踊る小児科医のblog

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「朝ごはん運動」は子どもと親の意識改革から

2005年06月01日 | こども・小児科
鶴田町の「朝ごはん条例」施行から1年が過ぎて「二〇〇一年度に朝食を食べない児童生徒の割合が11.3%に上っていたが、〇四年度は8.3%と改善されている」等の運動の成果が報告されたとのことです。実はわが家でも最近は朝食はほとんどがご飯になり、パンは週1回位に減っています。別に鶴田の条例制定で変えたわけではありませんが、子どもたちも以前よりはよく食べるようになったか(な)といったところです。

「朝ごはん運動」が効果/鶴田(2005年5月29日)
朝ごはんは食べましたか(2004年4月27日 東奥日報社説)

問題は、1年前の社説に書かれているように、
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 町当局としては、条例を制定したから朝はパンではなくごはんで、町民全員が必ず食べるようにと強制するような気持ちはさらさらないだろう。またできるものでもない。むしろ条例を制定しなければならないほど、状況は危機的だということなのだろう。
 町のアンケートでは、幼児や小学生低学年の寝る時間が遅い理由は「親の就寝時間が遅い」が六割、「親の帰宅時間が遅い」が二割を占めている。寝る時間が遅いから、朝起きられず朝食が食べられない、悪循環になる。
 朝食を毎日食べるのは子どもたちは88.6%だが、親(主に母親)は78.6%にすぎない。朝ごはんを食べる運動は、まず親の意識改革から始まる。
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ということですね。実は、この朝ごはんを食べない家庭というのは、その他にも親の喫煙率が高い、子どもの学業成績が劣るなどといった調査結果も出てきていて、「親の意識改革」といっても、ごはんだけ、睡眠だけ、運動や肥満だけ、タバコだけといった単独の問題で考えていくのではなく、子どもをとりまく生活全般の問題として考えていかないと難しい。その切り口の一つが地域全体での「朝ごはん運動」であり、高く評価できる取り組みであり、他の地域でも見習っていかなくてはいけないと思います。