伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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ブルーオーシャン戦略

2014-06-29 22:35:23 | 行政経営

ブルーオーシャン戦略

これは、フランスの欧州経営大学院のW・チャン・キム教授と
レネ・モボルニュ教授が提唱した経営戦略論。

ウイキでは次のように解説しています。
競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン」
(血で血を洗う競争の激しい海)と呼び、
競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン」
(青い海、競合相手のいない領域)
を切り開くべきだと説いています。

どこでもあるような製品を
作って売る場合、製品に何の特徴もなければ
値段を、より安くする競争に陥ってしまいます。

製造費用のコストをカットしたり、
自社の儲け幅を削ったり。
まさに、身を削るレッドオーシャン。

より安く作るために、
より大量に原材料をしいれ、
同じものを大量に作る競争では、
値段以外の差別化が生まれません。



(平和な海 ブルーオーシャン)

レッドオーシャンと対極にあるのが
平和な海「ブルーオーシャン」。

世の中に存在しなかった全く新しい
製品や生活を提案する事で、
自分以外に競争相手がいない独占市場。
儲けは大きいのです。

例えば、シャネル。
ブランドとして認識されれば、高い値段でも
ファンはその製品を喜んで買います。

例えば任天堂のWii。
家族で一緒に楽しめるテレビゲームと言う
それまで世の中に存在しなかった製品を
作り出し、世界中で大ヒット。



(自治体のレッドオーシャン)

実は「レッドオーシャン」を読んで、
思い出したのは自治体の政策です。

かつて群馬県内では、
各市で市長選挙が行われるたびに、
「子どもの医療費無料化」の年齢が
競い合うように引き上げられました。

子どもの医療費が無料になるのは、
結構なことですが、問題はその財源。
だれが負担するのかということです。

限りある税収の中で、財政規律を守って
自治体経営して行かなければなりませんので、
無制限な無料化競争は不毛です。

他の政策より優先しなければならない理由、必然性、
効果などをしっかりと分析した上で実施しなければ、
隣の市が上げたから、うちの市はもっと上げる、
という競争になってしまいます。

自分の貴重な財源を削って競争している姿は、
まるでレッドーシャンのようです。

多くの自治体で工業団地を造成し
企業の誘致を目指しています。
その際出しているのは補助金。

わが町へ進出してくれれば
工場建設に補助金を出します。
あちらが5千万円なら、うちは8千万円、
うちは1億円出します。
というような競争になりがちです。

企業にしてみれば、広さや交通の便などが
大差ないならば、補助金の多さは、決定要因になるでしょう。

しかし、この誘致のための補助金も
財源は市民の税金。限りがあります。
出すほうの立場からすれば、多ければ多いほど良い
というわけには行きません。
このような状況もレッドオーシャンです。

自治体は、レッドオーシャンで消耗するのではなく、
ブルーオーシャンで悠々泳げるような
戦略、ビジョンを持ちたいものです。



(予算のメリハリ)

その街独自の魅力をいかに見つけ
創造し、磨きこんでいくか。
他の自治体が、まねできないほどになれば、
自治体の「ブランド力」になります。

自治体の仕事は非常に幅が広い。
教育、福祉、医療、消防、公共工事、水道などなど、

どの分野も一定レベルの対応をした上で、
「わが町は何に力を入れているのか」が
はっきり分かるような予算編成が必要です。

その取り組みを続ける事で、
あの街は「子育て」に力を入れている、とか
「高齢者福祉」に力を入れている
という認識・ブランドが作られていくのだと思います。



P.S.
ブルーオーシャン戦略の限界については、
別の機会に触れたいと思います。



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