

数ある木材の中でも天然の檜は貴重です。
現在、檜はいわゆる人工林で育てられているのが大半だそうです。
天然の檜は年輪の幅が細かく、反り、曲りなどの狂いや割れが極めて少ないと記されています。
「人はヒノキ、花は桜木、人は武士」と古来より伝えられていますが、この程、運よく天然檜を
いただき、早速に円空仏を制作中です。
鑿を当てていても何の癖もなく、とても滑らかで今まで制作した中で、こんなに気持ちよく
彫ることができるなんて初めてです。
これは多分、天然というだけでなく良材に巡り合ったということでしょう。
檜の寿命は驚くほどで法隆寺五重の塔の心材も、同じく檜だそうです。
そういえば現在、建築中の名古屋城の本丸御殿も全く節のない檜が主に使用されています。
復元作業ということで全部、国産木材ということですが良材を集め、有効に活用するには随分と
神経を使われていることでしょう。
写真の檜林は今回制作中の木材とは関係ありません。
作品は荒彫り段階の円空仏です。