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日本の原発17基の「重大欠陥部品」疑惑。放置すれば破局的事故の可能性も?~フランスでは…!〔月刊SPA 2016.12.20〕

2016-12-21 15:23:16 | 福島、原発

  https://nikkan-spa.jp/1258328より転載

日本の原発の「重大欠陥部品」疑惑。放置すれば破局的事故の可能性も!?
2016.12.20
日本の原発17基の「重大欠陥部品」疑惑。放置すれば破局的事故の可能性も!?

基準値より炭素濃度の高い部品があることが発覚し、停止したフランスのトリカスタン原発(写真/Greenpeace)

 原発大国フランスで、原発12基が緊急点検のため停止させられるという異常事態になっている。蒸気発生器や圧力容器などの原発の最重要部品の鋼材の強度不足が発覚したためだ。

 問題は、この強度不足の部品を提供した企業「日本鋳鍛鋼」が、日本の原発にも部品を提供しているということだ。

 日本の原発でも、強度不足の部品が使われている可能性があるというのだが、原子力規制委員会は書面上のデータだけで「問題なし」としてしまっている。果たして、本当に問題はないのだろうか?

フランスで12基の原発が停止に。日本でも17基で同様の欠陥部品が使われている”疑惑”が!?


「これはフランスのみならず、世界の原発業界全体を揺るがしかねない大問題です」。深刻な面持ちで語るのは、ショーン・バーニー氏。環境NGO「グリーンピース・ドイツ」で原発問題を担当する専門家で、今回発覚した強度不足問題についての調査や意見交換のため緊急来日した。

「2014年末に建設中のフラマンビル原発3号機の原子炉圧力容器に使われている鋼材が基準を満たさないものであることが発覚し、ASN(フランス原子力安全局)は、同じような問題がないか、フランスで58基ある原発すべての調査を行うよう指示しました。その結果、18基の原発で類似の問題があるとされ、うち深刻だと思われる12基の原発を停止するようASNは命令。順次、原発を停止して徹底的な点検を行っています。

 これらの停止命令が下された12基の原発に鋼材を提供していたのが日本鋳鍛鋼です。そして、日本で再稼働した川内原発1号機、2号機など、日本でも17基の原発で日本鋳鍛鋼から供給された鋼材が使用されています。つまり日本においてもフランスと同じように、原発の最重要部品で強度不足の鋼材が使われている疑いがあるのです」(バーニー氏)

⇒【資料】はコチラ(「欠陥部品」疑惑!? 17原発マップ)
http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1258350


日本の原発17基の「重大欠陥部品」疑惑。放置すれば破局的事故の可能性も!? 
具体的に、どのような問題が日本鋳鍛鋼の鋼材にあるといわれているのだろうか。

「1995~2006年にかけて日本鋳鍛鋼がフランスの原発に供給した鋼材には、基準値である0.22%を超える炭素が含まれており、特にトリカスタン原発1号機と3号機の蒸気発生器の鋼材は、0.39%という基準値の1.7倍もの高い濃度の炭素が含まれることが発覚しました。一般的に炭素濃度が濃い鋼材は壊れやすくなります」(同)
 

そのまま放置すれば破局的事故の可能性も


日本の原発17基の「重大欠陥部品」疑惑。放置すれば破局的事故の可能性も!?

井野博満氏(写真/浅野カズヤ)

 金属材料学が専門の井野博満・東大名誉教授も、炭素を多く含む鋼材が原発に使われることの危険性を懸念している。

「今回問題になっている原発部品用の鋼材に基準以上の炭素が含まれていることについて『強度』という言葉がよく使われますが、より正確に言うと『破壊靭性』です。炭素を多く含む鋼材は硬くなりますが、その分脆くもなります。

 例えるならば、包丁などの刃物がそうです。硬くてよく切れますが、破壊靭性があまりないため、使っているうちに刃こぼれしてしまう。反対に、含まれる炭素が少ない鉄は、加わった力に対してのねばり強さ、つまり破壊靭性がある。

 なぜ原発の部品で破壊靭性が必要なのかというと『熱衝撃』、つまり急な温度の変化に耐えるためです。例えば、熱したガラスのコップに冷たい水を急に注ぐとパリンと割れてしまうことがあります。

 これと同じように、何らかののトラブルで原子炉に緊急冷却水を流し込まなければいけない場合に、原子炉の部品は急激な温度変化に耐えられる必要があります。ですから、炭素を多く含む鋼材でできた原子炉は緊急冷却の際の熱衝撃でダメージを負い、場合によっては重大な事故を引き起こす可能性があるのです」(井野氏)
 
日本の原発17基の「重大欠陥部品」疑惑。放置すれば破局的事故の可能性も!?

小出裕章氏

 原発の危険性についての数々の著書がある小出裕章・元京都大学原子炉実験所助教はこう警告する。

「フランスで見つかった事例では、蒸気発生器の下部の『水室』と呼ばれる部位で鋼材の強度不足があったのですが、これは核燃料に直接触れる一次冷却水が流れるところですから、もし水室にヒビや穴ができたら大変。そこから一次冷却水が漏れて核燃料を冷やせなくなるという、極めて深刻な事態になります。フランスでは圧力容器にも強度不足が見つかりましたが、これは蒸気発生器より輪をかけて危険だと言えます。圧力容器は原子炉そのもので、穴が空いたら冷却水が原子炉内にたまらなくなってしまう。冷却できなくなれば、核燃料が溶け落ちてメルトダウンが起きます。つまり、福島第一原発事故と同じか、最悪の場合はもっとひどい事故も起こりうるのです」(小出氏)

 『週刊SPA!』12月20日発売号の記事「原発17基[重大欠陥疑惑]を追う」では、日本の原発の「欠陥部品疑惑」を追及。川内原発再稼働容認に転じた三反園知事や原子力規制委員会はこの疑惑についてどう対応しようとしているのか? などをリポートする。

【井野博満】
東京大学名誉教授。工学博士、専門は金属材料学。共著に『福島原発事故はなぜ起きたか』(藤原書店)『材料科学概論』(朝倉書店)など

【小出裕章】
元京都大学原子炉実験所助教。福島第一原発事故以前から原発の危険性を訴え続けてきた。『原発のウソ』(扶桑社)など著書・共著多数

取材・文/志葉 玲

 

 

 


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