現代社会は多様化・高度化が進み、複雑なストレスの環境の中で
生存しており、こころのトラブルに悩む人が急増している。
そして、私たちは漠然と不安や緊張を感じることがある。
「頭が痛い、脳腫瘍では?」などと気にすればするほど、
ネガティブな想像力が増幅してしまい、その心配や不安を
押さえ込むことができなくなり(予期不安)、恐れ、苦しむ
心気神経症となって、日常生活に支障がでるようになってしまう。
しかし、これらの病気は決して特別の病気ではなく、非常にありふれた
病気であり、うつ病などは「こころの風邪」と呼ばれているのも
そのためであるが、これらの病を癒す方法は、不眠症治療と似ている。
夜が訪れ、寝ようと意識すればするほど、神経が興奮して眠れなくなる
ように、神経症やうつ病を消し去り、克服しようとすればするほど、
意識が病気に集中して、症状が増悪する結果ともなりかねない。
神経質を負の性格とせず、プラスとして不安や心配、緊張と共に生き、
自分の注意を外に向け、神経質の性格を伸ばす生き方をすることが、
こころの重荷を取り除き、本当の自分を取り戻す方法だと思う。
また、神経症の人は、時にはこころを“休ませる”ことが必要で、
「“休”む」とは、「人」が「木」の傍らに近づくことである。
自然に親しみ、木の茂る山に登ったりして、気持ちのいい汗をかく、
疲れたら木の根元でしばらく休憩をするなど、こころに栄養を与え、
ゆとりのある時間を持つことも大切だろう。