身体に潤いを与える水分の総称を「津液(しんえき)」というが、
それが停滞すると過剰水分(水溜り)が生じ害毒となる。
これを漢方では「水毒」という。
その水分が原因で冷え性、食欲不振、消化器疾患や腰痛、リウマチ、
膝関節炎、水肥り、皮膚病、風邪などの病気が増悪したりして、
万病の元となることがある。
例えば、植木鉢の草花に水をやらなければ枯れてしまうが、
水を与え過ぎれば“根腐れ”を起こし草花は弱ってしまう。
体重の60%以上の水分を含んだ人体にとって、水分補給は必要だが、
島国で湿気の多い日本では、水分を取り過ぎると脾胃の働きが低下し、
過剰な水分は身体の関節、内臓、皮膚、頭部などに渟って
身体のあちらこちらに“根腐れ現象”を起こしてくる。
生命にとって大切な水ではあるが、害をもたらす両刃の剣であることを
肝に命じて、適度に身体を動かし汗をかき、過剰な水分がたまらない
ように努めてほしいものである。