畑を掘り、木を彫り、石を刻り、の自然人!

退職後、自分に気ままな課題をちょっと与えて遊んでいます。

岸田劉生展・豊橋市で開催中ですが・・・

2018-08-24 19:04:13 | 美術


ここで美術評論を書くつもりはありません。

たまたま新聞記事で岸田劉生展が9月2日まで愛知県豊橋市の
豊橋美術博物館で開催中との記事を読み、思い出したのです。

たしか岸田劉生の作品図録が蔵書にあったような気がして。

昭和37年(1962年)4月18日発売の
「日本近代絵画全集、第1回配本 第5巻 岸田劉生」
(全24巻)
梅原龍三郎・前田青邨・川端龍子・横山大観・富岡鉄斎・
黒田清輝・青木繁・安井曽太郎などが入っています。

美術史家 嘉門 安雄氏解説では
ひたすらに写実に徹し、「物の内なる美」を追求して
独特な絵画世界を創造した天才画家・岸田劉生。
その、対象に深く、鋭く迫る表現力と逞しい気迫が生んだ
不滅の名品の数々は、年と共に讃美者の数を増している。
全生涯の代表作を、最高の印刷技術で再現した
輝かしいこの1巻をお贈りいたします。

と記載されています。
原色図版55点 講談社発行
定価600円

当時の給与から換算すればかなりの高価本でしたが
この1冊だけ手元にあります。

月報には劉生のモデルになった実娘・岸田麗子さんと嘉門安雄氏との
対談が記載されています。
対談日は1962年2月12日、なんとその数か月後の7月26日に
岸田麗子さんが急逝されているのです。享年48歳。

岸田劉生の麗子坐像は超有名で、1度見たら忘れられない絵です。

岸田劉生は没後も人気が高く、画集が発行された1962年に大阪・大丸で
作品展が開催され、1日平均数千人の観覧者とか。

1979年に没後50年記念展が東京国立近代美術館で開催されたり、
2011年には生誕120周年展が大阪市立美術館で開催されたり、
東京国立博物館で2016年に開催されたり、と目白押しです。

写真は自画像で23歳の時に描かれ、その年に長女・麗子さんが
誕生されています。

そして麗子さんと解説者の嘉門氏は同じ年齢。

よく見ると麗子坐像は左側から見た絵が多いですね。

生前、劉生は武者小路実篤と親交があったようです。

日本新工芸展を拝見

2018-06-18 13:34:11 | 美術


工芸展には「日本伝統工芸展」と「日本新工芸展」があります。

今回、拝見したのは「第40回 日本新工芸展」
開催の趣旨には
「工芸の本質を問い、現代に望まれ未来を明示できる生活造形を
 確立することを目標。
 生活から離れた表現上の造形美の追及に終わってしまわないよう
 生活の中に求められるもの、生活を豊かにする造形美を改めて
 問い直す」
陶磁・染織・金工・漆・木竹・皮革・硝子・七宝・人形・
切金砂子・紙などの作品が展示されています。

1点につき、見る時間は分や秒単位、制作される方は数か月や数年。
「新」と名前が付きますと工芸展ですから制作される方もアイデイアを
練るのに自ずと制約があることでしょう。
約150点ほどの展示で、陶芸作品が多い印象でした。

それぞれ入魂の作品ばかりで受賞された方も入選された方も来館者に
見てもらって、作品も陽の目に当たることになります。

名古屋・松坂屋で開催ですが百貨店の工芸品売り場でも伝統工芸品を
見て心も落ち着きます。

例えば身近なところで「茶筒」など、(いい仕事されています)
他にもいろいろ。

(う~ん、これ欲しいんだけど、どのシーンで使おうか、懐の財布とも
 相談して、まあ、購入は次回にしようかナ)聞こえないよう心の中で。

それとは別に「日本伝統工芸展」もあります。
趣旨は文化財保護法の趣旨に沿って歴史上、芸術上、価値の高い工芸
技術を保護するもの、となっています。

人間国宝の方は
陶芸35人・染織38人・人形6人・諸工芸3人・漆芸21人・金工23人・
木竹16人(物故の方含む)

出品は資格問わず、出品料も12,000円、書道展や篆刻作品展に比べ
随分安いです!

