畑を掘り、木を彫り、石を刻り、の自然人!

退職後、自分に気ままな課題をちょっと与えて遊んでいます。

飛騨の清峯寺に円空仏を訪ねて

2017-10-29 19:21:38 | 円空


最近は雨天ばかりですが10月27日は奇跡的に雲ひとつない快晴でした。
飛騨の国は標高も若干高く、空気もひんやり、清々しい上天気でした。

円空仏の中でも有名な千手観音菩薩立像収蔵の「清峯寺」に拝観に上がりました。
そして聖観音菩薩像・善女竜王像併せて三尊です。
ご説明では円空さんが亡くなる五年ほど前の造仏だそうです。

このお寺は常住のお坊さんが不在で、お近くの方に予約して拝観です。
写真の石碑から徒歩3~4分程度坂道を登った場所にお寺はあります。

詳しくご説明があり、その親切ぶりにも嬉しい気持ちです。
写真撮影もお許しいただき、ゆっくり拝観し撮影もさせていただきました。
どうして円空仏収蔵場所によって撮影の許可、不許可があるのか不思議です。

そして円空仏は収蔵されているお寺にお邪魔して拝観するのがベストだと実感しました。

今回はマイカーでしたが車中での会話、現地の空気、清冽なお寺の雰囲気、樹木も
眺めながら一歩一歩円空仏に近づいていく、その一挙一動に思い出が深くなります。

こうしてお寺で拝観しますと「拝む」という気持ちになります。

博物館ですと便利ですが美術品を拝見、という気分になります。
撮影は許可されましたが敢えてポスターをここに掲示です。

「一位」の木でも円空仏制作していますが植栽の一位を見たのは初めてです。
聞くところによりますとある程度の老木でないと実がつかないそうです。

棟方志功さんも訪れておられるようで版画が掛かっていました。

一角には円空さんにもゆかりの白山神社もあります。(写真に)

ご説明いただいている、すぐ後ろの建物に三尊収蔵です。

今回は両面宿儺像で著名な「千光寺」「飛騨高山まちの博物館」、高山・「国分寺」
の計4ケ所で円空仏を拝観できました。
この3ケ所は撮影禁止です。

ただ単に円空仏を真似るのではなく、円空の精神性をどのように表現するのか、が
大切なことを改めて学びました。

菊が愈々開花です

2017-10-26 19:42:11 | 日記


ご存知の如く菊は宮家の家紋にもなっている高貴な花。
一年の最後に咲く花としても昔から珍重されています。

菊作りを少しだけ真似事で致しておりますが、近郊では名古屋城での菊花展が
豪華で素晴らしい出来栄えです。

名古屋城・菊花展の出品作が100点とすれば小生の菊作りは30点か40点程度の
自己採点。
恥ずかしいほどの出来栄えですが全くの自己満足の世界。

なにしろ5月上旬に苗を植え、半年かけてやっと咲いてくれます。
夏場は朝夕の水やりも欠かせず、本格派は夏場の宿泊旅行をされないほどの
手間がかかります。

今年は小生の心意気が少々不足し、昨年より劣るようです。
ブログにアップするようなレベルでありませんが、下手の見本ということで。

運慶展・開催中です

2017-10-21 15:02:29 | 円空



さすが東京、どこからこんなに大勢の人が集まるのでしょうか。

来月11月26日まで東京国立博物館・平成館で興福寺中金堂再建記念特別展で
運慶展が開催中です。

運慶と申せば代表的な仏師。
学生時代の教科書に登場し記憶に残っているのはまず「運慶」。
日本人はブランドに弱く、絵画でもルノアール、セザンヌなど超有名な作品展には
大勢の人が殺到します。
仏像では勿論「運慶」
他の仏師の名前をすぐに思い浮かぶ人はかなり仏像愛好家。

今回は
「運慶を生んだ系譜ー康慶から運慶へ」18軀。
「運慶の彫刻ーその独創性」29軀。
「運慶風の展開ー運慶の息子と周辺の仏師」34軀。

仏像は今では「拝観」拝むから美術品として鑑賞するスタイルへ変貌しつつあるような
気がいたします。
仏像は本来はお寺の門をくぐり、お庭を通り静寂な世界に入って本堂で膝をつき拝む、
という一連の動きだったと思われますが、交通の便とか諸経費の関係で美術館、
博物館で鑑賞する機会も増えつつあります。

「鑑賞」。
言葉の根拠は、会場内で手を合わせて拝むひとはまず見かけません。
これが別に悪い訳でなく、仏様と鑑賞者との距離が短縮されつつあると思われます。
一般的には仏像は1段も2段も高く鎮座しており、また距離もあって遠くからでは
しっかりお顔も確認できないこともあります。
こうした博物館では僅か数十センチの距離で拝観できることは満足度も高いと
思われます。

運慶の生年は不詳ですが手元の書籍によれば京都・三十三間堂の本尊に運慶の長子・
湛慶の生年が書いてあり、このことから推定して運慶制作年がおよそ分かるという
ことです。
運慶は大作はチーム10人から12,3人で制作したようです。

