【 切診(脈診・腹診) 】
現代医学では、病名の診断に重点をおくが、東洋医学の疾病の分類法は
まず「証」の診断をする。
その証を診断するために、望(ぼう)・聞(ぶん)・問(もん)・切(せつ)の
四診を用いて総合的な判断を行う。
望は視診、聞は聴覚や嗅覚を通じて行う診断法、問は問答によって患者の
訴えを尋ねる法、切は患者の身体に直接切触して診断する方法である。
中でも“切”は、「脈診」と「腹診」とがあり、患者の病状(証)を知る
ためには重要なものである。
切診の一部をなす腹診は、脈診と併せて行って診断する。
この時期、臍(へそ)と鳩尾(みぞおち)の中間部分を指頭で軽く叩くと
チャプチャプとした音のする患者が増えている。
これを振水音(拍水音)といい、もともと胃下垂や胃アトニー、胃拡張など
のある患者が、冷たい飲み物を摂りすぎたために聴取できる音でもある。
過剰な停滞した水分(水溜り)のことを「水毒」というが、多くの日本人は
水分を取り過ぎて、脾胃の働きが低下し、過剰な水分は悪い湿気となって、
身体の関節、内臓、皮膚、頭部などに渟って体調不良の原因となっている。
“水”は生命にとって大切なものであるが、害毒をもたらす両刃の剣である
ことを肝に命じ、適度に身体を動かし、汗をかき、過剰な水分がたまらない
ような生活に努めてほしいものです。
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