畑を掘り、木を彫り、石を刻り、の自然人!

退職後、自分に気ままな課題をちょっと与えて遊んでいます。

前衛的?篆刻家・酒井子遠氏

2017-05-31 11:22:40 | 篆刻




篆刻家・酒井子遠氏の作品は伝統的な作風から一線を画すものです。
とてもモダンで従来の篆刻作品とは別世界です。

例えて申せば画壇での岡本太郎風の如くと小生は感じます。
とても真似は出来ない斬新さがあります。

現代の書壇を代表する現代書道20人展(書家18人、篆刻家2人)でも酒井子遠氏の
落款印を使用されている方がおられるようです。

落款印は書作とのバランスが大切ですので勘案されてのご使用と思います。

随分と前ですが芸術新聞社発行の「篆刻の楽しみ」で酒井子遠氏の作品を拝見したときは
衝撃的でした。
「字法」「章法」とも従来とは全く異なり、戦国時代の「花押」を思い出しました。

掲載をご覧いただけばご理解いただけると思いますが
作品左の「幽谷」(奥深い静かな山)右側の「寸草心」{小さな草の心)

メモ風で恐縮ですが基本的な篆書体を掲載いたしました。
篆刻は線を伸ばしたり縮めたりできますので、この作法を利用されています。

「線質」は多少の肥痩を付けて平凡さを避けて居られます。
そして合字のごとくまるで1文字のように表現されています。

酒井子遠氏(1936-2003)
篆刻家の家系で3代目と記されています。
伝統的な古典主義を脱却し、時代の変化に合わせて表現方法を模索されチャレンジされて
きたものと思われます。

作風はまるで専売特許、真似をすることはとても躊躇してしまいます。
少なくても小生はマネをいたしません。失礼ですから。

伝統を守ること、そしてそこから創造していくこと、芸術の世界ではどの分野でも悩ましい
課題と思われます。

篆刻はコムツカシイ、とよく言われます。
時代も変化してきています。
いろいろあっていいんですね。

写真は芸術新聞社「墨」165号からの引用です。

初心者の菊作り

2017-05-28 20:20:34 | 日記


菊作りのマニュアルを本やネットで調べても本格的なものばかりです。

初心者が手軽に作れて、菊花展に出品するレベルでなく自宅で愛でる程度の菊作りを
2~3年前から試しています。

本格的には「社団法人 全日本菊花連盟発行」「図解・初歩の菊作り」という本が
出版されています。
全88ページ。

この本を参考にしたり、ベテランの菊作りの方にお聞きしたりして自分なりに自己流の
方法で楽しんでいます。
手間暇掛けての本格派の方の菊を100点とすれば自己流の採点は40~60点程度
ですが秋には結構ある程度鑑賞できる菊ができます。

菊にも様々な品種・種類がありますが小生は一般的な3本仕立てです。

菊花展に出品される方は
*苗に相当する挿し芽作り
*用土の配合方法
*日光の当て方
*病虫害の防止方法
*肥料の使い方
*風雨の防止方法
*温度管理
*専用のハウスなど栽培場所
*水やり
などなどノウハウがいっぱいあるようです。

こうした丹精込めて菊作りの方には秋の菊花展を拝見して敬意を表したくなります。

小生の方法はまるで小学生程度のレベル。

菊作りは秋の開花が終わればすぐに始まるようなものです。
詳細はカットして
*今年は5月1日に前年の越冬苗を移植して「挿し芽」を作り
*今日5月28日に大鉢に移植
 用土は腐葉土50%・赤玉土30%・畑の土10%・もみ殻燻炭8%・米ぬか2%
 (およその配合できっちり秤量しておりません)
 鉢の大きさは8号鉢(約24cm)9号鉢(約27cm)

挿し芽(苗)は頂いた6本と自分で仕立てた22本の計28鉢。
昨年もいただいた挿し芽は秋に見事に咲きました。
やはり挿し芽も大きなポイントと思います。

通常は中鉢(6号・約18cm)に移植してから更に大鉢に移植という2度手間です。
人にお勧めはいたしませんが小生は挿し芽の4号鉢から本鉢へ移植しています。
理由は他の作業などに時間を取られ、2度手間は困難です。
2度手間掛けないリスクは開花ときの出来栄えに反映しますが納得して受け止めます。

