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一番の平和ボケは安倍首相~戦争体験がないにもかかわらず、彼らは聞く耳を持たない

2015-08-25 14:13:51 | 報道

「戦争体験がないにもかかわらず、彼らは聞く耳を持たない」

15日の北海道新聞「戦後70年」
医師の中村哲さんとエッセイストの華恵さんの対談より一部抜粋。

...

中村 : (戦争体験を)語り継ぐことの意味は大きい。でもそれだけではだめだと思います。
たとえば私は子どもの頃の朝鮮戦争(50~53年)をよく覚えています。どこかで戦争をしている。その間に日本がどんどん豊かになっていく。その感じですね。
戦後、日本は他国の戦争のおかげで経済復興を遂げたという一面についてはあまり語られてこなかった。

華恵 : 確かにそう言われても、なんかキョトンとしてしまいます。

中村 : 朝鮮戦争、ベトナム戦争の特需があって日本の経済成長があったんだということも、語り継がれるべきでした。
それを言わなかったから、今になって「平和主義なんて現実的じゃない」という、ねじ曲がった〝現実論〟が幅をきかせているんじゃないかと思うんです。

原発は売るわ、武器は売るわ、犠牲をよそに持って行くという発想も、戦後の日本人がそのときそのときに世界で起きている戦争の現実を、深く考えることがなかったからではないか、と。

華恵 : 戦争を知る世代の方が「日本は再び戦争をする国になるのではないか」と、危機感を表明しています。そう言われてもいまひとつピンとこないのも、そのせいでしょうか。今からではもう遅い?

中村 : いや、そんなことはありません。日本は曲がりなりにも70年間、戦場に兵隊を送ってこなかったという実績があるんですから。
なのに今、それさえも捨てようとしている。

華恵 : 憲法9条の意味は、アフガニスタンのような紛争地域にいらっしゃる方が、よく分かるんでしょうね。

中村 : その通りです。日本は中近東の人々が最も親密な感情を持つ国だった。
それがだんだん「欧米の仲間になったらしい」という感じが伝わって、それまで日本人であるということだけで安全保障になったのが、日本人であるというだけで標的になるように、少しずつ変わってきた。

華恵 : そう感じる場面が実際にあるんですか。

中村 : あるんです。前は、日本は国連以上に信頼されていた。

華恵 : えー、そうなんですか。

中村 : 日本の旗をつけていれば武装集団に襲われることはなかった。9.11以降は日の丸を揚げていると逆に危なくなりました。
似たような国がドイツですね。ナチズムの反省から憲法をつくった国が、世界的な潮流の中でアフガニスタン攻撃に参加した。
戦死者を出したうえにイスラム教徒から恨まれ、癒やしがたい傷を残した。
日本はその後を追いつつあるような気がしてならないんです。

華恵 : 同世代の中には、たとえば「永遠の0」がかっこいい、みたいなことがあるんです。愛国心というか、「日本人として戦う」ことに憧れるという。

特攻隊までいかなくても新撰組に憧れる女子とか。その延長で「自衛隊に行きたい」という子も実際に知っています。

中村 : 私もそうです。用水路を掘るのだって命懸けです。それでもやるんだという気持ちと通じるものがあると思う。

華恵 : 私もボランティアの経験から、汗水流すことで、生きている実感を得ることには共感する。ただ、それが戦争に一直線に結びつくのは驚きます。どこで分かれるんだろう。

中村 : そこは善悪の判断というか、モラルの問題なんじゃないか。

生きがいを感じられるなら何をしてもいいかというと、そうじゃない。
人間は、切れば血が流れるものなんだ。殺されるのも殺すのも嫌なものなんだ。そこに立ち返れば、戦争をしてはいけないというモラルが、そう揺らぐことはないはず。
そんな大もとの価値観が、どうもバブルのころからがらがらと崩れた気がしてしょうがない。

華恵 : 今はバブルのころのようにお金お金ではないと思いますが、かといって私なんか貧困も知らず、知ってるのはせいぜい「金欠」くらい。
そういうのって「平和ボケ」に見えませんか。

中村 : いや、一番の平和ボケは安倍首相です。「積極的平和主義」なんて言うこと自体がその証拠。
一体この人は戦(いくさ)というものを知っているのか。
いつでもリセットできる戦争ゲームのような、あり得ない議論をしていますから。

華恵 : 戦争の実感がなく想像力を働かせられないのは、私も人のことを言えないです。

中村 : 平和な時に、戦争のことが分からないのは当たり前で、罪ではありません。
分からないからこそ、知っている人の話を謙虚に聞くかどうかで決まる。
戦争体験がないにもかかわらず、彼らは聞く耳を持たない。集団的自衛権の行使容認や、安保法制への反対意見に「おまえが言っていることは偏っている」で済ませる。事実に対する謙虚さがないんです。

戦争を起こしてでも豊かさを手に入れるなどという夢から覚めるために、一人一人が過去の戦争から学び、モラルに基づいて行き先を判断することです。

三浦 美奈子さんの写真
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