東洋医学を特徴づける基本理論の中核をなすものに“陰陽論”がある。
明るい(昼)と暗い(夜)、暑いと寒い、男と女、天と地、日と月など、
活発で興奮や動きの性質の方を「陽」と呼び、抑制や静けさの性質の方を
「陰」と呼び、相対立したものを陰陽とする。
また「陰」と「陽」は、いつも抑制しあって、強くなったり、弱くなったり
しながら相手を牽制して、自然界のリズムも身体の機能も調整されている。
したがって、「陽」が善くて、「陰」が悪いとか、「陰」が善くて、「陽」が悪い
ということではなく、このふたつがうまくバランスをとっていることが重要
なのだが、我々は、陽の部分だけを見て、つい善悪を判断してしまう。
特に病気になったときは、そう思いがちになっていることが多いが、
大輪の美しい花を咲かせる草木でも、その「陽」を顕現するためには、
土中に張り巡らされる「陰」である根がなければならない。
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