畑を掘り、木を彫り、石を刻り、の自然人!

退職後、自分に気ままな課題をちょっと与えて遊んでいます。

「篆書体」と「和菓子」

2016-04-06 20:35:59 | 篆刻


以前にもアップロードしていますが「篆刻」には今から約2千年以上前の漢字の書体、「篆書体」というフォントが使用
されています。

このフォント、篆書体が現在でも「お菓子」の名前にも使用されています。
ほんの一例ですが金沢の超有名な森八の「長生殿」にも。(写真参考)
金沢は加賀百万石のまちであり、茶の湯の盛んなところです。
現在、金沢市や近郊に茶室を訪ねれば、ゆうに100軒は超えるそうです。

以前は森八の出店は名古屋駅前にもありましたが最近はどうなんでしょうか。
金沢のお菓子で有名なのは森八の長生殿・黒羊羹、柴舟小出の紫舟・新菓苑、諸江屋の加賀宝生・花うさぎ、
中田屋のきんつば、などとあります。

和菓子は大別して、生菓子、半生菓子、干菓子の3種。
ものの本によれば
生菓子には蒸し饅頭などの蒸し物、きんつばのような焼き物、草餅のどの餅物、練羊羹などの練り物
半生菓子には栗饅頭や最中、州浜など
干菓子には落雁、煎餅などの焼き物、金平糖、千歳あめ、あられなどの米菓、豆菓子、揚げ物、砂糖漬け菓子など

特に、上生菓子などは茶席の主菓子(おもがし)として、干菓子とともに茶の湯世界になくてはならぬもの。

ご当地、尾張地方も茶の湯は結構盛んで、気が向けば自宅でも美味しい和菓子でお抹茶を楽しむこともあります。
老舗の和菓子屋さんも健在です。

「長生」とは縁起の良いことばですね。
諸江屋さんにも確か篆書体文字の干菓子があったような気がしますが。

「歌謡曲」と「お輪」

2016-04-05 12:50:03 | 日記


大きなお寺の「お輪(りん)」の響きは心の中に何とも言えない気持ちのよい味わいを感じます。
「グオーン」という音の後、数十秒間の余韻がとても素敵です。
「お輪」のメーカーは主に富山県高岡市にあり、その歴史は慶長16年(1611)加賀藩初代藩主・前田利長が大阪から
職人7人を呼び製造を始めたとあります。
いまではすっかり「お輪」職人も減りましたがお輪の音を聞くと心の安寧な世界が広がります。
小さな「お輪」はチーンという感じですが大きな「お輪」の響きはズシリと来ます。

「お輪」と「演歌」の共通点は響きや余韻、そして心に入り込むことでは勝手に思っていますが。

美空ひばりが亡くなったのは平成元年(1989年)の6月4日でした。
あれから28年も経過しました。

美空ひばりも亡くなって歌謡曲の業界も何故か心に響く歌が少ないような気がいたします。
たまに「BSにっぽんの歌」にチャンネルを合わせても、新人歌手が数十年前の歌を熱唱していることが多いです。
こうした現象は現代の歌謡曲から何かを物語っているのではないのでしょうか。

勿論、NHKなども新曲の売り出しに努力していますが、現代の歌謡曲はなぜか心に響く歌が少ないようです。
その理由はなぜなんでしょうか。

理由のひとつは歌謡曲、特に演歌は中高年が唄うことが多く、記憶力や感性の低下により新曲を聞いてもすぐに脳に
インプットされないことがあります。
演歌は似たような曲が多く、余程特徴のある歌でないと中々記憶の中心に入って行きません。

小生の個人的な感想ですが、聞き手の感性の低下もあって最近の歌謡曲は響きの良い「お輪」のようなに魅力を感じる
ことがまれになってきました。
昭和時代は中国の漢籍に学ぶことによる素養を持った作詞家も多く、言葉が持っている力を利用して表現力や余韻を
上手に使っています。
こうした表現力の多彩さは夏目漱石などの作家の語彙の豊富さにも見られます。

いわば漢字文字本来が持っている「音」のみでなく「訓」による文字力が重視されていたのではないでしょうか。
「音」が決して悪いわけではありませんが「音」のみでは音感のみに頼ってしまいます。
「漢詩」が良い例で「訓」による表現力がじわりじわりと心の内に響いてきます。

話は変わって最近の子供の命名は漢字の「音」が重視され、ひらがなをそのまま漢字に変換されている感じです。
漢字本来の持っている意味はあまり考慮されていません。
「言霊(ことだま)」はどこかに浮遊しているのでしょうか。

