ご興味の有無はわかりませんが一応ブログにアップさせていただきます。
篆刻作品(公募出品や落款印など)に使用する石で最も一般的なものは「青田石(せいでんせき)」です。
写真でご覧の石がそうですが、硬さは簡単に申せばコンクリート用釘で傷ができる程度です。
爪でひっかいて傷ができるのは適当ではありません。
厳密に申せば青田石にも色々な種類があります。
その名前の由来は中国浙江省の青田県で採れるからです。写真の採石場は2003年にまいりましたときに撮影したものです。
形は勿論、石を砕石しますので普通の石を割ったときと同様で、砕石後切断してご覧の形に整えます。
青田石はコンクリートの上で手で200~300回程度回転させればほぼ平面になります。(原形がある程度四角状になったもので)
実際にご覧になるには東急ハンズが良いと思います。書道用品店でも見れますが書道をなさっていない方は入店しずらいです。
最近は良い石も掘り尽くされ価格の高騰も激しいですね。
印面が3cm四方で最も安価品は400-600円程度、高価のものはその何倍も何十倍もします。
青田県は写真地図の浙江省のほぼ真ん中あたり。近くには彫刻城(町のこと)があり、石材店や芸術作品(大形の石の彫刻作品)
など30-40軒ほど並んでいます。
石の上部に彫刻を施したものを紐(ちゅう)といい、中国では紐(ちゅう)だけの作品展もあります。
龍や虎など動物や花などが彫られていて、愛玩にもなります。
中國では古来、篆刻愛好者は篆刻用石を手で撫でて愛でる習慣もあります。
実際に彫る場合は石の保護のため蠟が塗られていますので除去してから使用します。
天然の石ですから彫り易い石や鉄筆で全く彫れない石にも遭遇します。その場合は廃棄して他の石へ乗り換えです。
篆刻をいたしておりますと石に鉄筆で彫るときの「ザクザク」という音が何とも言えない響きで心地よいものです。