伝統工芸展は皇族の方々も鑑賞されるほどの展覧会です。
今年は間もなく開催されますが今年、第65回を迎えます。

食べ歩きや旅行などもいいですが、ときにはこうした工芸展に行くのも
ちょっぴり楽しいものです。
特に自分の好きな作品に出合う喜び、というんでしょうか。

「第1回・ぎふ美術展」を拝見・・・

2018-06-10 19:21:02 | 美術



昭和21年から平成27年まで、69回の歴史を刻んだ「岐阜県美術展」が
衣替えして「ぎふ美術展」に。
岐阜県美術館で開催中です。

主催者の説明では
「時代の変遷や表現の多様化に合わせた見直しを行い、より多くの県民の
みなさんが美術に親しむきっかけになるように、また、創造力、鑑賞力の
向上に役立てていただいきたい」

こうした作品展は時代の変化と共に時々、趣旨を変え衣替えが行われます。

審査員のコメントを掲載しましたので、どういう観点から作品の選別が
行われたのか、理解できると思います。

絵画・工芸・写真などは表現方法は自由に料理できそうですが、書は「文字」の
範疇から脱出できません。

臨書が新しい時代表現なのか意見は分かれると思われますが、書部門で数点の
臨書作品が展示されていました。

例え方は適切でないかもしれませんが、スーパーなどの売り場でも時代に合わせて
様々な新しい商品や提案が行われています。
時代が変わってもしぶとく残る商品もあれば消えていく商品もあります。

作品を見ても同じような作風ばかりでは変わり映えしませんので、バラエテイ
豊かに選抜されています。

「上手な作品は選ばない」と、ある審査員のコメントに記載されています。
時代性を採りいれた表現力重視かもしれません。

書作品では小学生の作品も入選していました。

写真コーナーではデジタル使用も展示されていました。

今回は第1回ということで、見方によっては審査員がどんな作品を選ぶのか、
審査員も鑑賞者から審査されているように感じました。

こうした作品展もアリかな、自分の感性にマッチした作品を中心に拝見。

新しい時代表現は今の時代を反映していますが、今後、時間経過を経て10年後、
20年後にどういう評価を得るかは・・・?


ご参考までに。
日本を代表する書の作品展・読売書法展は伝統重視で「伝統の輝き」、
その中で新しい表現法を模索する、出品には趣旨を充分確認する必要がありそうです。

写真撮影は許諾済みです。
審査員のコメントは一部のみ掲載です。

「現展」を拝見して

2016-07-09 17:32:40 | 美術


人生は全て「縁」で結ばれていると言っても過言ではないかも知れません。

10年程前でしょうか。
旅先のスナックで仲間でワイワイ酒を飲み交しているとき、近くの席に居られた方にお声をお掛けしたのが
始まり。
その方が画家とは吃驚。
「現展」名古屋支部長の田中敏夫さんでした。
それがきっかけで展覧会の案内状をいただくようになり、小さな交友が始まりました。

「現展」とはどういう団体かも勿論不詳で、拝見してそのパワーに2度吃驚です。

昨日は中部展を愛知県美術館で拝見、田中さんの作風、モチーフも10年間には微妙な変化が見られます。
そして小生には発想できないような作品がびっしり並んでいます。

作品の大きさも様々、画風もさまざま、原色使いもあり、落ち着いた色使いもあり、良い刺激を受けました。

篆刻や円空仏制作の小生とは異なる世界を拝見できることは貴重です。

作品にはその人の人間性、生命力などが投影されると思いますが今生きている、という作品に出会えると
嬉しいものです。

作品は著作権の問題でホームページからで、昨年の発表です。

メニコン創業者・田中恭一氏3人展

2016-06-12 20:24:14 | 美術


開催期間は残り僅かとなりましたが6月17日(金)まで名古屋駅前・大名古屋ビルジング33階で
田中華山氏・田中恭一氏・田中勇輝氏の3人展が開催中です。
(AM10~PM6・最終日はPM1まで)
オフィス棟で直接、33階までエレベーターで行けます。
ご存知、新規オープンのビルです。

田中恭一氏はコンタクトレンズ開発者で、弟の勇輝氏は技術担当。故・華山氏は父上で竹細工で有名です。

超多忙なお方が余技とは全く思えない本格的な作品ばかり。
長年に亘り、仕事の合間を縫って制作されていることに驚嘆です。

恭一氏は達磨の刻画を45点ほど、勇輝氏はボトルアーキテクチャー3点と仏像10点余り、華山氏の名品も
展示されています。

以前にも同氏たちの作品を拝見しておりますが、今回は恭一氏におはなしを伺うことができました。
お聞きいたしますと毎朝3時には起床、4~5時間は制作に励んでおられる由、その後、本来の業務に精励
されているそうで、一流の方の生き方はさすが違うことを痛感いたしました。
同氏は福祉活動にも尽力され、またスポーツや音楽関係にも支援されています。
昭和一桁生まれの方ですが、矍鑠とされエネルギーをいただいた気持ちです。


今回、多分秘書の方と思いますが小生の名前をご記憶されていて会長を紹介いただきました。

どなたも鑑賞自由ですのでご都合次第でご高覧をお勧めいたします。