異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

「有権者が消費者化」 想田和弘(映画監督)

2014-12-17 04:04:34 | 紹介

 

東京新聞 12.15 夕刊

http://blog.goo.ne.jp/koube-69/e/d62225593c9b70b655ae6fb1359d5738

なぜ日本の主権者は政治に無関心か(想田和弘)

2014-12-05 14:08:27 | 紹介
 『熱狂なきファシズム』著者想田和弘氏インタビューより
想田和弘さん:映画作家。NY在住。自らのドキュメンタリー方法を「観察映画」と呼び、「選挙」などがある  著者:想田和弘 出版社:河出書房新社 定価:1700円+税 発売日:2014年8月25日

…なぜ日本の主権者は政治に無関心なのか。僕はもしかしたら、私たちの自己イメージが、政治の担い手である「主権者」ではなくて、政治サービスの「消費者」になってしまったからなんじゃないかと考えています。

 

つまり、政治をやるのはあくまでも政治家や官僚たちで、私たちは彼らのサービスを投票や税金という対価で買う立場。だから、彼らが出してきた物を買うか買わないか決めるだけの存在が私たち、ということなのかなと。で、低投票率の原因も、たぶんそこにある。

たとえば、選挙のとき全面的に支援したい「完璧な候補者や政党」が選択肢のなかにあることは稀です。どの人も政党も、どこかケチを付けたかったりする。そのとき自らを政治サービスの消費者としてイメージする人であるならば、少しでもマシな方に投票するのではなく、当然「不完全な商品は買わない=投票しない」ってことになると思うんです。

それが、「賢い消費者」の取るべき行動だからです。賢い消費者は、「マシなもの」なんて買っちゃいけないんです。同時に、不完全な商品=政党や候補者ばかりを出してくる「政治」というジャンルそのものに対して、関心を持つことを自らに禁じるようになる。賢い消費者にとって、しょうもないものに関心を持つこと自体が敗北だからです。

また、政治家も主権者を消費者のように観ています。政治家の多くは「国民のみなさま」などと慇懃無礼な言葉を使いますが、あの言葉の裏には「お客様は神様です」的なものを感じるんですね。一見持ち上げてはいるけれども、「あなたたちは、ただ私たちのサービスを消費するだけでしょ」という見くびりを感じる。だから政策を打ち出す時にも誇大広告的なもので釣ろうとする。

アベノミクスなんて、まさにそうですよね。完全にキャッチコピーの世界ですからね。「3日で10キロ痩せます!」みたいなのと同じです
(笑)。でも、その戦略がそのまま通用してしまうのはなぜかと言えば、主権者が消費者化しているからです。

だけど、これはまずいんですよ。なぜかというと、主権者は消費者じゃないから。消費者なら気に入らないものを買わなくても問題ありません
が、主権者の場合は、投票しなくても選挙結果は出てしまい、自分が選んでいない人が権力を握ることになる。そして彼らが税金を上げたり福祉を削ったり戦争を始めたりして、私たち全員の生活に大きな影響を与えるのです。

今のまま消費者の意識でいると、悪循環なんですよ。政治がひどくなればなるほど、無関心な人が増える。政治が「関心を持ってはならぬフィールド」になる。無関心な人が増えれば増えるほど、政治家や官僚たちはやりたい放題できてしまう。その間にどんどんファシズムが進行していきます。


http://notaru.com/notaru-cultureandart/2014/09/11/10347

 

 


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