江坂彰氏は1936年生まれ。作家・経営評論家。
今から千年も昔の書ですが今に時代に読んでも結構面白い書と勧めています。
「生き甲斐探しに苦しむ中高年が多いが、私は人生に生きがいなどないと思う。
かりにあるとしても、この大長寿時代、それは一瞬のはかない花火のようなもの。
別になくても、心豊かな余生を送れる。
人生それぞれ、人さまざま、多種多様な生きようの時代である。
会社の出世レースやマネーゲームじゃあるまいし、出世や他人の生き方を比較するのは、ほどほどに
しておいた方が良い。
健康ごっこもいいが、たまには不健康なこともやろう。人間なんだから。
ちっぽけな財産は、子供に残すより生きている内に、なるべく使ってしまいたいもの。
ちょっと贅沢、ちょっと質素が面白い。
良い人ごっこは本当に心が疲れる。
自分の性格にあった仕事や趣味を見つけよう。
自分に親友がいないとなげく若者が増えているが、親友とは生涯の宿命的出会いであり、まあ運のようなもの。
別にいなくても引け目を感じることもあるまい。
気軽な友や、たよりになる知人が何人かいるだけで充分じゃないか。」
生き甲斐たっぷり、首尾一貫した悔いなき人生など退屈でつまらん。
鎌倉末から南北朝の乱世を生きた兼好が「徒然草」でしっかり、きちんと書いている。
孤独を怖がらず、花鳥風月を愛でながら俗にもまじわるという自由自在。
徒然草「序段」
徒然なるままに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆく由無し事を、そこはかとなく
書きつくれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。
第1段から第243段までありますが、人によっては徒然草は若いひとには毒になる!という論もあります。
読んでいきますと内容的に若い人向きでないかもしれません。