漫才を武器に、原発事故を追い続ける!芸人ジャーナリスト おしどりマコ・ケンさんの初スピーチが素晴らしい !!
nonnieのブログ http://ameblo.jp/nonta508/entry-12096764578.html より転載
先日の辺野古新基地建設反対の名古屋街宣に飛び入りで参加され
初スピーチをされたおしどりマコケンのお二人。
その場で聞いた直後に、もう一度聞きたいと思いました。
衝撃的でもあり、ケンパルさんのマコリーヌさんへの深い愛情もひしひしと伝わってくる
素晴らしいスピーチでした。
書き起こします。
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マコ「みなさんこんばんは、マコですぅ。」
ケン「ケンです。」
マコ&ケン「おしどりです。よろしくお願いしますー。」
ケン「すごいたくさん集まってるね。」
マコ「ほんとに。実は私達、人前でスピーチするのは初めてで。
吉本クリエイティブエージェンシーに所属している芸人なんですが、
原発事故のあと、メチャメチャ取材をしています。」
ケン「たくさんね。おとつい・・・おとついの前の日も行ったね。」
マコ「取材をしているので、ね、ほんとに取材をしているだけなので、
ま、いろいろ圧力がかかるんですけど、
取材をして何が悪いんですか?って言いたいが為に、
色々スピーチをして下さいって言われても、なんとなくお断りをしてたんです。」
ケン「そうなんです。取材をさせてください、っていうことで。」
マコ「でもね、今日はほんとに色々考えて、原発事故の取材の後にほんとに色々考えて」
ケン「考えました、はい。」
マコ「やっぱりね、やっぱりね、言いたいことは言わないといけないし、
抗議しないといけない時は抗議しないといけないと思う。」
ケン「そう、自分でちゃんと言わないとね。ほんとです。はい。」
マコ「でまあ、辺野古の問題も、今年、名護市に1週間いて色々取材をしたり
去年から取材をし始めてますけど、ほんとにひどいです。
原発事故のね、報道も、あれフェアじゃないって思う事多いんですけど。
名護市の市役所に基地対策係っていうのがあるんですよ。
ケン「ええ、ええ。」
マコ「で、基地対策係の市役所の方に聞いたら、なんか市役所の方が
海上保安庁に抗議しに行ったんですって。そのね、ちょうど6月ね。
その反対している市民の方々に、海上保安庁が救急車を呼ばないといけないようなくらい
手荒な行動を取っているので、手荒なマネはやめて欲しいって、
名護市の市役所の基地対策係が海上保安庁に言いに行ったんですけど、」
ケン「当然ですよね、はい。」
マコ「そう。でもね、海上保安庁は『現場からそんな報告は上がってきていません。』と。
なんにも話を聞いてくれなかった、って名護市の市役所の方に聞きました。」
ケン「はい。」
マコ「だから、現場で何が起こっているか、報道の人達はきちんと取材をして、全国に、東京に
ちゃんと伝えて下さい、って名護市の市役所の人に言われました。」
ケン「そう、言われましたよね。はい。」
マコ「でもね、私わかりました!って言ったんですけど、『あ、すいません、でも私芸人なんですぅ。』
って謝ったんですけどね。申し訳ない、出来るだけ頑張ります、って。」 (笑い)
ケン「調べたことはね。」
マコ「そう、調べたことは言うね。」
ケン「そうそう、わかった事はみんな全部伝えていきましょう。」
マコ「そう。ほんとに原発事故の報道も、出て来てない現場の話がいっぱいあって。
それで、まあね、2011年からずっと取材してる、って私たちいつの間にか、いつの間にか
ベテランになってるんですけど、」
ケン「まあ、少なくともマコちゃんはね。大ベテランです。」
マコ「でもほんとに、うーん、原発事故の取材をテレビ局でも新聞でもフリーランスの方でも
ちゃんとアグレッシブにされてる方々はたくさんおられるんですけど」
ケン「おられますよー、はい。」
マコ「なかなかそのニュースが外に出て来なくって。
で、局でも新聞社でも色々圧力があって、嫌がらせがあって、っていう事を聞きます。」
ケン「そうですね。」
マコ「それで、えーと、原発事故の取材をし始めて、東京電力にね、ずっと一緒に通ってた方や、
えー、福島の検討委員会に一緒に行ってた方が、去年の暮れから・・・違う、去年の夏から
今年の頭にかけて3人自殺をしました。」
ケン「そう、うんうん。」
マコ「で、被爆の研究をされてる方も、今年一人自死されました。」
ケン「うんうん。」
マコ「で、いろいろ心労がたたって病死した研究者もいるし、もう余命数ケ月でありながら
モルヒネ打ちながら、ずっと取材してた記者も知っています。
で、本当に、なんでこんなギリギリのところで取材をしている人達のニュースが外に出ないのか
なんでいちいち、いちいち色んなものと闘わないといけないのか。本当に悔しいです。」
ケン「ほんとうですね。」
マコ「ね、悔しいよねー。」(涙をこらえるマコさん)
ケン「うん。」
マコ「それで今日名古屋に来たのは、先月末に、琉球大学で蝶と被爆の研究をされていた野原千代さん
っていう研究者が先月末に亡くなって、」
ケン「亡くなっちゃった。」
マコ「名古屋の方だったので。」
