自民党が予算委での与野党質問時間の配分比を前例に反し野党分を削減するよう主張。絶対、容認できない。自民党が野党時代、強力に要請をして今の配分比となった。野党の質疑時間を減らす姑息な試みは止めて総理の言う丁寧な説明に努めてもらいたい。
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安倍首相、諸問題「丁寧に答える」はずが野党質問時間削減検討を指示
安倍晋三首相(63)は、国会での野党の質問時間を削減し、与党分を拡大するよう野党側に提案する検討を進めることを自民党幹部に指示した。「我々の発言内容を国民は注目している。しっかり機会を確保していこう」として、与野党で調整するよう要請した。
11月1日には特別国会が召集される。当初は短期で閉会するとの案もあったが、野党側は所信表明演説や代表質問、予算委員会の実施を要求。これに応えて会期を延長するのに併せ質問時間の割り当ての見直しを提示する案が出ている。
安倍首相は、10日からアジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のためにベトナムに出発する。過密スケジュールにもかかわらず会期延長の意向を示したのは森友、加計学園問題に「丁寧に答える」との自らの発言に準ずる形。だが、野党の質問時間を削減することは、これに相反することになる。早速、野党側からは批判が相次いだ。
立憲民主党の福山哲郎幹事長(55)は、旧民主党政権時代に、当時野党だった自民党の要求で、与野党の質問時間の配分が「2対8」となったと説明。「安倍首相が国民への説明責任を果たすことになっていない」と強調した。共産党の穀田恵二国対委員長(70)は「ひきょうな手段。言論の府をおとしめるつもりなのか」と非難し、希望の党幹部も「事実上の質問封じだ」。与党寄りの立場を示すケースが多い日本維新の会幹部も「とんでもない暴挙だ」と憤った。
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安倍政権が野党の国会質問の時間削減に乗り出す!

安倍政権が2017年10月27日から、衆院での与野党の質問時間の配分を見直す方向で調整に入ったと報道されています。
たとえば、衆院予算委員会は現在、与党2割、野党8割の割合で質問時間が配分されており、割合は変動するが、野党に多くの時間を配分することを慣例としてきました。
野党が8割というと多いようですが、そもそも、予算案や法案については、与党は国会提出前に政府から十分説明を受け、質疑応答の時間もたっぷりとられ、与党が了承してはじめて国会に提出されているからなのです。
ところが、なんと、安倍政権は議席割合より多い野党の質問時間を減らすことを検討しているというのです。
あの加計問題で一躍有名になった萩生田光一・幹事長代行によると、安倍安晋三首相(自民党総裁)は27日、首相官邸で萩生田氏に
「これだけの民意を頂いた。我々(自民党)の発言内容にも国民が注目しているので、機会をきちんと確保していこう」
と指示したというのです。
これのどこが丁寧な説明をするという態度でしょうか。
菅義偉官房長官も同日の記者会見で
「議席数に応じた質問時間の配分を行うべきだという主張は国民からすればもっともな意見だ」
と述べたというのですが、国民は森友加計問題などの疑惑の徹底解明を求めている人が大半で、政府と与党同士のなれ合い質疑を増やしてほしいなどという話は聞いたことがありません。
今後、与野党で協議して配分を決めるといいますが、野党ならぬユ党の希望の党や維新の会は賛成しかねません。
国会における慣例の意味は重く、憲法につぐ国会法、内閣法などと同等の意義を持つ慣習も少なくありません。これを慣習法と言います。
もともと、議院内閣制をとる日本では政府と与党は一体化しやすく、野党の質問時間が減れば国会の行政監視機能が弱まることは確実です。国会審議での自民党公明党の質問時間など、自画自賛というか、安倍礼賛というか、全く無意味な内容のものばかりで聞くだけ無駄で、2割でも多いくらいです。
野党からの追及に困ってその質問時間を減らすなど言語道断。
ことは、議会制民主主義の根幹にかかわる問題です。
こんなことからでも独裁制に行きつきかねません。国民世論で絶対に押し返さなければいけない問題です。
今回の選挙で突然自民党の議席が増えたわけでもないのに、与党と野党の質問時間の配分を見直す合理的な理由がありません。
こんなひどいことを思いつくのは前代未聞。さすが、安倍政権の民主主義無視の危険性を表しています。
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