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「内部被曝によるミトコンドリア機能障害」この仮説が不定の症状を説明できるか 『内部被曝に迫る』より

2011年09月02日 | 東日本大震災・原発事故
一つ前のentry「急性白血病や鼻血・下痢と福島原発事故」で低線量内部被曝による未知の症状が起きている可能性について言及しましたが、先月放送されたNHKの特集番組でウクライナの医師による「ミトコンドリア機能障害」という説が紹介されていました。下記のブログに動画と全文が掲載されています。(放送当時見ていたのですがコメントしそびれてました。)

詳しく調べていないので推測で書きますが、この説はおそらく現時点で評価は定まっていないものと思われます。
ほとんど直感に近いのですが、様々な症状を説明できる可能性が高いのではと感じました。(←鵜呑みにしないように。保証はできません。)
放射線障害というと、核のDNAの損傷をまず思い浮かべるのですが、細胞の中に多数存在するミトコンドリアが損傷を受ければ、原爆ぶらぶら病や湾岸戦争症候群、チェルノブイリ後に周辺地域で起こっている不定の症状が起きてもおかしくない。
この医師も言っているように、全てを説明できるわけではないかと思うが。
日本でも何らかの研究結果が出ているのだろうか。難しくて理解できない可能性が高いけど、ちょっと調べてみたい。

ただし、ウクライナのこの地域では、番組に描かれているように食物の内部被曝に無頓着で、自分で採ったキノコなどを子どもに食べさせている。ベラルーシで一々学校に食材を持ち込んで測定したいたのとはちょっと違う。
「福島の子どもたちは国の基準に従ってチェックした“安全な”食べ物を食べているからチェルノブイリとは違う」という言説は、ここまで極端だと、一理あると言えなくもない。

この問題の解明は、(大変残念な事態ではありますが)今の日本でしかできないことであり、本来ならできるだけ早期にその端緒についていなければならないはず。弘前大学と浪江町が協定を締結して長期にわたる健康管理と研究に取り組むという報道もありました。福島県立医大もそうですが、研究と言うとどうしてもモルモットにされているような嫌な感じがします。しかし、子どもや妊婦さんにはできるだけ避難してもらうにしても、どのレベルにせよ「境界領域」で暮らす人が出てきてしまうのは避けようがありません。

いまの大学で国の政策に批判的な研究結果が出てくることは期待しにくいのかもしれませんが。

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内部被曝に迫る~チェルノブイリからの報告(内容全部書き出し)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-665.html

ウクライナでも内部捕縛の健康被害に対して
最近新たな仮説を発表した研究者がいます
(放射線医学研究センター ウクライナ)
ナロジチなどでの子どもの診察を20年以上続けてきた
放射線医学研究センターの教授エブゲーニヤ・ステパーノバさん(放射線医学研究センター教授)です
ナロジチに住む子ども達の血液を調べ
非汚染地域に住む子ども達に比べ、細胞内のミトコンドリアに
より多くの異変が起きていることを明らかにしました
論文「長期低線量被ばくによる児童のミトコンドリア機能障害」

エブゲーニヤ・ステパーノバ:見て下さい
これは破壊されたミトコンドリアです

ミトコンドリアは体内で細胞の働きを助けるエネルギーを供給する器官です
ミトコンドリアに異常が起きると細胞死につながったりエネルギー代謝に支障がでたりすることがこれまでの研究で分かっています
ステパーノバさんはナロジチの子どものミトコンドリア変異は
内部被ばくの放射線の影響であり、慢性疲労、無力症など
さまざまな疾病を引き起こしているのではないかと推定しています

エブゲーニヤ・ステパーノバ:子ども達の体に起きている異変が、
全部このメカニズムによるものだとは言い切れません
これは、いくつものメカニズムの一つにすぎないのですから
日本の子ども達には、我が国のようなことが起こらないよう願っています
心からそう思っています

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木村真三先生の研究発表PDFファイルが公開されています。

チェルノブイリ放射能汚染 ー取り残された街ー
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/kimura2011-3-18.pdf

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第63回「内部被曝① 放射線のミトコンドリア攻撃が原因か 慢性疲労症候群」
http://www.vec.or.jp/2011/08/26/column_063/

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内部被曝患者6000人を診た医師が警告する。No2
http://blogs.yahoo.co.jp/jun777self/4426759.html
 一方、これまで解明されなかった原爆ぶらぶら病については、肥田氏は「最近の研究では、放射線が細胞内のミトコンドリアに影響を与えている、と考えられています」と言う。
 「ミトコンドリアは細胞の活動に必要なエネルギーを生み出しています。筋肉を支えるたんぱく質もそこにある。そこへ放射線が影響を及ぼすことで、正しく作用しない筋肉が部分的にできる。その筋肉がすぐ疲労してしまい、強いだるさを感じるようになる、と言う説が出てきました」

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弘前大が浪江町で放射線調査へ
http://www.nhk.or.jp/aomori/lnews/6085240661.html

弘前大学は、東京電力福島第一原子力発電所の事故で町の一部が警戒区域に入っている福島県浪江町で、土壌や植物などの環境調査と近隣に避難している町民の健康調査を長期間にわたって行うことになりました。
浪江町は町の大部分が福島第一原発から30キロメートルの圏内にあり、一部は20キロ圏内の警戒区域に入っています。
弘前大学は、ことし4月から、放射線測定や医療に関する専門チームを浪江町に派遣して定期的に土壌や植物の放射線調査や近隣の自治体に避難している町民の健康調査を行ってきました。
弘前大学と浪江町では、町内の放射線の調査と近隣の自治体に避難している町民の健康調査を長期間にわたり続ける必要があるとして協定を締結して調査を行うことになりました。
弘前大学では医学部や「被ばく医療総合研究所」など学内の関係部局と連携して、年度内には、町内での調査の範囲を広げて土壌や植物などの放射線調査を詳しく行うことにしています。
(09月01日 19時14分)

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2 コメント

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Unknown ()
2011-09-02 16:37:09
ttp://m.mixi.jp/show_friend.pl?id=2914658
汚染食品喰って内部被曝しろだとよ
一人で勝手に被曝して障害者になってろや
汚染食品喰うのも避けるのも人の自由なのに他人になすり付けるな
返信する
内部被曝によるミトコンドリア異常説は、よくわからんね。 (A_Nekomimi_A)
2011-09-03 17:36:16
はじめまして。
内部被曝によるミトコンドリア異常説は、よくわからんね。
ミトコンドリア(DNA)自体が、母系遺伝のもので なおかつ 突然変異を起こす性質をもともと持ってるようなもので これが どちらに作用するかは、博打みたいなもの。
原理的にエネルギーを活性化しすぎて 他の細胞に影響を与えすぎとか そんな感じみたい。
有効活用すると ラドン温泉やパワーストーンとかあるでしょう。
何万人死ぬとかって風評被害を起こしてる
「心臓疾患」とかってのも いわゆる 
スポーツ心臓みたいな感じで肥大化したり
とかみたいで そもそも そういうのが、
それほど放射能と因果関係があるのか疑問ね。

◆ミトコンドリア病:
ミトコンドリアの変異が原因になって、十分な好気的エネルギー産生が行えなくなることによって起こる。昔の推定と違い最近の研究では必ずしもミトコンドリアDNAの異常が原因でないことがわかってきた。ミトコンドリア病はこのエネルギー需要の多い、脳、骨格筋、心筋が異常を起こすことが多い。
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