詳しいことは東京国立博物館のホームページに記載されています。

こうした仏像を鑑賞して心鎮め、安寧を求めるのは多忙な今の時代に求められる
ということでしょう。
しかし説明文をしっかり読み、仏像もしっかり拝見するには最低2~3時間必要です。
椅子席では疲れた様子の方も大勢です。

片や、市井でも仏像制作されながら静謐な生活を過ごしておられる方もあります。
小生がパソコン教室に通っていたころ、初歩的質問にも親切にご教授いただいた
Tさん、Kさん、そのTさんの奥様もそのお一人です。
彫刻刀を握り、こころ無(む)にし魂を込めての造仏と思います。
(3点、写真掲載)

ひとそれぞれの人生の過ごし方があります。
誰からも指図を受けず自由に心豊かに過ごす、誰でもできて誰でも実行されて
いる訳ではありません。

今回の運慶展でも鑑賞者は今から約900年ほど前の運慶などの仏像を拝見しながら
心の中で何かを受け止めておられると思います。

東京国立博物館の日本館にも仏像が展示されており、ぜひ併せての鑑賞を
お勧めいたします。(運慶展の入場券で鑑賞できます)

東京国立博物館の東洋館にはアジアの仏像など様々な作品が展示されています。
龍門石窟の写真の仏頭は円空仏の口元にそっくり。
魅力的な微笑です。
(許可を得て、ノーフラッシュ撮影)

漢詩の「お祭り」愛知大会

2017-10-15 09:46:24 | 日記






越前丸岡城」
春霞曖曖満邊城
千載石垣蘿蔓生
悲母傳承君識否
萬紅亂落促哀情



春霞曖曖(しゅんかあいあい)として 辺城に満ちて
千載の石垣蘿蔓(らまん)生ず
悲母の伝承 君 識るや
万紅 乱れ落ちて 哀情を促す

*「曖曖」うす暗いさま
*「蘿」キク科の多年草
*「蔓」つる
  (*)は小生調べ。

全日本漢詩連盟は来年・平成30年は設立30周年だそうです。
この14日に愛知大会として名古屋城すぐ東・愛知学院大学名城キャンパスで
開催されました。
祝辞に大村知事も駆けつけられました。

小生は漢詩にも縁遠く、無知ですが誘われて聴講させていただきました。
杜甫の「人生七十古来稀なり」を知っている程度の知識水準ですが。
漢詩は難しい熟語も多く、理解度は10分の1もありません。

しかし篆刻でも漢字を当然乍ら使いますので全く無縁ではありません。
「人生 字を識るは憂患の始め」(蘇東坡)

文字、特に漢字を使う点で漢詩と篆刻は共通点があります。

元・二松学舎大学学長の石川忠久さん(敢えて「さん」)が上記の会長。
漢詩の分野では超有名なお方。
以前、ラジオ講座で時々お聞きしていましたが気さくで、そのご講義は
長江の流れの如く悠々として名調子です。
中国語でも吟じられ、当に朗々としたリズムです。
お聞きしている時間は至福とも言えます。

今回は「尾張に縁りの漢詩」の演題でご講義されました。

頂戴した小冊子によれば全日本漢詩連盟の会員数はおよそ2500人弱。
今回の愛知大会には全国から約550人が応募。
50人ほどが入賞、入選されました。
文部科学大臣賞、愛知県知事賞などが最上位。
今大会のテーマは「城」です。

安土城、彦根城、熊本城、名古屋城、犬山城、越前大野城、小谷城、
松江城、青葉城などなど出てきます。

冒頭の漢詩は福井市・仁愛女子高校3年生の作品で、若年奨励賞受賞です。
堂々とした作品です。
小生の全く知らない熟語も出て参ります。
丸岡町はご存知、日本一短い手紙「一筆啓上」で有名でその館が
丸岡城に隣接されています。
小生が丸岡城を拝見したのは随分昔のことで館はありませんでした。

福井市は漢字学者の白川静先生の出生の地でもあり、何かの縁でしょう。

漢詩を詠むには情景を的確に写す熟語を沢山知っていなければなりません。
韻も踏まねばならず、勉強また勉強なことでしょう。

丸岡城の写真は観光協会からの引用です。
  

秋の匂い「金木犀」

2017-10-14 08:19:47 | 日記





今朝は暑からず、寒からずの爽やかな秋を感じます。
庭に出て深呼吸。
2本の金木犀が自分の存在を知らしめているようです。
良い香りが漂ってきます。
金木犀の匂い。

「きんもくせい」の匂いは遠くからでも、この鈍い鼻にも反応していい気分です。
「きんもくせい」って、どんな漢字だったのかすぐに思い出せず。
字書で確認。
記憶力の低下を実感!

朝から詩情の乏しいはなしですが、昔は金木犀といえばトイレの消臭剤の匂いでした。

金木犀をじっくり観察したら花びらが4枚と分かりました。
遠くから匂いを確認できる樹木って少ないと思います。

漢詩人の森槐南の表現を拝借すれば
「風に清香あり」

名古屋市博物館には金木犀の大木が数本植栽されています。

金木犀の唄を検索していましたら清水悠さんの詩を見つけました。
詩の一部を掲載しました。
爽やかな詩です。
Dewが唄っているようですが、ユーチューブでは開けず。
検索方法に問題ありかも知れません。