異的なブログアクセスがありました。
撮影場所などラッキーだった事もあったのですが、
今年も期待されているかと思うとすごいプレッシャーを感じております。

縁側の大輪の朝顔も咲きだしました。

雲上くもがみ
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9 コメント

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去年はラッキー? (雲上(くもがみ))
2014-08-23 08:19:26
さすけさん 去年の写真は自分でも良く撮れたなぁと思っています。
見物人の中のガクトさんというのは難しくないのですが・・。
運もあったので今年はそうはいかないような気がします。
返信する
ガクト 写真 (さすけ)
2014-08-22 22:18:39
プレッシャーで心臓がとまりそうな
去年の実績写真ですね。
こりゃうまく撮れてる(^。^)。
http://urx.nu/bfx8
返信する
すばるの水先案内になれれば (雲上(くもがみ))
2014-08-22 22:12:21
さすけさんのおかげです。
でもマイナーな天体写真ジャンルのランキングは毎日5、6人のポチッがあると1位になれる可能性があります。
でもなかなか押してもらえない。(笑)

すばるに挑戦は無理でも、すばるやハッブル宇宙望遠鏡の水先案内になれる写真が撮れればと思っています。
返信する
Unknown (雲上(くもがみ))
2014-08-22 22:02:30
おりおんさん パスポートが切れていたのと、国立天文台の許可がおりなかったので
得意の画像処理で済ませました。(笑)
この対比画像はあまりの大きさの違いで結構うけました。

今年もGACKTさんが来るので、もう去年の記事へのアクセスがあるんです。
本当にすごいプレシャーなんですよ。
返信する
講演のサビ部分 (さすけ)
2014-08-22 20:56:06
「すばる望遠鏡に挑戦」は、
この講演のサビだと私は思っています。
すばらしい構成だと思います。

テナーさんがおっしゃるように、雲上さんのクオリティの高さもあるんですね、なるほど(^。^)。
返信する
Unknown (おりおん)
2014-08-22 18:41:31
すばる望遠鏡と雲上さんの機材の対比画像、楽しいですねー。
すばるの前に設置してくるのは大変だったでしょうね(笑)
でもほんと、8.2mと20cmですか。
そう考えると、雲上さんの画像の素晴らしさを改めて感じますね。

今年もGACKTさん、来るんですね。
気合い入れて撮らないといけませんね。
返信する
やった1位 (さすけ)
2014-08-22 18:03:29
http://photo.blogmura.com/p_star/
18:02現在です。
返信する
ほどほどのR200SS (雲上(くもがみ))
2014-08-22 14:32:23
テナーさん こんにちは
R200SSは斜鏡スパイダーが一体成型で太かったり、F4と単焦点のため
ガイドブックなどでは星像もほどほどという評価のようです。
ましてわたしの場合は光軸調整も主鏡洗浄もしない訳で、
結局枚数多く撮影・コンポジットして、あとは画像処理でほどほどにきれいに見せるといったところでしょうか。
返信する
頑張る雲上さんとR200SS (テナー)
2014-08-22 12:37:40
こんにちは
講演会その3 楽しく拝見させて頂きました。
すばるとR200SSとの比較写真、すばるは兎も角雲上さんのクオリティの
高さはどこから来ているのでしょう。
同じ鏡筒を使いながら恥ずかしい画像ばかり量産。
雲上さんのブログを最初から読み直しヒントを探してみます。
返信する

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