伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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あなた方が公務員でいる間に、年功序列も終身雇用も崩壊する

2019-04-15 17:14:24 | 行政経営
タイトルの言葉は、生駒市長の小柴雅史さんの言葉。

昨年10月に著された「『公務員の未来』予想図」の中で、
小柴さんはこう書いています。

 「あなた方が公務員でいる間に、年功序列はもちろん、
  終身雇用も完全に崩壊する」生駒市の職員採用説明会で、
  私は最初に受験生にこう伝えます。
  公務員を目指す受験生は、公務員をやめてもやっていける人材に
  なる覚悟を求められる時代なのです。

小柴さんは現役の市長として、
どようように公務員の未来を予想しているのか、
本の中からご紹介します。
とても有益なので、詳しくは本書をご確認ください。



(公務員の終身雇用が必ず崩壊する理由)

理由1 多くの公務員を雇用できない財政状況になる
理由2 AI、IT、外部委託などで公務員がやる業務が減少
理由3 急激な社会変化や専門的に対応するには、
    プロジェクトごとに外部人材を登用する必要がある。
    新卒から40年近く全員雇用していては対応できない。

※小柴氏は今後15年を目途に崩壊すると見ています



(年功序列はもっと早く見直される)

・終身雇用よりも先に見直される
・法令の執行や国の指示を大過なくこなす時代は終わった。
・地域の課題を独自に解決していく必要がある。
・前例踏襲のベテラン職員の知見は役に立たない
・むしろ若い感性のほうが効果的に取り組む



(公務員試験はなくなる)

・生駒市は公務員試験を廃止して、SPI3を使い
 面接重視の採用。
・試験時期を全国で一番早くした結果、
 志望する学生は毎年千人以上で、
 倍率は全国トップで優秀な人材が集まっている。
・公務員試験を廃止した自治体は2017年で180に増えている。
・公務員にも民間企業にも関心がある受験生が、
 公務員試験対策に膨大な時間がかかるというだけの理由で
 公務員受験をあきらめている現状はあまりにももったいない。



(0から1を生み出す「始動力」を発揮しよう!)

・これからの時代、決められた方針に沿って、
 1を100にする力は、ITやAIに取って代わられる。
・リーダーシップは「始動力」
・始動力を身につけるには、街に飛び出し、課題やニーズをつかめ



(多田コメント)

生駒市長の小柴氏のご意見は、目からウロコでした。
「行政改革」や「人材育成」の肝は、まさに「人」です。

極端なことを言えば、ダメな人材に、
いくら研修や指導をしても、だめでしょう。

良い人材を職員として採用するために
各自治体は、法律を中心とした「公務員試験」を行い、
1次試験を通った受験生に、
面接などの2次試験を行っているのが現状です。

社会の変化が少ない時代ならば、
法令を守り、国からの指示を間違いなくこなす
そのような職員が適していました。

しかし時代は変化し、
前例踏襲や、言われたことしかできないようでは、
自治体経営はやっていけません。

「公務員試験」の廃止とは、ずいぶん思い切った提案だと思いましたが、
日本の民間企業では、公務員試験をしなくても、
優秀な人材を採用して、国内外の市場で、他の企業と競い合っています。

現在では公務員志望者が多いため、
大学在学中に、大学とは別に公務員受験のための
専門学校へも通う、ダブルスクールの受験生も多いようです。

しかし、これほど勉強漬けで合格した人たちばかりが
自治体の職員になっているのだとしたら、
だいぶ世間の感覚とずれた人ができあがっている恐れがあります。

公務員試験の受験勉強は、相当しなければ合格できないと、
多くの学生や先生が考え、就職活動をする時点で、
公務員受験をまったくあきらめているとしたら、
自治体はどれほど多くの、優秀な人材を失っていることか。

民間企業で働く人たちも、
いろいろな法律の下で仕事をしています。

公務員は、多くの法律を知っていた方が
知らないよりは良いでしょうが、
条例などを審査する法令部門の職員を除けば、
仕事上必要な法律は、その分野の担当になってから
学んでも間に合うのでは?

法律を中心とした筆記の「公務員試験」を無くすことで、
民間企業の就職希望者と、公務員の就職希望者の壁がなくなります。
自治体にとっては、一気に受験生の質と量が拡大し、
非常に有望な取組みです。

すでに全国では180の自治体が、公務員試験を廃止し、
この動きは広がっているようです。
私も伊勢崎市も、すでに、出遅れていました。

有望な人材は、民間企業も自治体間も奪い合いですから、
職員採用戦略をできる限り早く、見直す必要があると思います。





































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