丁度今が新・社会人になる人や新・入学のひとも多いのですが、祝して彼らや家族、友人が喜びを分かち合う歌は
どのような唄なんでしょうか。
あるのかも知れません、小生が知らないだけで。

思えば、美空ひばりが唄っている最中に両目から涙が溢れることもあり、聞いている方も涙したこともありました。
こうした現象は今の時代には見られません。
「がんばれ、演歌、今の時代に」




「日本貿易会」って・・・

2016-04-04 21:33:10 | 日記


現役引退後はすっかり経済界の動向も霧の中、何も見えてきません。
しかしテレビなどで地球の裏側で懸命に頑張っている日本人を見ますと胸が熱くなります。
文化も言葉も習慣も異なる異国の地で、使命感と責任感でその任に務めておられる方々のストレスは相当なものと
想像してしまいます。

特にプラント事業や資源開発などの業務はストレスの発散する憩の場もなく、さぞ大変なことでしょう。
平成26年の統計では海外在留邦人数は約130万人、平成元年で約59万人でしたからざっと2倍です。
その内、北米で約50万人、アジアで約38万人、西欧で21万人となっています。
日系企業の総数は68,573拠点です。

このように海外で働いている方々のお陰もあって我々は自由に様々なものを手に入れています。
具体的に海外でどのように働いておられるのかを知ることは中々できません。

その一例として「日本貿易会」のホームページをご覧になってみて下さい。
「日本貿易会」の法人正会員は42社となっており、海外でどのように活動されているのか、自由に閲覧できます。
商社の活動は留まることなく、地球の隅々まで拠点を構え活動しています。
日常、通常では行けないような国での活動ぶりもレポートされています。
また、各商社のトップインタビューも掲載されており、更に新聞・雑誌などでは読むことができないような海外事情も
掲載されており興味深い記事もあります。
小生も某社に在籍していた履歴もあり、今の時代の息吹をパソコン上で味わっています。

因みに「日本貿易会月報2016年3月号」の特集は「インドネシアの自動車事情」「水素インフラ整備に向けて・・・」
など掲載されています。

欲望の貧困

2016-04-03 15:36:59 | 日記


全国的に消費動向は芳しくないようです。

日常会話で「今、どうしても欲しい物は何かありますか?」
と友人に尋ねても、特に欲しいものは無い、という方が大半です。
日常生活で必要なものー家屋、電化製品や衣類、車、家具調度品、カメラなどなど全て揃っており、電化製品の故障など
により修理不可能の場合や車の耐用年数による更新などによる購入検討は有りうると思いますが、こうした例は頻繁では
ありません。

デジタルの進化は想像を超えますが、最近話題のバーチャルリアリテイなどは高齢者には別世界です。
タブレットなどお持ちの方も居られますが、無くても不便はありません。

むしろ、新しい「経験」は結構需要はあると思います。
温泉旅行とか世界遺産の旅など旅行に対する願望、普段行けないようなちょっと美味しいレストランなど物欲でない
「経験」の欲望が一般論ですが高齢者世代には多いような気がしています。

趣味をお持ちの方はそうした方面での支出には財布も気にならず、更に健康維持のための運動や食事などにも結構支出
されている方は多いと思います。
そうした趣味生活をされている方を対象としたビジネスはあまり進化もせず発展もしていないことを実感しています。

商品を企画し製造している人は恐らく30-40代の人が中心でしょう。
若手が企画・商品化したもを購入する高齢者世代から見て「どういう商品が望まれているのか」という研究が充分にされて
おらず、大きなギャップがあることを感じています。

最も分かり易い例で申せば、商品に添付されている説明書、ガイドなど高齢者には読み辛い小さなフォントが使用されて
おり、しかも内容的には難解なものが大半です。
趣味の分野ではありませんが最近、FAX機能つき電話機を更新したのですが、その説明書は何と106頁もあります。
こうした場合、よく使用する機能の説明書を別途20頁程度に纏めて欲しいものです。
これも製品の企画・製造は若手社員が担っているからでしょう。

旅行やお出かけ用のちょっとオシャレな衣類もデパートで購入しようと思ってもデザインも限定され、高価格帯ばかりです。
スーパーで販売されている衣類は低価格を前面に打ち出し、品質はおざなりです。
その隙間を埋めるお店は本当にありません。
衣類・鞄・靴など元気な高齢者向けの商品でも需要動向にマッチしたものがあればもっと売れることでしょう。

最近、「物欲」では電動自転車が結構気に入っています。
風が多少強くても全く気にならず遠距離でも体力を心配せずに外出できます。

定年退職された元気な60代以上を対象とした使い勝手のよいグッズはもっと研究されても良いような気がいたします。
今後益々高齢者は増加するのですから。