肥料は窒素・リン酸・カリの含有比率でいろいろ市販されています。
小生は化成肥料と液体肥料の2種類。
消毒もスミチオンとマラソンのみ。
先程のテキストには40種類の薬剤が紹介されています。

菊作りは本格的には1年がかりです。
菊花展を鑑賞する時間は僅かですが出品者の方のご苦労は大変なことと推察します。

それにしても菊苗の植え替え時期があり、多少疲れていても
「さあ、今から2時間頑張ろう!」と自分に喝を入れて。

庭木の剪定って、大変・・・

2017-05-25 09:03:44 | 日記


基本的には自分でできそうなことは自分でこなす、という方針で。
たとえ小さな庭でも庭木があれば時々剪定せねばなりません。
放置すれば夫々の木が四方八方に伸びてしまい、無残な姿になってしまいます。

なぜ、剪定しなければならいのか?

庭は自然を身近に感じる小自然ですが、限られたスペースに様々な種類の木や
草花があります。
イメージ的には絵画における画面構成に似ています。
京都などの仏閣などの名園を拝見していますと絶妙な配置や剪定が行われています。

「バランスの取れた美しい樹形・適度な日光や風通しを良くする・樹木の生長が
 ゆっくりになる・病虫害が減る」

木は葉で光合成して栄養分をつくるため放置すると木の成長は早くなります。
剪定によって葉の量を調整するわけです。

低木はそれほど作業にストレスはないのですが、高い木になりますとやっかいです。
高さ約6.5~7mのモチノキが1本あり、作業するのが大変です。
「さあ、がんばろう!」
と気合を入れて。

脚立が3.6mしかありませんので脚立の最高部以上は木の股に足をかけ、左手で木を
抱えて安全を図り、右手でノコギリやハサミで剪定します。
新聞記事風に申せば
「高齢者が危険を顧みず剪定中に木から落下、大怪我を」
なんてならないように最大限に注意しながらの作業です。

勿論、剪定はただ切ればよい、というものではありません。
樹形が自然になるように切る枝と残す枝を選別せねばなりません。
木の上では全体が見渡せないため、度々脚立から降りて全体像を確認します。

剪定のコツは
「適期に切る、つけ根で切る、切り過ぎない」
「切り過ぎない」が結構難しいです。
と申しますのは大木を毎年剪定するのは厄介で、数年に1回となりますと樹勢の
勢いで繁茂となり、つい切り過ぎるのです。
切り過ぎると木にストレスが大きくなり、徒長枝が多くなるリスクが多くなります。

「ナチュラルなすかし剪定」が基本とあります。

また切ったあとの癒合剤には専用の薬剤もありますが木工ボンドでも良いそうです。

最適剪定時期は
落葉樹の場合、12~2月
常緑広葉樹で3~4月・6~7月上旬・9月
針葉樹は3~4月上旬・6~7月上旬・9月
となっています。

今回は最適時期より1ケ月遅れです。
剪定鋏・ノコギリ・高枝ノコギリ・脚立・竹ボウキ・刈込鋏を使用して作業完了。
45リットルのゴミ袋8枚の収穫!
出来栄えは専門家から採点すれば勿論落第点!

やれやれ、お疲れさまでした。

参考書は色々でていますが上条祐一郎氏の本を参考にして作業しました。
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名古屋・鉈(ナタ)薬師の円空仏

2017-05-22 16:09:47 | 円空





名古屋市地下鉄・覚王山(かくおうざん)駅より徒歩7-8分のところに覚王山日泰寺があり、
そこから徒歩2分ほどで鉈薬師があります。
鉈薬師には円空仏が13体収蔵されています。

日泰寺は比較的歴史が浅く1904年の創建でタイ国王から釈迦の遺骨である舎利が
日本とタイの友好のあかしに納められています。

毎月21日が縁日で大層な賑わい振りです。
この沿道には小ぶりな串カツで有名な店がありますがいつも混雑しています。
午前11時前には大入り満員でした。
参道には干物類や仏花、魚介類、食べ物など数十軒の露店が並んでいます。

この縁日に合わせて鉈薬師の円空仏が公開されています。(午前10時から午後2時まで)

