東京の手話通訳者

「東京の手話通訳者はレベルが高い」
という噂がある。
事実だろうと思う。
理由は簡単。手話通訳報酬額が突出して高いから。

「また金の話かい！」
そう。
手話通訳者派遣事業を大きく前進させたいなら、経済的側面から目を背けたらあかん。
東京手話通訳等派遣センターの「手話通訳報酬額の基準表」によれば、１時間の報酬（通訳者一人当たり）は、
５，２５０円
となっている。
公開されている情報なので、関心のある方はご自分で調べてみてください。
これなら、生活できる。
派遣手話通訳者の多くは、生活していくための仕事をしながら、必死で時間を作って手話通訳をやっている。
もし、手話通訳報酬が生活できるレベルのものであれば、こう言ってはなんだが、「仕方なく」やってる仕事なんかやめて手話通訳に専念するだろう。こうなれば、手話通訳者のレベルは飛躍的に向上する。

東京以外の地域は、１時間１，３００円から１，６００円といったところ。
普通のパート労働とほとんど変わらない。パート労働の場合、一ヶ月の出勤日数がほぼ決まっており、収入予測が簡単にできるが、手話通訳の場合はそうはいかない。
派遣者から久しぶりに連絡が来たなー、と思ってスケジュールを確認すると、都合が悪くて行けない、なんてこともよくある。
こんな状態だから、生活を維持するどころか、手話通訳の収支そのものが赤字。

あと、参考までに、東京以外で突出しているのは、京都市聴覚言語障害者センターからテレビ放送に派遣する手話通訳者派遣費用。
１５分で９，０００円。
（京都の場合、テレビ放送だけが突出している。その他については東京の半分ぐらい）