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「2025年に喫煙率ゼロ」は日本でも達成可能(その1)医師2022年、成人2025-34年、政府目標12%はまやかし

2013年06月06日 | 禁煙・防煙
6月2日の「世界禁煙デー記念フォーラム in 弘前」で発表した内容のうち、前半はこれまでの情勢と活動についてだったので省略し、後半の「喫煙率ゼロへの展望」の概要を簡単に掲載しておきます。 →PDF

まずは医師の喫煙率から。調査は日本医師会。


2012年で男性医師の12%以上がまだ喫煙しているというのも噴飯ものですが、仮にこのような直線を引いてみたら、2022年に喫煙率ゼロになるという計算結果。


同じように女性医師は2021年で喫煙率ゼロ。どちらもこれでも遅すぎるとは思うが。


計算方法はごく簡単なもので、説明は省略します。
この推計方法について、
・こんな単純な直線モデルでは科学的ではない
・起算の年を恣意的に選ぶことで結果は変わってくる
という批判があるかもしれませんが、

・これは科学的に予測して当たったかどうかを立証するための計算ではなく、仮にこうしてみたらこうだという結果を元に、今後の対策などを考えるための材料
・起算年は恣意的に選ぶことが重要。そのためには年代別の推移などを自ら見て判断する。これは十分に批判に耐え得る根拠と言える。


成人の喫煙率は厚労省とJTの調査があります。
厚労省の調査結果では、男性が1990年代前半にいったん上昇し、女性はほとんど横ばいのように見えるが、


年代別にみてみると明らかな特徴がわかる。
男性は、90年代前半「バブル崩壊・失われた10年」と言われた時代に、若者の喫煙率が急上昇。
(この時、未成年の妊娠中絶や性感染症、自殺率などの指標が同時に悪化した。その世代が今の親の世代。)
2000年代半ばにかけて、20代の喫煙率が激減。


女性はもっと明らか。
20代女性が急上昇し、2000年代半ばから20代、次いで30代も急降下している。


以上を元に、起算年を「恣意的に」男性は2003年、女性は2004年に選ぶと、男性は2025年に、あんなに横ばいに見えた女性も2024年には喫煙率ゼロになるという計算結果。

この数字は、ほとんどの人の頭にはなかったはず。
(実を言うと私自身、結構驚いた)
喫煙率ゼロなんて出来たとしても遠い将来の話で、この世の中からタバコをなくすなんてお題目ばかりで実際には非常に困難と思わされていた。。


JTの調査は1960年代から続けられており、男性は一貫して低下、女性はゆっくり低下しているようだがはっきりしない。


これを性別、年代別にしてみると、男性では同様に20代が2000年代半ばから激減。


女性は説明の必要のないほどの顕著な変化。
若い女性がタバコを吸うなんて時代は終わった。
(実はこのグラフ、2000年代半ば以降の部分は今回初めて確認し、私自身も驚いた。JTは当然知っていて、ものすごい危機感を抱いているはず。)

要するに、男女とも若者はもう吸わない。年寄りは禁煙するか喫煙者から先に亡くなっているので喫煙率は低い。
その間の30-50代も低下してきてはいるが、団子状に高止まりしている。


同様に計算して、喫煙率ゼロ推定年は男性2031年、女性2033-34年。
厚労省とJTの調査では、一貫してJTの方が喫煙率は高め、低下率も少なめに出る。
理由は知りません。調査対象の違いだろうとは思いますが。。

(その2)に続く

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