以前から鉈薬師の円空仏をぜひ参拝したいと思っていましたが、やっと念願叶いました。
門の脇から入りますとこじんまりしたお堂があります。
門の脇には石像が2体並んで迎えてくれます。

入場は無料です。
13体の円空仏が鎮座しています。
ご本尊の横に阿弥陀如来・観音・日光菩薩・月光菩薩そして本堂の両脇に12神将・
聖徳太子像と圧倒的存在感の仏像です。
特に12神将は音楽寺とは全く異なったフォルムでまるで抽象画の世界です。

入口で小冊子を500円で購入、写真撮影禁止です。
円空仏の写真を公開できず残念!
ここで感想、
写真撮影禁止であればカラーの絵葉書か図録を販売して欲しい気持ちです。

ネット上では「a-namo」のページで展示円空仏が見れます。
(特別の許可で撮影とか・・・特別とは・・・?)

小冊子には詳細が記載されていますが、一説には名古屋城築城の余材で造仏した?
ともありますが明確な説はないようです。

収蔵されている円空仏は最大で53kg,最小でも14.5kg,
先程申し上げましたように12神の造形は独特のフォルムで円空の発想に驚きます。

本堂の脇に「崠源斎師之碑」とあり、「花道流祖」とありますが言葉から申せば
花道(何流か不詳ですが)の祖がこのお寺に縁があるのでしょうか。

最近、名古屋駅にはJRゲートタワーがオープンしたばかり、レストラン街の人気店は
午前10時半ごろより行列です。
小生も家内も行列は苦手。

JRゲートタワー9Fのビックカメラに何と、お酒コーナーも。
超有名な獺祭を購入(実はグレードも様々あります)、昼食は徒歩5分ほどの
オフィスビル街へ逃げ出しました。
ここならゆっくり落ち着いて美味しい食事を味わえます。
勿論、行列なし。

先程の写真撮影の件、現代芸術家「草間彌生」展は写真撮影OKで大賑わい、
図録の販売も好調なようです。
因みに上海博物館もノーフラッシュで撮影OK,東京国立博物館・東洋館も
同条件でOKでした。

円空さんは広い心の持ち主?条件付きでも結構ですので撮影できるといいですね。

「金子みすゞ」と自然界

2017-05-20 11:34:55 | 日記


金子みすゞの詩に

「おさかな」

海の魚はかわいそう

お米は人につくられる
牛は牧場で飼われる
鯉もお池で麩を貰う

けれども海のおさかなは
なんにも世話にならないし
いたづら1つしないのに
こうして私に食べられる
本当に魚はかわいそう

「大漁」
朝焼小焼だ
大漁だ
大羽鰮(いわし)の
大漁だ

浜はまつりの
ようだけど
海のなかでは
何万の
鰮のとむらい
するだろう


金子みすゞの詩は自然に対するやさしさが満ち溢れています。

片や自然界の掟(おきて)は極めて厳しいものです。
「鰮」は1尾で生む卵は約40万個。
生後50日(15ミリ)で99%他の魚などに捕食され
生後3ケ月(約40ミリ)のシラスの生存率は0.00数%
卵40万個の内、生後15cmに成長した1歳魚で生き残ったイワシはたった数尾。
大漁に生んで大量に捕食されても10億年以上生き残ったイワシ。

にんげんも鰯の命をいただいて暮らしている。

しかし、鰮の生鮮は漁獲量の内、1%程度!
年間4-5尾だそうです。
食料として消費されるのは約10%程度。
残りは飼料や油に。

海の漁獲量の内25%は鰮。
鰮の種類は全世界で約330種類、日本では26種類獲れ、マイワシが約40%を占め
カタクチイワシは煮干しなどに。

最近はあまり購入していませんがオイルサーディンをウイスキーの友にしたことも・・・

鰮は天然プランクトンを食べるのみです。
最近は漁獲量も大幅に減少し、店頭価格も上昇しつつあります。

自然界では様々な生き物たちが、そして人間も命を繋ぐために他のいのちを頂いて
生活しています。
せめて無駄をしない食生活で暮らして行きたいものです。

鰮の研究では平本紀久雄氏が有名で、参考にさせていただきました。