ケン「そうです。」
マコ「名古屋でずーっと何回も会って、いろいろ話を聞いていて、
で、去年仲良しのテレビ朝日のディレクターが亡くなった時、自死した時、
二人とも仲良しの友達だったので、あの名古屋の駅前のね、マリオットホテルに二人で泊まって
夜通し私が取材して話をしたんですよね。」
ケン「そうです。」
マコ「その亡くなった、自死したディレクターと前日に会ってたのが私達だったので、
何があって、どう取材したのかっていうのを話していて。
マリオットなんかそんな高級なホテルに私は泊まったことないんですけど。
その研究者が『外資系のホテルだったら盗聴器がないからここに泊まろう。』って言って。」
ケン「そう。」
マコ「そうなんです。もうね、わりとね、そんなところになってるんですよ。
だからそれ以来、名古屋のね、名古屋から琉球大学に移って研究されてた方が亡くなって以来
初めて名古屋に来て。
もうここに来ても待ち合わせすることもないし、いないんだなって改めて思うとやっぱ悔しいし。」
ケン「悔しいですよね。」
マコ「ね。」
ケン「だからこそ今日こうやってね、ここでこうお話しさせて頂く機会をもらったんでね。」
マコ「そうなんです。だから色々いやな事とか、悔しい事とかがいっぱいあるんですけど、」
ケン「ええ、ええ。」
マコ「でもやっぱり!こう生きているのは私達なので、その悔しくてもっと動きたかった人達を
私は知っているので。
だからやっぱり何があっても色々勉強するし、取材するし、動き続けていこうと思います。」
(拍手と歓声)
ケン「そうですね。はい。みんなの声、自分で声出してね、全部喋っていったらいいもんね。」
マコ「そうなんですよ。で、なんでかね、私達に色々、なんでしょうねぇ、なんか国からの圧力とかも
なんかよくわからない物があるんですけど、こんなちっぽけな私達なのにね。
(笑い)
なんか、一番やっぱり嫌な事は、『想定外』なんですって。
芸人が、こんなに何年も原発事故に一番しがみついて取材してるっていうのが
すごい想定外らしくて。」
ケン「想定外!うんうん。」
マコ「で、だから辺野古の問題も、今いろんな所で起こってる嫌な問題も、あきらめるんじゃなくて
一人ひとりがメチャメチャ想定外に動くことっていうのは絶対に何か動くと思います!」
(大歓声と拍手)
ケン「なるほどね!ほんとやね。ほんとや、ほんとや。そうしよう。」
マコ「まあね、でもね、こうやって人前で喋るの初めてで、先月の名古屋吉本の名鉄観光の
お仕事呼んでいただいてるんで、ここ、めっちゃ新幹線に聞こえてるんでドキドキしてますけどね。
(笑い)
でもそう、私達も先輩にね、師匠にね、楽屋に呼ばれて怒られることもあります。」
ケン「あります。」
マコ「『お前らだけが一人で動いたって、世の中何も変わらない』と。
『一人で青臭い事言ったって百年かかる』って怒られたことがありました。でもね、」
ケン「マコちゃん、言ったもんね。」
マコ「そう、でも思いついたんですよね。私達みたいなのが100人いたら1年で済みますよねと。
思ったんですよ、ほんとに。」
ケン「そう。ほんとよね。そうそう。」
(歓声)
マコ「なので、ほんとに今、色んな悔しい事多いですけど、もう一人ひとりが想定外に、
もう100人も200人も1000人も、これ今カウントしただけでも100人以上いるんで。」
ケン「いっぱいいますよね。」
マコ「半年くらいで済みますよ。ほんと、ね。」
ケン「ボクは一人にカウントできないんですけどね。」
マコ「情けない事言うね・・・ハイ、頑張ります。
なので、ね!もうみんなが一人ひとり『想定外』になって動くこと。
それで、そうですね、原発の問題も辺野古の問題もいろんな公害の問題も
そして今日のパリの問題もそうだと思うんですけど、
遠くで、誰かが踏みにじられてるっていう事に、どれだけ自分の事として怒れるかどうか。
ほんとそれだけだと思うんです。」
ケン「ほんとですね、はい。」
マコ「遠くの誰かは絶対に自分なんですよ。」
ケン「そう。」
マコ「他人事じゃなくて、国とか権力とかに踏みにじられてる人を無視するっていうことは
自分が困った時に誰も助けてくれない、っていう事だと思います。」
ケン「そうですね。全部返ってきますよね。」
マコ「うん。なので、今日これだけ集まっていらして、ほんとに嬉しいし有り難いですよね。
もう、これから、想定外に、一人ひとりが遠くの問題を自分の事として考えること、
そして想定外に動いていって、周りをビビらしていくっていうのが、必要だと思います。」
ケン「ね、いいですね。」
マコ「今日、ほんとうに、その仲良しの研究者が亡くなって初めて名古屋に来て、
ものすごくものすごく色々考える事があったんですけど、
今日こうしてみなさんの前で、初めてスピーチをする事ができて
本当に有り難い機会を頂いたと思います。ありがとうございました。」
ケン「ありがとうございます。」
(大拍手)
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☆ おしどりマコ・ケンの「脱ってみる?」‐マガジン9
http://www.magazine9.jp/oshidori/110525/
おしどりマコ・ケンの「脱ってみる?」