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福島県の甲状腺がん:最大径30.1mm、男女差は再び女性優位、年齢構成は変化なし

2015年12月22日 | 東日本大震災・原発事故
8月発表の時点で「本格調査の方が男女差が少なく、震災時の年齢が平均1.6歳若い。腫瘍径は本格調査の方が小さい」と書きました。一部重複しますが、先行調査、本格調査(8月と11月発表)を比較してみたところ、
腫瘍径では30.1mmという大きながんが発見されたので、平均、標準偏差共に増加。
年齢、震災時年齢については大差なし。
男女比は、8月に比べて増加した14名のうち、男5、女9と女性の方が多く発見され、1:1.27から1:1.44に開いた。(先行調査では1:1.97)
これは楽観材料の一つとも言える。
ただし、前回のentryに書いたように、8月発表で予測されたペースを上回る頻度で発見されているのも事実。(ベラルーシのピーク前後に相当)

※→39人の先行検査はA1 19人、A2 18人、B 2人で、全員が先行調査も受診しているので、その後30mmまで増大したということ。

先行調査 113人(良性の1人を含む)
男性:女性 38:75(1:1.97)
年齢 17.3±2.7(8-22)
震災時 14.8±2.6(6-18)
腫瘍径 14.2±7.8(5.1-45.0)

本格調査(8/31発表) 25人
男性:女性 11:14(1:1.27)
年齢 17.0±3.2(10-22)
震災時 13.2±3.6(6-18)
腫瘍径 9.4±3.4(5.3-17.4)

本格調査(11/30発表) 39人
男性:女性 16:23(1:1.44)
年齢 17.1±3.2(10-22)
震災時 13.2±3.2(6-18)
腫瘍径 9.6±5.6(5.3-30.1)

第21回福島県「県民健康調査」検討委員会資料
http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045b/kenkocyosa-kentoiinkai-21.html

福島県の甲状腺がん(11/30):本格調査で39人、推定発症率7.8人(補正後12.4)/10万 倍増は確実 2015年12月12日
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/b244bf096d0d4f0d1a853a7101d9e47e

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