踊る小児科医のblog

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白神山地のクマゲラ、絶滅の危機に

2005年06月11日 | NEWS / TOPICS
白神山地に生息する国の天然記念物クマゲラの調査で、今年は1羽も確認できなかったのだそうです。懐かしの2003年冬季アジア大会のマスコット・キャラクタである「ウィン太」がペンギンではなくクマゲラなのはご存じかと思いますが、残念ながら私は白神山地には行ったことがなく、もちろんクマゲラをみたこともありません。昨年出版された『北東北のクマゲラ』が絶滅へと向かっている本州のクマゲラを記録する貴重な資料になっているようです(本屋でも手にしたことがありませんでした)。その他に、下記のようなHPや記事が参考になるかと思いますが、危機危機と言われ続けても、「それでもまだ大丈夫だろう」とか「世界遺産になって開発から守られたから」などと他人事のように思っていたところに冷や水を浴びせられたような調査結果でした。下記記事で指摘されているような入山者・カメラマンの制限も必要なのでしょう。地球温暖化がこのまま進めば白神のブナ原生林が今世紀末、消滅の危機に陥るという予測も明らかになっています。クール・ビズは脱原発・核燃を進めるだけでなく、白神のクマゲラを守ることにも繋がるようです。

クマゲラの世界

いのちの森 みらいへ/白神山地世界遺産10年 -第1部・いま山では-
(1)クマゲラが消える日/繁殖脅かす入山者


危機の白神ブナ林を守ろう(2004年8月15日)

鰺ヶ沢スキー場周辺でクマゲラ生息痕を確認
「白神山地と津軽山地・八甲田山を結ぶ回廊としてこれ以上開発して森を分断すべきでない」


クマゲラ確認できず 青森側白神山地・研究会調査
 国の天然記念物クマゲラの生態を研究している「本州産クマゲラ研究会」(藤井忠志代表)が、今年5月の繁殖期に青森側の白神山地内にあるクマゲラ繁殖地を調査した結果、1羽も確認できなかった。研究会は1989年から調査しているが、白神山地内で繁殖期に姿を確認できなかったのは初めて。藤井代表は「クマゲラはいると思うが、絶滅の可能性がある」と危機感を強めている。
 クマゲラは北海道で約200羽生息。本州では青森県で8カ所、秋田県で1カ所の計9カ所で生息が確認された。このうち7カ所が白神山地に集中している。
 白神山地の生息ポイントでは、97年から2003年までは同一のつがいが毎年1―3羽、計14羽のひなを育てていた。しかし、雌がいなくなり、04年に確認されたのは雄と幼鳥1羽だけだった。
 今年の調査では、このポイントを含む生息可能性の高い白神山地内の3カ所と、秋田県森吉山の計4カ所を観察したが、森吉山で雄1羽を確認しただけで、白神山地では確認できなかった。
 藤井代表は「白神山地は20羽程度が生息可能。絶滅はしていないと思う」と言うが、「特定動物の保護地帯を設け、登山者などが立ち入るエリアと分けるべきだ。管理するレンジャーなどを配置しないと、クマゲラは絶滅するだろう」と警鐘を鳴らしている。(2005年06月10日金曜日)